【隙がない】
ジャンタルマンタルが無敗ロードを驀進、マイルGIの
チャンピオンベルトを巻く。10月の新馬戦のタイムは1分47秒4。京都9Fの2歳新馬戦における歴代最高タイムで初勝利をあげ、続く
デイリー杯2歳Sは調教・体の精度もマイル仕様にスイッチ。1000m通過・59秒5というよどみのない流れを余裕をもって好位のポケットで折り合い、直線入り口では素早くインに誘導。上がり3Fを推定11秒9-11秒1-11秒7(34秒7)、後続に二馬身差をつけ楽々フィニッシュを決めた。少し間隔は詰まり気味だが前走後坂路で丁寧に4本消化。最終追い切りは川田Jが跨り加速やグリップ力を確かめた。
強敵は
シュトラウス。前回の東京スポーツ杯2歳Sは3戦目。新馬時の猛々しさ、
サウジアラビアRC時の緩さも解消、尖った目がいくぶん和らぎ歩様も身体も締まりが出てきた。相変わらず前進気勢が強いが、喧嘩をしないよう手綱をガッチリ抑え前半1000mを59秒1のタフなミドルで通過。上がり3Fのレースラップは11秒7-11秒7-12秒4(35秒8)。終い1F・12秒4を要す持久力決着になったが、後続の脚をなし崩し。1分46秒5という走破時計は過去十年では
イスラボニータの1分45秒9、一昨年の
イクイノックスの1分46秒2に次ぐ第4位だった。武器はスピード、マイル短縮は加点材料になる。ただ、先週放牧先の天栄から帰厩したばかり。今週の美浦で追い切り木曜日に栗東入り、そして競馬場というハードな日程。元より気性は激しく、当日大幅な体重の増減や
テンションが上がるようなら思わぬ落とし穴にはまる可能性も捨てきれない。
一角崩しがあれば
ダノンマッキンリーの瞬発力。母は英1000ギニー優勝、半姉
シェールはG1・G3各1勝。父は
モーリス、体型および性格は6-7F仕様のスピード系。初戦はスルスルと4角先頭、1分21秒2で鮮やかな先行勝ち。秋明菊賞は1000m通過・57秒3という澱みのない速い流れにもかかわらず、道中は折り合いを欠き気味。目先の勝利のためだけならすっきり逃げたほうがいいくらいだったが、将来を見据え後方で我慢。手綱を緩めると一気にトップスピードに乗り、レースの上がりを0秒7上回る34秒0の加速力で0秒4差突き抜けた。ラスト1Fのラップも速く、将来はともかく2歳暮れのマイルなら上位争いに食い込める。前走後はそのまま栗東に在厩、馬体ヘリもなく動きも軽やか。
マイル短縮が課題となるが、
エコロヴァルツはクラシックを見込める中距離路線の好素材。
キングカメハメハ産駒の母は3勝、父は
ブラックタイド。福島9Fの新馬は完勝。
コスモス賞は滞在効果や成長も加わり首や重心が低くなり、道中は最も遅いラップが12秒6、11秒台が4つというよどみのない流れを、左ムチ一発で洋芝で12秒1-11秒7-11秒8(3Fは35秒6)を計測。本気で追えば軽く11秒前半が出せ、1分48秒8は
コスモス賞歴代第二位の好記録だった。独特の溌剌とした元気さがあり、性格は走りたがり屋。
武豊Jも阪神マイル対応の絵図を描いているか。
大駆けあれば牝馬
タガノエルピーダ。新馬戦は下り坂のラスト4Fめから11秒8にペースアップ、続く3Fのレースラップは11秒7-11秒0-11秒0(33秒7)。対する自身の上がりは33秒5、ラスト1Fの推定ラップは10秒8。平坦の京都とはいえ11秒台のラップを4連続計測、1分34秒3も平均点より上。性格は穏当、阪神JF除外の影響も牡馬混合にもきっと耐え得る。
セットアップは洋芝の
札幌2歳Sを力で押し切った。高速馬場対応が課題となるが、ただ距離はマイルがベストと、前回のレース後スピード馬であることを強調していた。
エンヤラヴフェイスは、
デイリー杯2歳Sは本命の完敗を喫したが、他のメンバーとならば連下争い圏内。