【息を合わせて】
アルナシームと横山典騎手の呼吸はピッタリ。生来の性格は敏感質、若馬時代は折り合いにも苦労した。ベストディスタンスはマイルか9Fか、戦法は先行か差しか。試行錯誤を繰り返してきたが、4歳条件時ながら阪神9F・
垂水Sの1分44秒7、京都9Fの
カシオペアSの1分44秒7という勝ち鞍で、最適距離と能力を記録で認識できた。前回の
都大路Sは1000m通過は59秒8のスロー、上がり3Fのレースラップは11秒4-10秒9-11秒3(33秒6)と高速。リズムを第一に置き、丁寧に乗ったぶん0秒2遅れをとったが、スイッチボタンの押しどころは確認できた。先週7F・93秒5-62秒1-36秒5-12秒0というハードワークを課した。その反動が若干気掛かりだったが、横山典Jが二週にわたって跨り、6日の木曜追いは51秒6-35秒6-11秒6を馬なり。憂い少ない東京へと旅立てる。
対抗は
トゥデイイズザデイ。2歳9月、中京10Fで新馬勝ちを果たし、10-11Fを三度走りクラシック参戦を狙ったが、体力不足で3歳時は条件クラスで足踏み。4歳時は8?9Fを軸に瞬発力の在処を探り、
垂水Sは1分44秒7.2着で走破、ちなみにアタマ差先着を許した勝ち馬は
アルナシームなのだが、9Fが一番スムーズに動けることがわかった。津村Jとのコンビで佐渡Sで勝ち星を積み上げ、
谷川岳Sは9カ月振りの実戦、距離はマイル。やや出遅れ加減、流れの速い流れについて行くのに苦労したが、ゴール前馬群を割りチカラで2着に押し上げてきた。ひと叩き効果で馬体は艶と張りを増し、同時に切れも出てきた。鞍上も癖と追い出しどころはつかんでいる。
ポテンシャルなら
レーベンスティール。2歳11月、東京9Fの新馬戦でクビ差先着を許したのは後の
皐月賞馬
ソールオリエンスだった。クラシックは断念、本格化は3歳秋にずれ込んだが、
セントライト記念は
皐月賞馬を0秒3差の逆転。2分11秒4も翌週の
オールカマーより0秒6速かった。ただ
新潟大賞典は海外遠征明けを考慮しやや甘めの造りとはいえ11着惨敗からの急浮上が微妙。
上位陣は微妙な不安を抱え、14カ月余の実戦でも
ヴェルトライゼンデの地力と実績が急浮上。
コントレイルを相手にクラシックで奮闘、長欠明けでGIII・
鳴尾記念をテッポウ勝ち、
ジャパンC小差3着の万能タイプの格上。坂路一本仕上げになるが4月末から乗り込み開始、GIII仕様には整った。勢いなら
グランディア。前走は従来のイメージを払拭する鮮やかな伸び脚を披露。
ニシノスーベニアもGIIIダービー卿CTで互角に近い戦いができた。
サイルーンも好調。