【よく練られたローテーション】
アスコリピチェーノの格と能力断然。スピード色の濃い血統図と敏感さを慮り新馬は7Fから進発したが、
新潟2歳Sで折り合いとマイルをクリア。阪神JFを1分32秒6のレースレコードで駆け、歴代3位の時計決着となった
桜花賞は、
ステレンボッシュに機先を制されてしまったものの0秒1差の2着に奮闘。成長曲線を描きつつ破格の記録で結果を残してきた。
NHKマイルCは直線半ば何頭もが不利を被ったが、本馬も内に押し込められ、思わず天を見上げた。しかし不安定なフォームのままでも残り1F過ぎから再加速、2着入線には仰天。その昔
エアグルーヴが、2歳秋のいちょうSで直線半ば大きく躓き完全に勝機を逃したかに見えたが、猛追走の大逆転を演じたことがあった。
アスコリピチェーノの
NHKマイルC2着は、それに準ずるパフォーマンスだったよなぁ…。3歳馬・GI馬が
京成杯AHからスタートという例は近年まれだが、秋の大目標は
マイルCSと思えば、余裕を持ってローテーションが組める。重賞路線での斤量は55kg、ならば55.5kgに瑕疵はなく、二週にわたり美浦の調教スタンドを沸かせる破格の動きを披露した。
二の筆頭は
ディオ。58kgで3勝、中山の
東風Sでオープンを勝ち、
米子Sは1分31秒8で2着、
関屋記念も0秒2差の2着。半兄の
ソウルラッシュ(昨年の
マイルCS2着馬)の背中を追うように[5-9-3-3]というマイル実績を積み上げてきた。ダービー卿CTは11着と思わぬ躓きにあったが、疲労など考慮し微調整も完了。
三番手は3歳馬
ディスペランツァの可能性をピックアップ。
関屋記念は前半1000m・59秒6という、レース史上まれに見るスロー。末脚勝負の戦法図がまったく絵空事となってしまったが、阪神の坂コース・
アーリントンCの上がりは32秒4。レースの大勢が終わった後とはいえ、
NHKマイルCや
関屋記念の伸び脚から能力の一端は垣間見えた。
惑星は
キャットファイト。馬体の増減やラインがなかなか安定せずムラもあるが、昨年のちょうど今の中山・アスター賞を1分33秒1・上がり33秒7の2歳レコードで駆けたスピードの持ち主。中山マイルは
アネモネS勝ちもあり、この季節は肌も艶々です。
エエヤンも当該コースは[3-1-0-0]、逃げてよし、大胆なマクリもドンと来い。57.5kgの重いハンデは、高い中山適性を認めているからこそでしょう。
サンライズロナウドは9Fダートで初勝利を挙げ芝10Fで2勝、3勝クラスは7F勝ちで突破。6F重賞4着、7F重賞3着。海外遠征を挟み
関屋記念は最速の上がりを計測、マイル重賞奪取の下準備を着々と整えてきた。1Fが微妙に長いが、阪神JF3着馬
コラソンビートも差はわずか。