【ドトウの末脚】
キラーアビリティが、クラシックに名乗りをあげる。母は北米G1馬。1番仔
キラービューティ(
父ゼンノロブロイ)は4勝、二番仔
グロンフォール(
父ハーツクライ)は現役2勝。
ディープインパクト産駒は初めてになるが、同産駒にしては骨が太く、なんか四角い。阪神1800mの新馬は3着。
パワー型のジリっぽい馬なのかなと思っていた。しかし二戦目の小倉戦は馬体の
シルエットもガラリ一変。前進気勢をいなしつつ、1000m通過は60秒0のミドルを後方追走。馬場の傷み具合など考慮、4コーナーすぎ大外からあっという間に先団にとりつき、四肢がぐるぐる回転を始め、上がり2Fは11秒8-10秒8。ドトウの加速力で後続に1秒1差をつけ、1分59秒5のレコードを馬なりで叩き出した。
前走の萩Sは1000m通過は63秒0の超スロー。緩ペースに耐え切れず4Fすぎ一気に11秒8という脚を使い、直線入り口では大外先頭。続く3Fのレースラップは11秒3-10秒6-11秒8(33秒7)。先頭ゴールが見えたかに思えたが、追い出しをワンテンポ遅らせた
ダノンスコーピオンの強襲に屈し2着惜敗…。ただ、4F連続して10-11秒台を叩き出し持久力を証明。同時に10秒6という瞬発力も披露。若干トモが硬く急坂克服が鍵になるが、二週間にわたり栗東へ出向き、横山武Jも気性や能力の感触等を確かめている。
強敵は
コマンドライン。新馬戦は1000m通過は60秒8のスロー。直線入り口、痺れるような手応えで行く気満々。ただ、ルメールJの追い出しと反応が若干チグハグ。中距離系の大型馬に特有の不器用さをみせたが、加速し始めるとグリップは力強い。G手前では流す余裕があった。サウジアラビア
ロイヤルCは10キロ増の522キロで登場。1000m通過は62秒6のスロー。2歳秋の少頭数のマイルは往々にしてこんな展開になるのは承知、3コーナー手前から意識的に動かして行ったが、上がりは推定11秒4-10秒9-11秒2(3Fは33秒5)。上がり3Fの数値を一気に1秒引き上げた。性格は従順、前走のレース運びなら、右回り・小回り2000mも楽に対応できる。
完成度なら
サトノヘリオス。母は4勝、母の兄は
エアシェイディ(
AJCC)、姉は
エアメサイア(
秋華賞)。新潟1800mの新馬戦は
イクイノックスの4着、二戦目の中京2000mを2分0秒0のレコードで走破。さて、その記録は本物か。
エリカ賞はスタート2Fめは10秒9、最初と最後以外は11秒8-12秒1以内で推移。平均ペースという表示以上に流れはハード、底力と持久力を問われるタフな一戦となったが、道中の構えに余裕がある。4コーナーを回るときも、しっかりタメが効き、内か外か、どこを突くか。余裕をもって二頭の真ん中を割り叩き出した。上体はしっかり起きており推進力にも力感がある。ちなみに一週前の古馬GIII・
チャレンジCは、超スローの上がり勝負にせよ、決着時計は2分1秒0だった。中一週になるが、時計的価値は一番といっていい。
惑星には
アケルナルスターを抜擢。近親には地方出走馬が多くにブラックタイプ不在、血統も見た目も地味。ただ7着ながら東京1800mのデビュー戦では33秒7の最速の上がりを使った。続戦も道中はポツリ最後方。前半1000mは62秒2のスロー、直線入り口は大外へ。先行勢に映像がパーンされると一瞬画面から消えてしまったが、上がり3F・11秒3-11秒6-11秒7(34秒6)というレースラップを馬なりのまま加速。残り2F標識で初めて手綱をしゃくり追い出し開始。一頭だけ別のレースを走っているような桁の違う末脚を繰り出し、終わって見れば2馬身差の楽勝となった。自身の上がりは33秒5。推定ながら、上がり2Fは11秒2-10秒9見当の猛烈な加速ラップを叩き出している。コーナー4つの小回りでも、マクリ勝負可能なら、重賞戦線で特大ホームランが打てる、
トーセンラー産駒の「鬼っ子」です。
ジャスティンパレスは新馬・
黄菊賞を二連勝。
ギアチェンジ、加速のノリもまだゆっくり。前走の上がりラップは推定11秒9-11秒1-11秒6(3Fは34秒6)。余力はあったが、瞬発力決着にはまだ課題あり。ちなみに兄
パレスマリスは
ベルモントS優勝馬、適距離はきっと、最終目標であるダービーの2400mなのかもしれない。
フィデルも姉
シャンパンルームは米2歳牝馬チャンピオン(BCジュヴェ
ナイルフィリーズ優勝)という良血。ただ
ハーツクライ産駒の若馬らしく、若干口向きが硬く、新馬戦は発走前のゲートではゼッケン下が白く泡立っていたほど。
京都2歳Sも勝負どころで鞍上に反抗、伸びひと息に終わったが、中間意識をどこまで整備できるか。
ホープフルSは試金石。