【培ってきたキャリア】2歳女王
サークルオブライフが反転攻勢に打って出る。新馬戦は
イクイノックス(後に東スポ杯圧勝、
皐月賞2着)の3着に敗れたが、中山マイルの未勝利をひとマクり、
アルテミスSは直一気。阪神JFはアップダウンの激しいミドルをじっくり後方待機。レースの上りを0秒9上回る33秒9の伸びやかな末脚で力でねじ伏せる完勝だった。3歳初戦の
チューリップ賞は、冬毛が伸び、いかにもたたき台といった造りだったが(3着)、万全の仕上げで臨んだ
桜花賞は外目の16番枠、ペースはスロー寄りの平均ペース。終始外を回され、圧倒的に内枠、インコース有利の馬場コンディションに泣いたが、最速の上りでただ一頭外から脚を伸ばしてきた。四肢・背中は頑丈、
シルエットはいかにも中距離型。2400mの
オークスを想定し調教の負荷を上げてきたが、稽古時計を短縮しつつ、馬体は逆にボリュームを増している。
桜花賞馬
スターズオンアースとの叩き合いが本線。夏の新潟・1800mデビュー、初戦は2着。二戦目の東京1800mを1分47秒3という好記録で勝ちあがったものの、
桜花賞を目指すとなると距離短縮が課題となる。続く
赤松賞はマイルの速い流れに戸惑い3着。年明けの
フェアリーSは2着に粘り込んだが、
クイーンCはゴール前内にモタれ2着。フォームや
ギアチェンジなど、ひとつゝ課題を課してきたが、大一番の桜の舞台でキャリアと経験が
桜花賞の勝利へと結実。前記した通りBコースはイン有利、1000m通過は58秒8の緩ペース。みんなインに固執、馬群はひと塊り。しかし、ぎゅーゝ詰めの中団の中でもフォームは乱れず。コースロスなく内を回り、馬群の隙間を縫い、上り3Fは33秒5、ラスト1F・推定11秒フラットの末脚を繰り出しハナ差強襲に成功。祖母は
スタセリタ、母の妹は
オークス馬
ソウルスターリング。父
ドゥラメンテの要素も備えた、四肢も胴も長めの中距離体型。動きもものすごく滑らかです。試練の大外18番枠を引いてしまったが、2400mの
オークスが悪かろうはずがない。
一角崩しがあれば
エリカヴィータ。母の兄は
高松宮記念V2を飾った
キンシャサノキセキ。妹の
マルシアーノは脚元がデリケートなため主戦場がダートだったが(1600-1800mで3勝)、
キングカメハメハ産駒の娘は四肢も
シルエットもスラリとした、清涼感あふれる中距離系。二走前の
フェアリーSは勝負どころで致命的な不利を被ったものの、
フローラSは+4キロの442キロで登場。枠は2番、未知数の2000mゆえ、大事にコースロスなく内ラチ沿いに張り付き、少し湿り気の残る芝コンディション下、上り3Fのレースラップは11秒6-11秒4-11秒8(34秒8)、勝ち馬
エリカヴィータの上りは34秒0。メンバー中3位タイの上りで2000mを乗り切った。見た目よりは体力はあり、沈着冷静さが何よりの強みとなる。
アートハウスも才能は五分。母は
秋華賞2着、
エリザベス女王杯4着。2歳10月、阪神2000mの新馬戦を上り33秒9で一気差しを決めた。次走の
エリカ賞は6着に沈没。レコード決着を乗り切るだけの体力がまだついていなかったが、4か月の成長期間を設け、
忘れな草賞は474キロ(+10キロ)に増量。1000m通過・61秒6のスローを、息遣いとフォームなど確かめながらスルスルと4番手に進出。3-4コーナーは内ラチを見ながらタイトに回り、上り3Fは推定11秒7-11秒5-10秒8(34秒0)、みるみるまに2着以下を3馬身と突き放した。典型的なスローの上り勝負、高速馬場の追い風もあったにせよ、10秒台のラップは宝物。まだ芯は通り切っておらず、内枠を引き揉まれ込む危険性も背中合わせとなるが、記録は
オークスの上争い圏内に届いた。
ナミュールは、大外18番枠も痛かったが、馬体細化が伸びを欠く大きな一因。まずは当日の体重増加、いかに道中馬込みで体力を温存できるかがカギになるが、マイルとはいえ東京コースの
赤松賞では上り33秒0という桁違いの瞬発力をマークした。東京に戻れば、新馬戦を上り33秒3、
クイーンC直一気を決めた
プレサージュリフトの大駆けを一考。
ルージュエヴァイユは
フローラSで最速の上りを計測。直線勝負に徹すれば面白い。