【夏・秋の女傑】夏から秋は
ママコチャ、昨年の
スプリンターズS優勝時の馬体の張りと活気が戻ってきた。5月後半-10月期にかけ3-4歳時の戦績は[5-1-0-0]。昨年は
北九州記念2着をジャンプボードに、GI・
スプリンターズSでは鋭く馬群を断ち割った。寒い時期は冬毛が生え、
高松宮記念も毛艶はひと息、気合も不足。重馬場に脚をとられ8着に敗れたが、秋を見据え7月末から長期にわたり乗り出し開始。CWのタフな6F追いも取り入れ、立ち姿、加速力は春とは一変の様相を呈しており、57kgでも素早く動ける馬体造りが叶った。
第一目標は3歳馬
ピューロマジックの逃げ脚。二走前の
葵Sは、前後半の3Fは33秒2-33秒9(時計は1分7秒1)――チカラの逃げを誇示して見せたが、続く前走の
北九州記念も稍重馬場も委細構わず。前半3Fを32秒3で有無を言わさぬ逃げに持ち込み古馬混合GIIIを連勝。短距離馬は坂路調教主体の馬が多いが、CWを重量感溢れるグリップ力で地を捉え、一介の単に速いだけのス
プリンターではなく成長力と可能性も見込める。ただしマークは集中、まだ坂コースと左回りに一抹の不安あり。
残り1Fで脚が鈍るようなら
アサカラキングに思わぬ金星が転がり込んでくるかもしれない。10Fで初勝利をあげ、マイル→7F短縮で3勝、6Fの
モルガナイトS逃げ切りでス
プリンターとしての土台を構築。函館SSは1番人気に推されたこともあり、立ち遅れをムキになって挽回。空回りしたぶん9着に埋没したが、
ピューロマジックの二番手あたりにポジションを定めれば、レース構築は易く伸びや粘りも違ってくる。
ヴィクトリアマイルを一閃した、
テンハッピーローズの決め手ももちろん要注意。6Fは2歳夏の新馬以来となるが、7Fでも折り合いに汲々。
ヴィクトリアマイル制覇は1000m通過・56秒8-1200m通過・1分8秒4というHペースゆえ、追走が楽になったからこそ折り合って鋭い脚が使えた。6Fの
セントウルS制覇の素養を記録でも保持しており、左回りはフットワークもスムーズ。
サウザンサニーは戦法は現状末一手、高速決着に課題も残しているが、函館ス
プリントS4着で重賞に目途は立った。勢いそのまま、調教の動きも一段進化している。一発長打があれば
ダノンスコーピオン。「短距離馬の身体になった」という陣営のコメント通り、坂路の身のこなし、
パワーはまさに100m走者です。