【惚れてしまった】
ルージュスタニングの血統力とスケールに惚れ惚れ。母は未出走、しかし母の兄はト
ラヴァーズS勝ちを契機に、ドバイワールドC、
ペガサスワールドC、
BCクラシックをブッコ抜いた、ダートシーンにおける世界の雄アロゲート。父は米国No.1種牡馬の誉れも高いイントゥーミスチーフ、この配合なら世界のダートG1に打って出る可能性を秘めている。初陣の出走体重は牝馬で492kg。なるほど首や胸、後肢やヨロの造りは明らかにパワー型だが、並みのダート馬とは一線を画すフォルムと重厚感を醸し出している。後々はダート路線に進むにしても、芝も試してみたい。2歳早期なら能力の違いで押し切る可能性もある。
選んだ中京の芝マイルの新馬戦は、前半1000mは62秒0のスローで展開、3-4番手の外を安全運転。道中のフォームに重苦しさはなく、直線入り口でジワリと先頭に接近。レースの上りは11秒7-11秒6-11秒4(3Fは34秒7)、対する自身の上りは34秒3。走破タイムは1分36秒7、上りも特別速い数字ではないけれど、当日は雨上がりのイン絶対有利の馬場だった。スローの上り勝負とはいえ、ラスト1Fは推定11秒1。力強くきれいな加速ラップをしっかりと刻み込んでいる。
心身ともに健やかな牝馬、中間の追い切りも格段の上昇が見込め、一週前のCWの追い切りは81秒2-65秒3-34秒8-11秒0。岩田望Jのアクションに応え、上り3-1Fの伸びは強烈の一語。米国系のスピード馬は惰性を活かしスピードに乗るタイプが多く、シンプルな平坦・ワンターンの新潟マイルは
ドンピシャ。土日は雨模様、水捌けのいい新潟とはいえ、上り32秒台や1F・10秒前半という決着にはならないだろう。
対抗は
アスコリピチェーノの瞬発力。祖母は
リッスン、母は2勝馬。母の半妹
タッチングスピーチは
ローズS優勝。他にも重賞連対馬の名が連なる良族。父は
ダイワメジャーながら、手足も首もスラリとして背中も硬くはない。通常のメジャー産駒とは体型もしなやかさも異なり、切れを有する瞬発力系。パドックでは時折チャカついていたが、いざ実戦では慌てず騒がず成り行き任せで
バックストレッチは内に寄せ、3コーナー過ぎから2頭ぶん外に持ち出し、前半1000mを59秒6で通過。幅員の狭い東京Dコースはコーナリングを丁寧に、直線入り口は膨らまないよう逆に馬群の内を狙うのが
セオリー。2F標識手前で再び外に切り替え、11秒3-11秒6-11秒6(3F34秒5)というレースラップを、自身33秒3の加速ラップを駆使。勢い十分に2着を2馬身半差にチギりすてた。1分22秒8は一見平凡、しかし上り33秒3の中には10秒台のラップがたぶん二つはある?。「1800mまでは大丈夫です」と、ルメールJさんが語っていたようですが、9Fはエクスキューズとして、マイルまでならOPおよび重賞でも勝ち負け。攻め馬の精度もこちらも一段上げてきた。
割って入れば
ヒヒーン。新馬戦はやや急仕上げ、しかしいざ実戦では反応よく外枠から2-3番手に進出、460キロという体重以上に大きな走りをする。前半1000mは62秒6のスロー、定番の上り勝負。2F標識手前からひと気合つけ追い出し開始。上り3Fは推定11秒5-11秒2-11秒2(33秒9)。正攻法の競馬で、数字通り力強くゴール板を抜けきった。
ジャスタウェイ産駒は父同様成長力で知られ、一週前のCWは3F・36秒2-11秒3。ハードワークを乗り越え体重増で出走が叶えば、父より早く(
ジャスタウェイは年明けの
アーリントンC勝ち)重賞ウィナーの仲間入り。
エンヤラヴフェイスのスピード値もGIIIレベル。新馬戦は前半1000m・60秒8という緩いペースを2番手追走。スローの上り勝負とはいえ上り3Fの推定ラップは11秒4-11秒1-11秒8(34秒3)。相手に恵まれたこともあるが、結果5馬身差の独走となった。まだ造りは華奢、直線左ムチを打っても内にモタレていたが、馬体増で出てくれば面白い。キャリアとスピード値なら
ヴァンヴィーヴ。現状はともかく、
ルクスノアは父
オルフェーヴルの遺伝子を受け継いだ、面白い馬になる。