【
ホワイトストーン】
ソダシは日本競馬史に置かれた白い宝石。
桜花賞に続き二冠制覇が有望だ。
サンデーサイレンス産駒の祖
母シラユキヒメは突然変異の白毛。
キングカメハメハと
クロフネを配合しても白毛因子はそのまま遺伝。2歳9月の
札幌2歳Sを1分48秒2のレコードで制し、東京マイルの
アルテミスSは11秒2-10秒9-11秒9という高速ラップで先行勝ち。阪神JFをハナ差勝ち抜けGI制覇、2歳牝馬チャンピオンに輝いた。
桜花賞は5F通過・56秒8という激流を好位で我慢、絞り出すようにして1分31秒1のコースレコードをマーク。
オークスはペース表示は平均ながら、ラ
イバルたちの徹底したマークにさらされ、スタート後の1コーナー入り口、向こう正面、そして3コーナー手前と、何度も外から圧をかけられ馬体をこすられ体力を消耗。残り1F地点、一瞬先頭をうかがう闘志は示したものの8着に流れ込むのがいっぱいだった。
復帰初戦、秋の前哨戦はGII
札幌記念を選択。大外から逃げ馬を視野に置き道中は二番手、3コーナー入り口ではGI馬
ブラストワンピースが早めに外から先頭をうかがう勢い、被せられないよう内から張って出ていき、残り4F標識過ぎから一気に11秒8にペースアップしたが、続く3Fも11秒8-11秒7-11秒9(35秒4)という持久力に富む強靭なラップで
ラヴズオンリーユー以下を封印。今年の舞台は、
大阪杯でもおなじみの、先行断然有利とされる阪神内回り2000m。コーナー4つの小回り札幌2000mの前走とダイレクトに戦法は繋がる。
週末の関西は雨予報、しかし
パワーを要する洋芝で2つのタイトルを手にしている。中間CWコースでスタミナも強化、坂路では自己最高のタイムも計測、直前は息を整える程度で仕上がりはほぼ完ぺき。白毛の肌は照りを増し、筋肉の在処と凹凸が鮮やかに目に飛び込んでくる。
対抗は
ファインルージュ。
桜花賞は3着に善戦、しかし上位二頭とは力差を感じた。ならばと走法など工夫を凝らし、逆転をかけ挑んだ
オークスは11着に埋没してしまったが、
紫苑Sはフォームを再チェック。前半1000mは59秒7のスロー、しかし後半1000mは11秒9-11秒8-11秒8-11秒4-11秒6。後半5Fは58秒5という、稀に見る高速の上がり勝負を坂下一気に断ち割った。
1分58秒2という
紫苑Sの走破タイムは
ノームコア(後に
ヴィクトリアマイル、
香港C優勝)の1分58秒0に次ぐ歴代2位。GI制覇の記録を堅固に構築。鞍上はルメールJ、
フェアリーSの外一気の感触と才能を一週前追い切りで再確認した。
条件戦ではあるが、
アナザーリリックの佐渡Sの内容も出色。ペースはスロー、馬場コンディションも完全な先行有利。ラスト4Fから11秒8とペースアップし、続く3Fは11秒1-11秒1-11秒8(34秒0)という流れを、自身33秒2で有無を言わせぬ直一気、1分45秒2というHレベル決着を自作自演。馬体は牡馬と見間違うかのスケールを有し、ト
リッキーな中山マイル、重馬場の
アネモネSを大外強襲。道悪になれば単勝の目も出てくる。
オークス馬
ユーバーレーベンもギリギリ間に合った。父はタフで知られる
ゴールドシップ、しかし丈夫そうに見えて体も心も繊細。小さなアク
シデントが重なり
桜花賞を回避、100%のデキで出走できた回数は少ない。しかし戦績は[2131]と、着外はわずか一度という根性娘。この中間も脚部に不安発生など懸案事項もあったが、コース追いを4本消化。勝ち負けのデキには仕上がった(ただし内回りは適性の高い馬が他にもいる)。
アカイトリノムスメは
桜花賞4着、
オークスはインに進路を見つけG前2着浮上、キャリアを重ねるたび身体も心も強くなっていった。木曜日発表の体重は春と同じ450キロのままだが、馬体の強度と四肢の回転力と
パワーは格段にアップ。コースを想定し、内外どこからでも馬群を割れるように併せ馬も工夫してきた。
アンドヴァラナウトの祖母は
エアグルーヴ、母は競争生活最後の
マーメイドSで初重賞制覇。やや奥手だが娘はひと足早くGII・
ローズSを串刺し。今の充実振りなら4つのコーナーと右回りにも遅れはとらない。