【勝負手を打つ】
レーベンスティールが後先なしの勝負手を打ってくる。2歳11月、東京9Fの新馬戦は後の
皐月賞馬
ソールオリエンスとクビ差の大接戦を演じた。しかし心身ともに見るからに幼い。クラシックはあえて望まず。条件戦で2勝を積み上げ、
セントライト記念制覇でGIIにたどり着いた。2分11秒4という決着タイムは翌週の
オールカマーより0秒6速く、古馬との力関係もある程度手ごたえを得ていた。体力不足に泣き
香港ヴァーズや
新潟大賞典の惨敗も経験したが、二走前の
エプソムCは1分44秒7・上がり33秒7の滑らかな加速ラップを並べ悠々2馬身差の完勝。
オールカマーは苦しい立ち回りを余儀なくされたが、坂上一気に馬群を断ち割った。短期放牧明けを挟みこの中間短い期間に南W6F追いを4本消化。二週に渡ってルメールJが跨り最終追い切りは破格ともいえる77秒5-35秒4-11秒4を馬なり。懸案材料のラスト3F地点からの反応と伸びは大幅に向上、猛調教後の木曜日体重は490(+10)kg。びくともしない肉体を作り上げた。元来スタートは上手。前進気勢が増せばポジション取りも楽になり、14番枠でも迷いなく駒を進められる。
一番のラ
イバル、
リバティアイランドはすぐ隣の12番枠。
桜花賞を歴代2位となる1分32秒1で駆け抜け、
オークスの2分23秒1(後続に1秒差)は、翌週の
日本ダービーより2秒1速く、
秋華賞を制し三冠を達成。
ジャパンCは
イクイノックスに真っ向勝負を挑み、0秒7差の2着に跳ね返されたが、決着タイムは
アーモンドアイの2分20秒6に次ぐ2分21秒8。自身の走破タイムは2分22秒5、そして牡馬混合GIにおける立ち位置を結果でも示した。
ドバイシーマクラシック3着は流れに乗れないまま3着に脚を余し、体調面で小さなアク
シデントも発生したが、9月半ばには栗東に帰厩。毎週坂路CW追いをしっかり2本消化、一週前追い切りでは川田Jが手綱を握り力強いグリップで終い1F・10秒8を計測。直前は自然な形でギアが上がり手前を替え、力強く伸びやかにフィニッシュ。落馬負傷のため調教騎乗は叶わなかったが、仕上がり度合はしっかり目視。再飛翔の手筈は整った。
一角崩しがあれば
ソールオリエンス。
皐月賞優勝、
日本ダービーは2着惜敗、
菊花賞は追い込み届かずの3着。4歳春は消化不良のレースも経験したが、
宝塚記念2着で復活と成長の狼煙を上げた。体重は大きくは変わっていないが、腰に力がつき首の上下の動きと四肢の連動はダイナ
ミックさを増し、重馬場のみならず良馬場の時計勝負にも耐え得る馬体造りが成った。
ドウデュースの力量も、もちろん軽視できない。
ドバイターフも
宝塚記念も、厳しいマークにあいインに押し込められてしまったが、5歳秋を迎え心身が合致。
武豊Jならではの
ショータイムを見たいもんです。
ベラジオオペラは
大阪杯に続き
宝塚記念僅差の3着で超一流馬の仲間入りを果たした。勝ち星から遠ざかっているが、
ダノンベルーガの鞍上はC.デムーロ。
天皇賞(秋)は3・4着、東京コースのGI実績を再考の余地あり。
ジャスティンパレスの底力もおさえておきたい。