【兄と同等かそれ以上】
ブラストウェーブは、
有馬記念など重賞5勝をあげた
ブラストワンピースの全弟。サイズは538キロ、兄に負けず劣らずの馬体と才能を誇っている。6月の東京開催デビューを予定していたがまさかの除外。目標を函館に切り替え、少し難しい調整を強いられたが、兄より気性は素直。断然人気を背負っていたこともあり、初陣は取りこぼしのないよう、大事に早めに二番手に動かしていったが、ラスト3Fを推定12秒1-11秒5-11秒9(35秒6)でパンチアウト。湿り気の残る
パワー馬場で11秒台をしっかり二連続計測した。最後2着に詰め寄られたものの3着とは5馬身差があり、ゴール前盛り返す力も残っていた。中間タフな函館Wで入念に乗り込み、最終追い切りは川田Jを配し札幌の芝で好タイムをマーク。鞍上も兄に近い才能を感じ取ったようだ。第一本線は
ドゥーラの完成度、逆転の単も一考。母は芝1200mで1勝、母の姉
クリスマスは5勝(新馬戦をレコ勝ち、
函館2歳S優勝)。父に
ドゥラメンテを配し、少し硬質だが手脚が長めの中距離型の牝馬として登場。初戦の札幌・芝9Fは4着に敗れたが、二戦目は12キロ絞り、そつなく好位3番手のポジションを確保。初戦同様ムチを入れると少し外に膨らんだが、札幌の洋芝を推定11秒7-11秒3-11秒6(34秒5)という快ラップで2着に1馬身4分の3をつける完勝劇を演じた。1分49秒1は同日の北辰特別とわずか0秒2差。2歳8月の時点で古馬1勝クラスと同レベルの記録で走れば、2歳限定のGIIIなら十分上位争いできる。中間の追い切り本数は3本、変に
テンションが上がることなく、研ぎ澄まされた馬体を保っている。単穴は
シャンドゥレール。父は
エピファネイア、母は北米1勝、G2.2着1回、G3.3着2回。500キロあるが血統馬らしく皮膚は薄い。ゲート入りはゴネたが、逆にスタートは
ロケット。ハミ受けが甘く道中騎座が突っ立ち気味になったりしたが、追い出しに入ると首の角度は低くなり、地に脚の着いたフォームに
チェンジ。上り3Fを推定11秒8-11秒3-11秒4(34秒5)でフィニッシュ。残り2F標識あたりで一瞬フラついたものの、最後まで手綱は動かず、ほぼ持ったままの完勝を演じた。まだ相手を見ながら合わせるような稽古をする幼さは残るが、クラシック級のポテンシャルはしっかり保持している。
ダイヤモンドハンズは、世代一番目の勝ち星をあげた、
サトノダイヤモンドの
ファーストクロップ(母も亜1000ギニー勝ち)。デビュー戦のパドックの馬っ気はご愛敬(笑)。父よりは若干寸が詰まっているが、馬体のラインもよく似ている。いざ実戦、前半1000mは60秒8のスロー。道中は押っつけ気味、加速も父同様ジワリゝだったが、上りは3F34秒3。ネジ伏せるようにして1.1/4馬身の差をつけた。マイルは若干忙しく、9F延長と洋芝は歓迎。今年の
コスモス賞はかなりのHレベル。3着馬
ウェイビー、2着
ドゥアイズとも、まだ余分な贅肉などついており、不器用なぶん伸びしろも残している。