【マイラーへと躍進】
ヤクシマが短距離の差し馬から、重賞マイラーへ変貌を遂げようとしている。父は欧州を股にかけ16戦6勝、G1を1つ、5Fのス
プリント重賞で計3勝をあげたタフな快速馬だった。
息子も夏の小倉6Fを上り33秒7で一閃。6から7F戦で何度も最速の上りをマークしてきたが、追い込み一辺倒の戦法では、どこまで距離に対応できるのか。馬体造りも含め足踏みもしたが、前走の
クロッカスSはルメールJを背に好スタートを決め、1000m通過・58秒6というスローにも好位でスンナリ流れに乗れた。
直線半ほど馬なりで逃げ馬に並びかけ、上り3Fを推定11秒3-11秒0-11秒3(33秒6)でフィニッシュ。東京7Fであの緩みのない高速ラップが使えるのなら、自然と1F延長の阪神マイルも守備範囲になる。CWのコース追いを見ると、身体を大きく使い目に見えて走りが伸びやかになった。土曜日は雨予報、培ってきたキャリアを道悪競馬につなげたい。
強敵は
ナヴォーナの天の才。母は独
オークス馬、半兄
シュネルマイスターは
NHKマイルC優勝。デビューは年明け2月、仕上げは突貫工事。脂肪も多く腹回りはダブつき気味だったが、ボディラインは秀逸、皮膚の発光度は飛びぬけていた。
スタートは頭を上げ加減、フットワークはフワフワ。枠は2番、前半1000mは62秒3のスローで推移したが、フォームが整う直線まで追い出しをジックリと待ち、11秒4-11秒4-11秒2(3Fは34秒0)という高速ラップを、自身33秒2で外強襲。ラスト2Fは推定10秒台──この数字こそがGI級の能力の証。走破時計やキャリア、初の右回りなど課題は山積みだが、常識を一気に覆す可能性を秘めている。
割って入れば
ショーモン。祖
母シーズアンは英ス
プリントG1・チェヴァリーパークS優勝、近親に
シーズンズギフト(ニュージーランドT2着)。洋芝の札幌1500mで初勝利をあげたが、父は短距離ダートで名をはせた
マインドユアビスケッツ。
中央場所の高速決着はさてどうか?主戦場はダートではないかと考えていたが、デイリー杯を1分33秒5で3着に粘り込み、4か月の成長期間を設け前走は512キロ(22キロ増)に大幅にビルドアップ。ミッシリとした重量感とスケールは、1勝クラスでは際立っていた。
いざレースでは、テンの2Fめに10秒7という高速ラップを踏み、逃げ馬の外に置き終始プレッシャーをかけ1000mは58秒2のミドルで推移。追い出しのタイミングを待つだけかに見えたが、内から思わぬ強敵が現れ二番手に沈みかけた。しかしゴール前グイと再加速。6F通過は1分9秒6-7F通過は1分20秒9とよどみのないタフな流れを踏み、1分33秒3という好タイムにまとめあげた。本質はやや一本調子系のチカラ馬、雨も味方につけることができる。
ユリーシャは阪神マイルを1分34秒7(稍重)で逃げ切りV。控える競馬も試したが、
エルフィンSは果敢にハナを奪い後続の脚をなし崩しに0秒4差に封じ込めた。2着馬はその後
桜花賞2着、3着馬は
フィリーズレビュー勝ち。馬体も回復し、調教の動きも弾んでいる。
キョウエイブリッサは
朝日杯FSを0秒3差の4着に差し込み、前走の中山マイルの1分34秒2も優秀。人気はないが隠れた実力の持ち主。
セッションはCWを1F・11秒1で馬なり、坂路を11秒9という破格のスピードで駆け上がってくる。
若駒Sや
弥生賞を見ると、残り1Fで脚が止まる。マイル短縮に大駈けの予感あり。
こぶし賞で上り33秒7をマークした
オーシャントライブの切れ味を連穴に警戒。