【ポテンシャルはGI級】
ソフトフルートは、GIIIはもちろん、牝馬GIも狙える資質の持ち主。新聞の成績欄からは消えてしまったが、6走前の
夕月特別は、後半5Fすべてを11秒台で走破。ゴール板が近づくにつれラップ数値が速くなり、2分0秒0という走破時計は一週前の
ローズSと0秒1差。二着に0秒7差という内容を加味すれば、GIIと互角かそれ以上。続く
秋華賞3着の急追も納得がいく。
レコードに0秒1差のHレベル決着となった
エリザベス女王杯も正攻法の競馬で6着に粘り込んだが、二走前の
グレイトフルSは、GIを二度使った疲れもたまっていたか。京橋Sは転厩緒戦、馬体も464キロに細化。伸びひと息の5着に終わったものの、
シドニーTは470キロに増量。稍重だけに時計は平凡ながら、交わし切ったあとは手綱を抑える余裕もあった。調教のシャープさ、パワフルさも前走以上。極端な道悪は疑問だが、稍重程度の馬場ならこなせる。
対抗は
ミスニューヨーク、馬場が悪化すれば単も買いたい。懸案だった高速時計も三走前の虹の松原S・1分46秒2で、ある程度めどが立った。二走前の
スピカSは、道悪の中山の急坂を、唸るような勢いで坂上から飛んできた。
福島牝馬Sは平坦の新潟、極端なスローの上り勝負。道中度々進路をふさがれ、エンジンが回らないまま流れ込むだけになってしまったが、坂コースの阪神2000mが舞台なら、53キロなら、湿った馬場なら、遮二無二に追えば活路が開ける。
割って入れば
アンドラステ。高いスピード値を保持しているものの、前進気勢が強すぎる。行くか控えるか。チグハグなレースも多かったが、
ターコイズSは好位の内でピタリと折り合い、馬群を割って坂上強襲。軽い骨折で間隔はあいたが、CWコースのタフな長め6F追いを消化、休養前よりむしろ質量豊富な調教をこなせるようになった。心身の
バランスが取れた今なら距離2000mも対応が効くかもしれない。不良馬場の
エプソムCを最速の上りで4着に追い上げており、道悪は苦にしない。
サンクテュエールは
シンザン記念の覇者。3歳春のクラシックの疲労がなかなか抜けず低迷期間も経験したが、470キロに馬体が整った
福島牝馬Sは一旦先頭、惜しい3着。
パワー馬場、2000mに課題は残るものの、川田Jの技術と対処にも期待。
シャドウディーヴァは、不良馬場の
中山牝馬Sを0秒3差に踏ん張った。右回りは基本的にギコちないが、GII2着2回の体力と実績の持ち主。岩田康Jといえばイン突き、5番枠は絶好。
イズジョーノキセキは京橋Sを1分58秒5という好タイムで2着。目下上昇急、52キロなら格上挑戦でも大仕事が期待できる。