【最初で最後のチャンス?】
ディヴィーナの血統とコース適性を重視。
母ヴィルシーナは
ヴィクトリアマイルを連覇。牝馬三冠クラシックは
ジェンティルドンナという巨大な峰にことごとく跳ね返されたものの、すべて小差の2着にあらがった全力投球型の名馬だった。ただ娘の体重は420キロ前後で推移、好走条件も左回りのマイル限定。辛抱強く重賞奪取の次期を探ってきたが、左回りの中でも中京コース戦績は[4101]、4勝のうち3勝がマイル、飛び抜けたコース適性を示す。同じ左回りの東京GI・
ヴィクトリアマイルは、レースの大勢が決着したあととはいえ、最速の上りで0秒2差に迫ってきた。格はGIII、重量は56kgから54kgへ軽減、
M.デムーロJも連続騎乗となり、坂路・CWを交えたハードメニューに、重賞奪取の覚悟が透けて見える。
記録通りなら相手は
メイショウシンタケ。未勝利と1勝クラスの勝ち星は1800m、2-3勝クラスは追い込みに転じ1400mで2勝。オープン昇級緒戦の
六甲Sはマイルに距離を変更。重馬場条件下、0秒8差の9着に差を詰めるだけに終わったものの、良馬場の
米子Sはレース内容一変。前半1000m通過・56秒3という激流を先団馬群と離れた後方集団の前をポツリ単騎で追走、3-4コーナーではラチに寄せ距離ロスを稼ぐ余裕があり、レースの上りを1秒1上回るメンバー中第二位タイの34秒3で直線馬群を断ち割り2着以下を1馬身余にチギり捨てた。1分31秒7という走破タイムは3回阪神ではもちろん最速。1-2開催ぶんの重賞を合わせても阪神マイルの本年最高数値だった。藤岡康Jとのコンビで2勝をあげており、CWの1Fは11秒3と伸び脚も強烈。
割って入れば
ルージュスティリア。マイル路線に目標を切り替え、
ポンポンと連勝を重ねOPに再昇級を果たしたが、二走前の
阪神牝馬Sはスローに泣き進路が見つからない。
ヴィクトリアマイルは15番枠で立ち遅れ。強引にポジションを奪いに動かし、一瞬は見せ場を作ったが、残り1Fで10着にアゴは上がってしまった。しかし今度はGIII、53kg、川田Jも二度目。前進の余地はまだ残っている。
惑星は
ダノンスコーピオン。
NHKマイルCを歴代でも
トップランクの1分32秒3で直一気を決めたGIマイラー。プールを併用しながらお茶を濁していた前二戦とは調教の負荷は激変。59kgでも単まで望める。
アドマイヤビルゴは、セレクトの高額落札馬。膨大なプレッシャーを背に身体造りや距離、馬場を探索してきたが、二走前の
カシオペアS逃げ切り勝ちで、改めて時計勝負のスピード馬であることを認識。良馬場ならマイルにもソツなく対応、内外どこでもつける器用な脚を引き出せる。
ホウオウアマゾンはGII・
マイラーズC2着歴もある実力先行馬。海外遠征明け、ハンデは58kgだが、心身の不安定さが完全に抜け、坂井瑠Jとのタッグでは二枚腰が使える。
ウイングレイテストはダービー卿CT小差5着、
米子Sは0秒3差の4着と、マイルは崩れない。