【器はGI級】
グレートマジシャンは、身体も心も理想とする完成形の途中。今回の仕上げもきっと、80%を少し超えたくらいの造りだろうか。しかしオープン特別なら、下手に動かずとも直線勝負でもなんとかなる。素質馬揃う秋の東京9Fで新馬勝ちを決め、続く
セントポーリア賞では上り33秒3という末脚を繰り出した。
毎日杯は後のダービー馬
シャフリヤールとクビ差の激闘を演じ、1分43秒9という走破タイムは古馬を含めた阪神9Fのコースレコードだった。ダービーは
毎日杯激闘の疲労など残り、コンディションはギリギリ。しかし2分22秒5という歴代屈指の決着を0秒2差に踏ん張った。今回は一年二カ月ぶりの実戦。脚元を注視しながらの仕上げとなるが、南Wで長め6F追いを2本、坂路の動きと時計も、休養前よりむしろ負荷の高い調教をこなしてきた。
キングストンボーイは
皐月賞馬
エポカドーロの半弟。
共同通信杯を最速の上りで4着に追い上げ、
青葉賞はハナ差2着にイン強襲。こちらも休み休みでしか使えず、メイSをひと叩きしてもまだ完調とはいえないものの、確実に
ワンステップアップは見込める。最終追い切りに跨った戸崎Jもきっと、能力とレース構築のイメージはつかんだ。
まとめて負かせば
ヤマニンサンパ。本年2月、1勝クラスの阪神9Fは2着に0秒8差の大楽勝。続戦の
飛鳥Sは3勝クラス、一段飛ばしで強気の
アタックをかけたが、1分45秒8・上り33秒8で余裕残しの快勝を演じた。
エプソムCは重馬場にもなんとか対応しようと幾度かアプローチを試みたが、最後は馬場に泣き決め手とスタミナを削がれてしまった。良馬場、高速ラップ決着必至の新潟なら巻き返し濃厚。稽古時計は元々地味、動きには覇気がある。
長期休養が多くまだ全貌は明らかになっていないが、
モンブランテソーロは東京9Fを1分44秒6で走る脚力があり、順調なら重賞も狙えるポテンシャルを秘めている。
イクスプロージョンは、高山Sは上り4F連続して11秒台の速いラップを並べ、1分59秒7という時計勝負を制し、ひと皮むけた感がある。戦法や距離に悩んでいるが、
グラティアスは現地競馬の平坦新潟でガラリ一変の余地を残している。