【上位拮抗】
アドマイヤベルは、一族独特のしなやかさと勝負強さを受け継いだ好センスの中距離馬。半姉
アドマイヤリード(
父ステイゴールド)は
ヴィクトリアマイル優勝。姉は細身だが古馬になり円熟、タフな芝も馬込みも厭わないGIファイターだった。2022年のセレクト時は細身で小さく感じたが、デビュー時の体重は478キロ。骨格を見るとまだ10-20キロ増えてもいいくらいに映る。発馬はもっさり、
バックストレッチは後方三番手あたりの外。1000m通過は62秒2のスロー、3-4角も終始外を回し直線は大外。漸次ピッチを上げ、上り3F・12秒0-11秒1-11秒7(34秒8)というレースラップを、自身33秒8で大外強襲。先頭と1秒差をラスト2Fでとらえ、推定ラップは10秒6-11秒0見当だろうか。やや低調なメンバー構成とはいえ、勝った本馬の上りと才能に限っては合格点。坂コースにかわるが、初戦のラップをなぞれば1勝クラスは勝ち負け。
対抗は
サトノオラシオンの機動力。祖母は
カーラパワー、母の兄
ダノンシャークは
マイルCS優勝。
母レイカーラは5勝、全姉
シンリョクカは阪神JF2着。札幌10Fのデビュー戦は気の悪さを見せ4着に終わったが、二戦目の中山戦はチークピーシーズを装着。これが上手く嵌った。1000mは62秒0のスローで展開、しかし鞍上は気を見るに敏なモレイラJ。気性と流れを素早く読み切り、窮屈な走りながら上り3Fのラップ・推定11秒9-11秒4-11秒2(34秒5)という加速ラップをマークした。東京なら伸び伸びと、かつビュンと動けるハズだ。
まとめて負かせば
アーバンシックのスケール。母系の大本は
ウインドインハーヘア。
ハービンジャー産駒の
母エッジースタイルは芝9-10Fで3勝。近親にクイーンC3着のロカ、
青葉賞2着の
ヴァルコスが名を連ねる。いかにも厚ぼったい造りながら、威圧感・大物感はたっぷり。前半1000mは65秒6の超スロー、ヨーイドンの上り勝負となったが、上り3Fの推定ラップは洋芝で12秒0-11秒1-11秒1(34秒2)。まだ仕掛けどころの反応が鈍く、置かれる場面も考えられるが、終いの伸びと数値を東京で確かめておきたい。
ヴィクトリアドールは、デビュー戦は前記
アーバンの首差2着、二戦目も洋芝で11秒前半のラップを押し出して勝った。重馬場ゆえレース価値が判断し辛いが、
ホーエリートの東京9Fのレース運びはほぼ満点。
マイネルブリックスは今度はしっかり動ける。