【破天荒】
ガイアフォースは近い将来のGIを睨む、本夏最大の上り馬。
母ナターレは公営25戦9勝。父に
キタサンブラックを配した息子は、2歳夏の小倉デビュー。初陣は後のダービー馬
ドウデュースに0秒1差2着に食い下がった。二戦目は明け3月となったが、阪神2000mを2分0秒4,後続を4馬身とチギる独走を演じた。ただ、まだスイッチや加速の在処が漠としている。あずさ賞は1000m通過は61秒2のスロー。重馬場条件下、11秒4-11秒1-11秒9という思わぬ高速ラップを使われ勝ち馬の逃げ切りを許してしまったが、
国東特別は取りこぼしのないよう1000m通過・58秒0という平均ラップを二番手で進め、マイル通過は1分33秒0-1800m通過・1分44秒9。上り1000mはすべて11秒台のラップを並べ、最後は手綱を抑える余裕で後続を1秒1差をつけレコードで駆け抜けた。妙な反動もなく前走以上の調教メニューを消化。長距離輸送、初コース、初のGIIなどいくつか課題は抱えているが、春の勢力を一気に打ち負かすだけの、破天荒な素質にかけてみたい。
超えるべき壁は
アスクビクターモア。
皐月賞5着、ダービー3着。前走の東京優駿は1000m通過・58秒9-2000m通過・1分58秒2という、レース史上
トップスリーに入るHレベル決着となったが、二番手追走一旦はトップ。抜かれてなお盛り返し、2分22秒2で3着の頑張りには胸を打つ。元より中山は4戦3勝、使える脚とコースが2200mでもきっとピタリと符合する。
ローシャムパークもポテンシャルはGI級でいい。三代母は
エアグルーヴ。この血統の保守本流ではないけれど、祖母は4勝、母は3勝。良馬場と重馬場の違いはあるにせよ、二走前の1分47秒3は同日の
共同通信杯より0秒6速かった。前回の
山藤賞は初の右回り、馬場は稍重。1000mは61秒5という緩ペースで進んだが、向こう正面6F過ぎ11秒2というHラップで一気に先頭に立ち、上り3Fも11秒9-11秒5-12秒2(35秒6)で、2着に1秒1差をつけ楽々フィニッシュ。2分0秒3は翌日の
皐月賞(良馬場)と0秒6差、同レース5着の
アスクビクターモアと僅差の記録で駈けたことになる。ひと夏を成長期間にあて、調教の質量を大きく増やしながら体重は500キロ近くになったと聞く。1F延長のGII・2200mを乗り越えるだけの基盤が整った。
オニャンコポンは、
皐月賞が0秒4差、ダービーも1秒1差とはいえタフな流れにくらいつき8着に踏ん張った。勝負どころの反応アップを目指し、一段踏み込んだトレーニングを課している。
ラーグルフは
ホープフルS3着という地力の持ち主。春は馬体造りに苦労したが
月岡温泉特別・1分58秒5、上り33秒7のイン強襲で復活の狼煙を上げた。
プリンシパルS2着の
キングズパレスも、1勝クラスを力強く勝ち抜け
ワンステップアップがうかがえる。