【プランA】GIIIからGIIへ、
ロンドンプランの戦略図は着々。デビュー前の追い切り本数は、たったの3本。小倉の芝1200mの2歳新馬戦は、前半3F・33秒前半で逃げ切りVというパターンが大勢を占めるが、本馬は33秒8-34秒4という後半に重きを置く加速型ラップで直強襲。小倉2歳Sで改めて馬体を眺めたが、厚く盛り上がり巨大な臀部。身体の造りはタダ者ではない。ただ、時折チャカチャカ。小倉2歳Sはレース前に落鉄。蹄鉄を打ち直すアク
シデント発生。平常心を保ちにくく、後方待機を余儀なくされたが、前後半33秒2-34秒9というレースラップに対し、自身は35秒0-33秒1。2秒近い差をコーナーロスを最小限に抑え密集馬群の外からゴール前強襲。上り33秒1は歴代屈指、昨年の
ナムラクレアの1分7秒9には及ばないものの1分8秒1は上の部類。1F延長も普通にOK。前脚を巻き込むようにしてクロスして走るピッチ走法だけに調教時計が出ないが、新馬時に比べれば乗り込み量は豊富。輸送、左回りなど課題はあるが、それはラ
イバルとて同じ。
逆転があれば
ペースセッティングの速力。現代競馬の勝ち負けの趨勢は先行6割、差し3割、追い込み1割くらいだろうか。圧倒的にスピードがモノをいう。父は英ス
プリントG2勝ち。種牡馬となり
モハーザー(サセックスS)、
クワイエットリフレクションなど、G1ス
プリンターを続々輩出。母は愛1000ギニー、他G3 1勝。これでもかというス
プリント配合。調教の動きも群を抜く。新馬戦は出遅れに泣き、前走の小倉戦もゲート内でチャカつき落ち着きがなかったが、この程度の暴れ方を抑える技量は今の坂井Jは朝飯前。前掛かりの意識を素早く好スタートにつなげ、前半3Fを11秒8-10秒2-10秒9(32秒9)でかっ飛ばす。速いなぁ。大丈夫かなぁ。しかし4コーナーを回っても余裕たっぷり。馬なりのまま手綱はピクリとも動かず。後方をチラリと見ながらもったままでゴール。後半3Fは35秒0を要したものの、軽くでも追っていれば1分7秒5くらいは出たか。2着とは3馬身差、走破タイムは1分7秒9。メインの小倉2歳Sより0秒2速かった。できることなら今回は、前に壁を作り好位差しを当然考えているだろう。前半2-3Fでそれが叶えば1400mはクリア。後続を楽々振り切る完勝劇があっても不思議はない。
三番手は
ヤクシマ。小倉の新馬勝ち時計は極端なスローゆえ1分10秒1止まりだが、上り33秒7は出色。
ききょうSは1000m通過・57秒3-1200m通過は1分8秒6というよどみのないミドルペースで推移。速い流れと一気のペースアップに戸惑い道中追走に苦労したが、エンジンのかかりは元々遅い。しかし
トップギアに入るとダイナ
ミックに四肢が回転。最速の上りで0秒2差の3着に一完歩ごとにグイグイと押し上げてきた。走破時計は1分20秒6――
京王杯2歳Sのレースレコードより速い記録も体験してきた。
上位3頭とはやや力差があるが、新潟マイルを1分34秒8・上り33秒7の好記録で新馬勝ちした
エナジーチャイムは、7F仕様のスピードと競馬センスの塊。
オオバンブルマイも初陣は1000m通過58秒7のタフなミドルぺースを3番手から楽々抜け出してきた。近親は
ブランボヌール(
函館2歳S、
キーンランドC)、
ビアンフェ(ス
プリント重賞3勝)など、血統もピッカピカのスピード血統です。差し比べの流れになれば
ダリア賞3着馬
ブーケファロス、
アンタノバラードも3着浮上あり。