【実はまだ進化中】
デアリングタクトがほうと声を漏らす馬にモデル
チェンジ。
小さな波はあったが、無敗で牝馬三冠を達成。3歳秋は
ジャパンCに挑み、
アーモンドアイ、そして
コントレイルに続き3着に入線。歴史的名馬たちに比する才能を結果で示した。
金鯱賞はスローの落とし穴にはまったが(2着)、香港のクイーンエリザベスII世Cは世界の中距離G1の中心に位置する
ラヴズオンリーユーの0秒2差に迫った。
だが、さあこれからというところで脚部不安を発生。1年の休養を余儀なくされ、復帰戦の
ヴィクトリアマイルはまずは無事を第一に6着入線。次走の
宝塚記念のゴール前の伸び脚に、復調が見て取れた。3か月の調整期間を経て8月末から調教再開。9月14日のCWで7Fのハード追い切りを敢行。休養前とは別馬かと思うほど身体をしっかりと起こし、フットワークは実にパワフル。5歳女王は実はまだ進化中。状態は絶好調時と同じか。従来の姿を一気に超える
ニューバージョンに
ステップアップを果たしているかもしれない。先週の
セントライト記念で松山J=杉山師のコンビは
ガイアフォースで勝ち星をあげているが、外回り2200mなら仕掛け遅れは考えにくく、斤量は54キロ、右回りのほうが加速はスムーズ。重馬場の
桜花賞は外一気の楽勝、道悪はオニ。
第一目標は
テーオーロイヤル。
青葉賞を0秒1差の4着に急追した好素材。自己条件の1勝クラスは楽勝、2勝クラスは力の違いを見せつける逃げ切り、尼崎Sは最速の上りで中位差し。
ダイヤモンドSを歴代2位の3分30秒1・2着に0秒4差の完勝を遂げ、GI
天皇賞・春は変幻自在の難解ラップで逃げる
タイトルホルダーに果敢に勝負を挑んだ。ラスト1F・13秒2という過酷なレースラップが示す通り、天皇賞史でも稀な過酷な消耗戦となったが、身をよじり悶えながらも3着は死守。こちらも前走後リフレッシュ期間を設け、7F追いをビシビシ。思いのほかマークが薄くロングスパートが可能なら、ひょっとして逆転も?
ヴェルトライゼンデはクラシック三冠は
コントレイルを相手に8・3・7着。
AJCC2着後長期休養を余儀なくされたが、坂路に調教ベースを切り替え
鳴尾記念をテッポウ勝ち。後半5Fはすべて11秒台で走り、1分57秒7という精度の高い時計で駆け抜けた。父
ドリームジャーニーも2200から2500mの
オールカマーや
有馬記念、
宝塚記念で繰り返し好走劇を演じてきたが、父同様、生命力の強い馬なんだなぁ。前走後の坂路調教も精密でハード、上り11秒台を連発。心身ともに大人になった今なら、誰が乗ってもどんなコースでもコントロールが効く。
ソーヴァリアントも素材はGI級。昨夏の札幌2000m・1分59秒8は、開催こそ異なるものの
ソダシの
札幌記念と0秒3差。
チャレンジCはスローの上り勝負とはいえ、上り4Fは11秒7-11秒6-10秒8-11秒6。阪神の坂を実測値として10秒8で突き抜けた。自分で競馬が作れず、スローに泣かされ続けているが、内か外か。終い勝負に徹すれば、
ジェラルディーナには一発がある。
ウインキートスは昨年の
オールカマー2着も含め当コース[1200]。気性は散漫だが松岡Jはその気にさせるのが上手い。