【マイルGI血統】ステルナティーアの決め手重視。全兄はGIマイラー・ステルヴィオ、気性に尖りはなく操縦性は優秀。新馬戦はラスト3F・11秒5-10秒5-11秒3(33秒3)という高速レースラップを、自身32秒7で一閃。新潟の外回りは10秒台のラップは当たりまえ、しかし2Fめ・10秒5は別格。サウジアラビアRCは1000m通過が62秒6のスロー。勝ち馬に先手ゝと動かれ0秒1差遅れをとったが、東京の坂でもラスト2Fめに10秒9というHラップを含む33秒4の瞬発力を計上した。短期放牧後の乗り出しは早く、以前より負荷の強い調教もこなし体力強化。木曜発表の体重は434キロ(-8kg)と少し細めだが、実戦では平常心で折り合える。

　ただ、対抗のナミュールの器は相当大きい。牝系の大本はキョウエイマーチ。近親マルシュロレーヌはつい先月BCディスタフを制圧。ハービンジャー産駒ながら、母系のスピードを満載した切れ者マイラーが誕生した。中京・芝マイルの新馬勝ちのタイムは1分39秒0と平凡ながら、上りは推定11秒9-10秒8-10秒6(33秒3)。前走の赤松賞は東京へ輸送して2キロ増(440キロ)。駐立が悪く発馬でフラつき位置取りは後方。しかしペースや前方を行く逃げ馬との距離にも幻惑されることなく、手綱を放つと一気に急加速。上り3F・11秒0-11秒4-11秒7(34秒1)レースラップを1秒1も上回る、33秒0で一気の直強襲を決めた。時計の速いCコースとはいえ、1分33秒8という走破タイムは、GIII・アルテミスSより0秒2速かった。短期放牧明け、追い切りは一本ながら、ざんざん振りの重馬場で坂路1F・11秒8は出色。もしかしたらワタシたちの予想を遥かに超える、米G1を制圧したマルシュロレーヌ級の才能が備わっているのかもしれない。

　ウォーターナビレラは無敗のV3。札幌1500mの新馬戦は、タフな洋芝をラスト2F・11秒2-11秒4という快ラップで弾けた。サフラン賞も勝負どころの反応は実に機敏。中山の急坂を推定11秒4-11秒0-11秒2(3Fは33秒6)という好ラップで、あっという間に抜け出した。ファンタジーSは1000m通過・57秒4というミドルラップを悠々と追走。上り3Fは推定11秒5-11秒6-11秒6(34秒7)。一旦並びかけてきた2着馬をゴール前は逆に突き放している。強靭な心臓と体力を持ち、青鹿毛の肌艶はなんともたとえようのない輝きがあり威圧感さえ漂う。一連のラップ形態を見るとマイルにも何ら瑕疵はない。

　2着に惜敗したが、ベルクレスタのアルテミスSの決着タイム・1分34秒0というタイムは、過去十年でも三番目、決してレベルは低くない。遠征競馬が続いたが、今度はホーム。伸びと粘りも1割増しが期待できる。直線勝負がハマった感じもあるが、アルテミスSの勝者サークルオブライフも、タフな叩き合いになれば上位に顔をのぞかせてくる。ラブリイユアアイズは京王杯2歳S3着、控える競馬ができた。稽古の負荷を高くしながら木曜日発表の体重は447キロ。身体も動きも強く大きくなった。

　いまの阪神JFは新馬・未勝利を勝ちたての馬にとっては高すぎるハードル。2012年のレッドセシリアを最後に馬券に絡んでいない。

　1勝クラスを勝ってきた馬ならある程度チャンスはあるが、そこも狭き門。2戦2勝、かつ1600mを使われてきて速い上がりを使っている☆ナミュールには一定のチャンスがあると思うが、それでも軸にはできない。

　今年の前走重賞組は一長一短で難しいところがあるが、キャリア2戦が逆に魅力ということで◎ステルナティーアから入る。前走は世代屈指の牡馬相手に負けただけなので2着でも十分。GI馬の下で大舞台に強そうなのも魅力だ。

　アルテミスSがGIIIに格付けされてからはその連対馬が阪神JFでも好走しているので、該当2頭を○▲に。この2頭の勝負付けは済んでいないという意味で敢えてシルシ順は前走着順と逆にしてある。

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【混戦模様】デビュー戦で上り32.7。瞬発力勝負に絶対の自信を持っている8ステルナティーア。パッと見渡してビュンビュン飛ばすスプリンターは見当たらず、ペースに戸惑うことはなさそう。関東馬であることを差し引いても、ここが軸で馬券は組み立てたい。16ベルクレスタは前走勝ち馬の決め手に屈したが、優等生な競馬が出来ていたのはこっち。松山騎手の2週連続GI勝ちは十分。17ナミュールは前走の勝ちっぷりが鮮やか。大器の予感。

※12/5時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神芝1600mで行われる2歳牝馬のGI戦。キャリアがまだ浅い2歳戦で私が重視しているのは、追い切りで走りが良化しているかどうかです。使われつつ良くなってくる子と、新馬戦から成長が見込みにくい子をしっかり見極めて買っているので、直前の追い切りがいい子は積極的に狙います。

　本命視しているのは、サークルオブライフです。前走のアルテミスSでは実戦3戦目でレース慣れが見込め、かみ合った印象です。広い阪神コースで今の使い込まれた阪神コースではタフさも求められると思いますので、パワフルな走りをするこの子に期待します。

※12/5時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　粗削りながら高い可能性を感じさせるサークルオブライフ。出遅れながら大マクリで勝ち切った未勝利戦。アルテミスSも出遅れたが素晴らしい瞬発力で差し切った。今回、好スタートを切る保証はないが可能性にかけたい。ステルナティーアは前走コマンドライン相手に2着。こちらも瞬発力はいいものがある。ウォーターナビレラは競馬がうまいタイプ。3戦3勝で底が見えない。間隔は詰まっているがナミュールも魅力的な素材だ。

※12/5時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　新馬を勝った直後の馬や、一度でも大敗を喫したことのある馬は割り引きが必要。「出走数が1戦以内の馬」は2013年以降[0-0-0-9]、「“JRAのレース”において4着以下となった経験がある馬」は2013年以降[0-1-1-72]ですから、それぞれあまり強調できません。

　また「“JRA、かつ1500ｍ超のレース”において1着となった経験がない、かつ“JRA、かつ出走頭数が15頭以上、かつ重賞のレース”において1着となった経験がない馬」は2013年以降[0-0-0-64]。1マイル以上のレースを勝ち切ったことがない馬も、基本的には評価を下げたいところです。

　なお「“東京・中山、かつ1勝クラス以上のレース”において2着以内となった経験のある馬」は2013年以降[5-5-6-14]で、3着内率が53.3%。関東圏のレースに十分な実績がある馬は信頼できる印象でした。

　今年のメンバー構成なら、ウォーターナビレラ・サークルオブライフ・ステルナティーア・ナミュール・ベルクレスタあたりを重視すべきだと思います。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　朝日杯FSとホープフルSに有力馬が分散する牡馬と違って牝馬路線はほぼ一本道であり、この阪神JFでは翌年のクラシック戦線も見据えた多くの有力馬が顔を合わせることになる。舞台となる阪神芝1600mは紛れが少なく素質馬が能力を発揮しやすい条件ではあるものの、この時期の2歳牝馬にとっては中々タフで底力も問われやすい。

1.ゆったりしたローテーション

　過去10年で、中3週以内だった馬は[3-1-1-58]で複勝率7.9％しかない。対して、中4から8週の馬は[6-6-8-75]で複勝率21.1％、中9週以上の馬は[1-3-1-15]で複勝率25.0％。ゆとりのあるローテーションで駒を進めてきた馬が中心となる。

2.前走と同じ騎手

　過去10年で、前走から騎手が乗り替わりとなる馬は[2-4-5-80]で連対率6.6％、複勝率12.1％なのに対し、前走からの継続騎乗だと[8-6-5-68]で連対率16.1％、複勝率21.8％と大きく違う。

3.距離延長ステップは難しい

　近年は1400mのファンタジーS組の台頭も増えては来ているが、全体としてみれば前走マイル以上の馬が中心なのは変わりない。過去10年で、前走1200m組は複勝率0％、前走1400m組は複勝率12.0％なのに対し、前走マイルの馬は複勝率23.4％、前走1800mの馬は複勝率27.3％。

　サークルオブライフは未勝利とアルテミスSの走りからしてもう少し距離があっても良さそうだが、2戦とも勝ち切るのだから素質はかなり高い。阪神コース替わりは特に問題なさそうで、デビューから続くM.デムーロ騎手とのコンビで戴冠を期待したい。

　ベルクレスタは前走目標になった形で力負けではない。来年以降にさらに成長してきそうな馬だが、現状でも勝ち負けはできそう。

　ウォーターナビレラは距離延長の分3番手評価。狙い目は前走であり今回は過剰人気かもしれない。

　ステルナティーアは鞍上に名手のC.ルメール騎手を予定しているが、乗り替わりには変わりない。上位の地力があるとはいえ過剰人気になりそう。以下、ハービンジャー産駒らしく使われるごとに良化してくるナミュール、コース実績があるルージュラテール、好走条件には合致しないが馬自身としては距離延長合うはずのキミワクイーン。

【末脚強烈】非凡な瞬発力が魅力の、17ナミュールを本命に推す。現2歳世代のハービンジャー産駒はレベルが高いが、そのなかでもポテンシャルが高そうなのは本馬。稽古での動きも非常によく、最後は確実にいい脚で差してきそうだ。相手は、13ウォーターナビレラと06タナザウィングの2頭を上位に評価。◎-○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負したい。

【小波乱】ナミュールは加速力十分。ナムラクレアは反応上々。パーソナルハイは先行力がある。

GI阪神JF。芝1600m戦。今年もっとも指数が跳ねている馬は◎ナミュール。鞍上はCデムーロならば信頼性抜群の軸抜擢。相手はアルテミスS組から○サークルオブライフと▲ベルクレスタで割り切る。△ウォーターナビレラで武兄弟制覇がいわれているが決着はデムーロ兄弟かも。一発は99持っている☆ナムラクレア。キッチリ押さえきれるかどうか。

潜在能力が高い17ナミュールが優勢。成長力があり好機に仕掛ければ差し切れる。次位は8ステルナティーアで素質は高く決め脚は威力がある。▲は16ベルクレスタで自在な脚があり好走は必至。