【大器早々】
マジックサンズは血統図に相応しいスケールの持ち主。祖母は
函館2歳S優勝・阪神JF2着、そして半姉
コナコーストは
桜花賞2着。父が
キタサンブラックから
キズナにかわり、胸の厚みや臀部はひと回り大きくなり、筋肉も意思もギュッと詰まった緊張感ある黒鹿毛牡馬へと変化。初陣はスタートでヨレ気味、前半1000m・65秒4のスローに気負い気味となったが、馬込みに入ると落ち着き、3角手前ではひと呼吸入れる余力あり。12秒2-11秒8-11秒6(3Fは35秒6)というレースラップを、自身35秒3でズイとひと捻り。流れは緩く開催末期の水分をいっぱい含んだ芝だけに走破タイムは1分54秒0止まりだったが、脚に絡みつく重い洋芝で終い2Fを11秒台で加速しながら余力残しでゴールイン。リズム向上や上積み、
パワーの在処と才能が芝5F・63秒7という調教タイムからも読み取れる。父は
キズナ、台風馬場もドンと来い。
マテンロウサンの母は
京都牝馬S・
ターコイズSを連覇した切れ者マイラー。新馬戦は前半1000m通過は60秒6、スタートの1F以外はすべて12秒3以内という、まさに
札幌2歳Sレベルのタフなミドルペースを踏み、レースの上がりを1秒2上回る35秒2と強靭な末脚を繰り出し、二着を4馬身差にチギり捨てた。中二週というハードローテになるが、主戦の横山和Jが常に跨りダート5Fを二本、最終追い切りの芝5Fは64秒5を馬なり。敏感さは残すものの心身のケアはしっかりできている。
ちなみに1分49秒3という走破タイムは、同日の
コスモス賞を勝った
アスクシュタインと0秒1差。こちらは同じ札幌の9Fでも1000m通過は62秒3のスロー。淡々とした逃げに持ち込みラスト4F目から11秒9に一段ギアを上げ、続く3Fは11秒8-11秒5-11秒7(35秒0)。残り1Fは、ほぼ持ったまま。2着には7馬身差の独走。まともに追っていたら1分48秒台半ばになったか。完成度と体力はメンバー中随一、V3も十分ありえる。
ファイアンクランツは重馬場の札幌9F新馬を、ソツなく好位3番手につけ4角先頭、上がり3F・推定12秒0-11秒7-11秒1(34秒8)という快ラップをマーク。随所に幼さが散見されるが、健やかさと高い才能が入り交じった好素材。
モンドデラモーレは力に紛れのない東京9Fを稍重条件下・上がり33秒5で突破。予後の調教の動きや上昇度が目を引く。若干荒っぽさはあるが、
アルマヴェローチェの逃げ残り注。