【だまされてはいけない】
セブンマジシャンの才能は、走破時計や追い切りタイム以上に懐が深い。母は芝9-10Fで5勝。重賞タイトルには縁がなかったが、我慢強く味のある馬だった。後に妹の
ノームコア、次いで
クロノジェネシスが登場。妹たちの活躍で改めて、その血統力がクローズアップされることにもなった。調教は坂路は3F・39秒台、新馬戦は半月余りでの急遽の出走ゆえ、3番人気は妥当なところだったか。10番枠からポンと好スタートを決め素早く二番手にとりつく。けっこう走りたがり屋だが、1000m通過・62秒5のスローにもしっかり折り合っている。直線入り口、逃げ馬の外から鋭角的に切れ込みネジ伏せにかかったが、舌越し首を右左に振ったり、坂上ブレーキがかかったようにも見えたが、逆手前で走っていたのか(笑)。ただ幼さ丸出しでも、中山の急坂を上り3F・推定11秒8-11秒3-11秒8(34秒9)でパンチアウト。器はOP級、伸びしろも大きい。
対抗の
フォトンブルーの半兄は未完の大器
シルバーステート(現・種牡馬)。
ヘンリーバローズ、リスト、
シルヴェリオ、
マンインザミラーなど、この兄弟をいっぱい見てきましたが、妙にデカかったり首の角度が高すぎたり、腰回りが薄いのもいれば、性格がアレなのもいた(笑)。本馬のサイズは516キロ。初戦は明らかに急仕上げ。脂肪がかなり残っていたが、骨格は確か、筋肉量も豊富、性格は陽気。兄弟の中では心身ともに一番
バランスが取れているかもしれない。いざ実戦、前半1000mは63秒0の超スロー。走る気やフォームを一つ一つ確認しながら、急かすことなくポツリ中団。3コーナーで合図を送ると、意外に反応がいい。ラスト3Fのレースラップは12秒2-11秒7-11秒4(35秒3)、対する自身のソレは34秒9。交わすのにモタついたが、札幌の洋芝でラスト1Fは推定11秒0見当。追い出しに入ると沈み込むようなフォームにかわった。まだ先を見据えた造りとはいえ、栗東CWの時計にも進歩の跡がうかがえる。
ダノンペドロの母は豪3勝、VRC
オークス優勝。随所に父
サトノダイヤモンドの香りが漂い、デビュー戦は我慢比べを制した。上り3Fのレースラップは11秒8-11秒2-11秒9(34秒9)、対する自身の上りは34秒5。10秒台の脚は使えそうにはないが、贅肉をそぎ落とせば上りも時計も更新可。
フライヤートゥルー、
ルモンドブリエのセンスが押さえ。