【ダービー候補】
グランヴィノスはダービー馬の香りがする。
ヴィルシーナ、
シュヴァルグラン、
ヴィブロスなど3頭のGI馬を姉兄に持ち、
キタサンブラックを配した弟は518キロの偉丈夫。腹回りは少し緩いが、幼さを残しつつもパドックの周回は威圧感たっぷり。
初陣はスタートは出たなり、1000mは64秒0のスロー。向こう正面、馬場の感触とフォームを確かめながら一つ二つとポジションをあげ、3-4コーナーは好リズムで外へ。手綱をひとしゃくり、前進気勢を促すと、11秒8-11秒2-11秒2(3Fは34秒2)というレースラップを、上り33秒8で一気差し。掻き込みは強く鋭く一完歩ごとに回転数が増し、稍重条件下、時計の出にくい内回りで、上り1F・推定10秒8前後の快ラップで突き抜けた。デビュー前からかなり速い調教タイムが出ていたが、前走後CWで長め6F追いを含め6本計上する体力があり、併せ馬でまず負けたことがない。それでいて現状まだ仕上げは七分程度、底知れない可能性を秘めている。
強敵は
コスモサガルマータ。母は2勝、
フェアリーS4着。全姉
ミッシングリンクは
TCK女王盃勝ち。勝ち上がりは二戦目、6月の阪神マイル。時計は1分34秒9と、けっこう優秀だった。ただ紫菊賞はアクビでもしそうなくらいパドックではのんびり。腹袋は大きく、人によっては妙な体型にもとれる黒鹿毛馬だが、1000m通過61秒5のスローをポツリシンガリ。
大外から芝を蹴立て11秒3-10秒7-11秒7(3Fは33秒7)というレースの上りを、尾っぽを振り振り33秒1で豪快に一気差し。断然人気馬が狭いインに入り、追い出しが遅れるラッキーもあったが、ムーアJがどう操るか興味津々。完成度なら
トップナイフ。半兄
ステラウインドは6勝(
万葉S勝ち、
七夕賞2着、
青葉賞3着)。息長く長丁場で活躍した味のある中長距離型だったが、弟も萩Sは5戦目とタフ。ローテはハードだが、体の張りを保ち着地もしっかり。
前半1000mは60秒3のミドルで通過、鞍上との意思疎通は完璧。残り4F標識から11秒6にペースアップ、直線入り口逃げ馬に馬なりで並びかけ、残り3Fを推定11秒5-10秒9-11秒5(3Fは33秒9)でパンチアウト。ブレのないフットワークで10秒台のラップも実測値として計上、走破タイムは1分46秒2。クラシック戦線を語る上での大事なモノサシ馬になる。
ロードプレイヤーは、まだ腰回りが緩く、呑気な性格もあいまって道中置かれる。内回り対応が課題になるが、新潟9Fの新馬戦の上りは稍重で32秒5。
百日草特別も脚を使ったのは正味2F。11秒1-11秒2-11秒6(3Fは33秒9)というレースラップを33秒1と猛ラップで追い込んできた(ラスト1Fは10秒9?)。好素材が揃い△1番手になってしまったが
グリューネグリーンも面白い。祖
母ウメノファイバーは
オークス馬。半兄
ヴェルデグリーンは
オールカマーなど7勝。前走は逃げ馬が1000mを57秒9で飛ばす注文相撲。
大きく離され過ぎると追走する方も集中力を失うケースもあるが、直線入り口でエンジン点火。上り3Fのレースラップは11秒6-12秒7-12秒5(36秒8)、さすがに終いはバタバタ。対する自身の上りは34秒7。根気よく力を振り絞り1分46秒4の好タイムにまとめた。
アイルシャインの母は
フィリーズレビュー2着。初陣のサイズは474キロ、雰囲気は優等生っぽいが、発馬はモッサリ。ややエキサイト気味に追走、1000m通過は61秒5のスローで推移。4コーナー中ほど内外から挟まれ
パッチン。鞍上が「致命的でした」と言う大きな不利を受けたが、上り3Fのレースラップは12秒1-11秒0-11秒4(34秒5)。大外からガシガシ四肢を叩きつけ、上り34秒1(ラスト1Fは11秒0(推定))でゴール前強襲に成功。気性および能力を今回で確認しよう。