【天才】
リバティアイランドの瞬発力には目を見張る。
母ヤンキーローズは1100-2000mで4勝を挙げ(G1・2勝)、豪州2歳・3歳牝馬チャンピオンに輝いた。
父に
ドゥラメンテを配した二番仔は、7月の新潟マイルでデビュー。2歳の若馬らしくまだ線の細さも感じたが、サイズは464キロ。歩かせると後肢の可動域が並外れて大きい。発馬で立ち上り、一瞬ヒヤリとさせられたが、だましだまし馬群の内で我慢。1000m通過は63秒8の超スロー、ひと気合入れ直線入り口では外目のポジションを確保。外からの圧も跳ね返し、内回りとの合流地点手前から猛然と加速。
上り3Fのレースラップは10秒9-10秒2-10秒9(32秒0)、対するリバティのソレは31秒4。前を捉え抜け出したのは2F標識過ぎだったが、300-100mの1Fを推定9秒6前後で駆け抜けたことになる。うーん、ウ
サイン・ボルトの100m走より速く、直線競馬の
アイビスSDの1Fの最高ラップより数字は上だった…。なんて、毎年新潟マイル戦の上り3Fのラップを解説してきたが、想像外の加速力と才能には仰天。後を見据え成長を促しつつの仕上げになるが、CWの調教も馬なりで1F・11秒3と弾けた。
ただ、対抗の
ラヴェルも世代牝馬シーンを背負う逸材。母は
フェアリーS3着、母の妹はBCディスタフをブッコ抜いた
マルシュロレーヌ。半姉
ナミュールは
チューリップ賞を一気差し、
オークス3着、
秋華賞2着。父に
キタサンブラックを配し姉
ナミュールより造りは頑丈、立ち居振る舞いにも度胸がある。新馬戦のスタート後のスタンド前は後方二番手で通過、前半1000m・62秒1のスロー。気合をつけ徐々に位置を上げて行ったが、3-4コーナーも追い出しのタイミングをはかる余裕がある。鋭いコーナーリングで一気に先団にとりつき、12秒0-11秒7-11秒3(35秒0)というレースラップを、34秒4で豪快にブチ抜けた(ラスト1Fは11秒を切っていたかもしれない)。
夏の小倉9Fの新馬といえば
クロノジェネシスと
ドウデュースの名が浮かぶが、前者の時計は1分50秒0・上りは34秒5(レースラップは12秒2-11秒5-11秒1)、後者は1分50秒2・上りは34秒1(11秒8-11秒4-11秒1)。加速の度合いとラップ形態はほぼ同じ。一週前追い切りは天皇賞に出走する
パンサラッサ相手に0秒1遅れをとり、気持ち重めの造りではあるが、東京マイルなら多少前半モタついても直線だけで間に合う。
割って入れば
マラキナイアのセンス。母は5勝(
クイーンS3着)、母の姉は
ピンクカメオ。半兄
ステイフーリッシュは7歳の本年、サウジアラビアのG3、ドバイゴールドC優勝。兄姉たちも含め新馬で6勝。初陣に強い血統としても知られているが、兄姉たちも総じて華奢。
ジャスタウェイ産駒の本馬も422キロと軽量だが、驚くほど関節が柔らかい。初陣の中京マイルは1000m通過は59秒7のミドルで展開。ラ
イバルに早めに外から圧をかけられタフなレースを強いられたが、11秒5-11秒4-12秒1(3Fは35秒0)というレースラップを、34秒7で残り1Fからもうひと伸び。前夜の雨が残り芝が掘れ飛ぶ湿った馬場で1分34秒7も速い。
ミシシッピテソーロは東京マイルを上り34秒1で差し切り、
ダリア賞も最速の上りで大外一気。乗り込みは万全、毛艶は
ピカピカ。
アルテミスSを待っていた。
デインバランスの祖母は
凱旋門賞馬
デインドリーム。本命馬と比較すると見劣ってしまうが、新潟マイルの上り33秒4は、ごく普通に優秀。先週の追い切りでは
菊花賞3着馬
ジャスティンパレスを併せ馬で煽った。
高速決着がカギになるが、
ディナトセレーネは不良馬場の中山マイルをパワフルな差し脚で坂上一気に突き抜け成長著しい。