【正夢になった】5歳夏、
チェイスザドリームが直線競馬の女王の座に名乗りを挙げる。パドックまでは普通に歩けている。しかし発走、ゲート直前まで
テンションを維持できるか否か、かなり神経を使う。若馬時代は取り扱いに難渋したが、輸送競馬にも徐々に慣れ、5-6Fダートをスピードで圧倒。5勝を積み上げてきた。前走の韋駄天Sは初の芝、それも直線競馬。半分手探り状態での参戦だったか。しかし5Fの直線競馬は、芝・ダートを問わず5-7Fで前後半の3Fどちらかに32-33秒台の特別感のあるスピード数値を備えた馬は直線競馬仕様の素養が高い。
チェイスザドリームも実際、ダート6F・GIIIの
カペラSでは前半3F33秒5(芝なら32秒台に匹敵)。飛ばして2着に奮闘坂路時計も速ければ速いほど適性が高く、
ロードカナロア×
アドマイヤムーンという配合も基本的には芝向き。韋駄天Sは13番枠からダッシュ鋭くすぐに外ラチ沿いで先頭に立ったが、内にモタれ気味とみたか。一頭ぶん外に持ち出しラチとの間に壁を作り、最後100mは二枚腰を使って後続をグンと突き放す快勝劇を演じた。二カ月間隔で坂路3本という調教メニューは前回と同じでも、韋駄天Sは直前追いはビッシリ。1000m適性に自信を得た今回は、一週前に49秒1を追い、直前は息を整える余裕の調整ができた。
対抗の
ディヴィナシオンは芝6Fで上がり32-33秒台を幾度も計測してきた追い込み馬。二走前の韋駄天Sは7歳5月にして初めて直線競馬参戦となったが、ラチ沿いを目指すものの行くところゝ前が塞がり、残り1Fやっとエンジンがかかったその瞬間、前に追突しそうになり急ブレーキを踏み5着。しかし上がり32秒2は文句なしに最速。先行して粘り強さが持ち味の松山騎手とのタッグも興味深い。
三番手は森厩舎の僚友
ジャスパークローネ。昨年4月以降、当該千直の
駿風S勝ちを含め、
CBC賞・
北九州記念を猛然と逃げ切った快速系。ハナを切ることが絶対条件になるが、逆にいえば戦法はきわめてシンプル。鞍上の団野騎手も特性をよく理解している。
惑星は4歳牝馬
モズメイメイ。33秒を切ろうかというス
プリント力を武器にマイルの
チューリップ賞も勝ったが、本質はス
プリンター。
桜花賞後の
葵S1分7秒1で短距離転向は想定通り。ただ古馬相手となるとなかなか先手を奪えない。中途半端な形で悶え失速を続けていたが、
北九州記念は差しに転向。折り合いはスムーズ、不利がありながらも3着突入。千直競馬でも好位差しに回って戦えるだろう。
実績なら
ウイングレイテストで断然。59kgは微妙だが、GII
スワンSを1分19秒9という高速タイムで走破、初の6F戦となった函館ス
プリントSも2着に対応。7歳夏も肌は黄金色に輝き稽古の走りは貫禄十分。
マイヨアポアは昨夏の稲妻Sを上がり32秒1で後方一気を決めている。急仕上げの韋駄天Sをひと叩き。鞍上の石川騎手は昨年、そして三年前の
アイビスSDの勝者です。