･3歳馬をのぞく、7枠と8枠に入った馬
※札幌過去10年[0-0-2-30]
●2010年該当馬→レジネッタ(4着)、ウェディングフジコ(9着)、ピエナビーナス(10着)
○2011年該当馬→ショウリュウムーン、サンテミリオン、アプリコットフィズ、コスモネモシン

･前走1着馬をのぞく、連闘-中3週のローテで出走する馬
※札幌過去10年[0-0-0-22]
●2010年該当馬→マルティンスターク(14着)
○2011年該当馬→ダイワジャンヌ

･前走重賞出走組をのぞく、前走3着以下馬
※札幌過去10年[1-0-1-33]
●2010年該当馬→ピエナビーナス(10着)、マルティンスターク(14着)
○2011年該当馬→ブライティアパルス

･前走、4角を13番手以下で回っていた馬
※札幌過去10年[0-0-3-13]
●2010年該当馬→該当なし
○2011年該当馬→アースシンボル、ショウリュウムーン、

･前走、マーメイドSに2番人気以下で出走していた馬
※札幌過去10年[0-1-3-13]
●2010年該当馬→レジネッタ(4着)、ブラボーデイジー(7着)、ヒカルアマランサス(8着)、ムードインディゴ(11着)
○2011年該当馬→ブロードストリート、アースシンボル

2010年残った馬→アプリコットフィズ、プロヴィナージュ、カウアイレーン、ショウリュウムーン、ダークエンジェル、ラヴドシャンクシー、モーニングフェイス

【昨年結果】
1着：アプリコットフィズ(○)
2着：プロヴィナージュ(○)
3着：カウアイレーン(○)

2011年残った馬→レディアルバローザ、デルマドゥルガー、アニメイトバイオ、アスカトップレディ、アヴェンチュラ、カウアイレーン

須田：4頭残しで1頭も馬券に絡まなかった上に、センセイが「怖い」と言いつつ切ったレインボーペガサスが1着！　もうなんというか……最低オブ最低ってカンジですなあ。

井崎：うん、確かに最低だったな。だけど、ここまで来ればもう「底は打ったんだから、あとは上がるのみ」って気がする！

須田：いやいや、ここが底だと思ったら二枚底や三枚底が……というのが、株の世界などでは常識ですよ？　つーか、ポジティブシンキングにも程があるでしょ！！

井崎：ハズレてネガティブになる領域を超越すると、もうポジティブになるしか選択肢がないんだって(笑)。ネガティブになって当たるというなら、いくらでもなるけどねえ。

須田：……その開き直りっぷりだけは、心の底から感心しますよ。まあ、ネガティブでどんよりしたセンセイなんて、確かに誰も見たくないでしょうけどねえ。

井崎：で、そんなポジティブ全開な気持ちでクイーンSを予想したんだが……コレ、かなり難しいよな？

須田：ですねえ。ヴィクトリアM組が中心になるとは思いますが、長期休養明けのサンテミリオンや3歳馬にも警戒は必要でしょうし、イメージ以上に難しいとはボクも思います。

井崎：しかも、一気に消せる「大ネタ」が見あたらないレースでね。小ネタを重ねてコツコツと消していったんだけど、それでも6頭残っちゃったよ。

須田：いやいや、下手に絞りに行ってハズレるよりは、ある程度は残したほうが絶対にいいですよ。今のセンセイがそれをやって成功するとは、とても思えませんし！

井崎：絞るのが下手なのは認めるけどな(笑)。で、昨年コレで失敗したんだけど、それでも気になるのが外枠の不振。今年も思い切って消しに行くことにしたよ。

須田：昨年アプリコットフィズが、7枠12番から勝っちゃいましたからねえ。

井崎：でもさ、外枠から来てる馬って、そのほとんどが2番人気以内なんだよな。3番人気以下に限定すると、惨憺たる成績になるだろ？

須田：えーっと、3番人気以下馬は過去10年[0-0-1-33]で複勝率2.9％と、きわめて信頼度が低いですね。コレなら、自信を持って「消し」と言えるのではないかと。

井崎：そういうワケで、消去ネタの筆頭格として扱ったんだよ。さすがに金曜日の時点で人気は読めないけど、外枠軽視の姿勢で臨むべきレースなのは間違いないと思うぞ。

須田：うーん、いかにもクサそうな馬が7枠-8枠に偏りましたから、思い切ってぜんぶ消すというのも、確かに今年はアリかもしれませんなあ。

井崎：あとは順当に消せるところを消していって、残ったのがこの6頭。トリガミに注意する必要はあるが、意外に悪くないセンだと思うんだけどなあ。

須田：とりあえず、何が何でも「外枠でのワンツー決着」だけは避けていただきたいものですよ。もしココで決まったら……お祓いにでも行っていただきましょうかね。

　昨年に続いて◎でいきたい。マンハッタンカフェの姪で、母のヘイロー≒ボールドネシアン2×4のスピードで先行し父のハイペリオン的スタミナで粘る脚質は小回り向きだし、輸送のない滞在競馬はプラスだし、今年も2、3番手で流れに乗れそうだし、おまけに近走の外回りと東京の凡走で人気はガタ落ち。

　○はここ2走のような持続戦ならかなり強い馬だが、開幕週のスローだと鋭さ負けの心配も少しある。

　☆は器は大きいがオープンまでくると2000mは欲しい気がするし、アニメイトやショウリュウは戦績通り外回りがベター。

　洋芝でよく穴を出すリンカーン産駒で、中山できれいに捲った▲が軽量と好枠を活かして○の直後からインをすくえば大穴か。

　クイーンSはこれまでの歴史を見ても、先行馬有利の流れを踏襲するレースです。クイーンSに限らず、例年札幌の開幕週は内枠、先行馬が有利です。騎手もそのことを強く理解しながらも、どうしても先行馬が残ってしまいがちなのは、時計の掛かるベクトルへ向かっていた函館開催の感覚が完全に抜け切らないまま、一気に時計の速い札幌開催へと推移するからでしょう。

　また過去10年を振り返っても、8枠は1度も連対していません。外枠の先行馬は1コーナーから外に張られるロスを強いられ、かといって道中インで待機して直線勝負に賭けても、2007年のディアチャンス(8枠11番)のように、連対圏内まで届かずの3着あたりで終わってしまうからです。勝ち負けするには思い切って1?2番手に付けて行く必要があります。それで勝利したのが昨年のアプリコットフィズ(7枠12番)です。

　そこで今回は1枠1番の絶好枠を引き当てたレディアルバローザを◎とします。前走のヴィクトリアマイルはオーバーペースの流れを先行から直線一旦先頭で3着という好内容。前走で力を出し切った感は拭えませんが、今回好位の2、3番手あたりに付けていければ上位争いが濃厚でしょう。

　○は前走のヴィクトリアマイルは◎とほぼ同じ位置で競馬をしたために11着に敗れましたが、3走前の中山牝馬Sでは◎と0.5秒差(3着)、前々走の福島牝馬Sで2着のコスモネモシン。先行すると1コーナーから外に張られますが、逃げるアプリコットフィズの2番手に付けるか、いっそ直線一気に賭ければ、上位争いが可能です。

　▲は昨夏のマーメイドSを勝利しているように、前へ付けていけると強いブライティアパルス。鞍上がテイエムプリキュアで日経新春杯を逃げ切ったり、エリザベス女王杯で2着に粘らせた荻野琢騎手ですから、今回は積極的に行くと見ての穴候補です。

　10月中山3歳限定→8月札幌3歳以上、に条件変更されたH12年以降から、「消える馬」・「残る馬」を探ってみよう。

■3歳馬
　3歳馬は[2-3-3-20]、斤量52kgを生かしての好走例があるが、連対をはたした馬の共通項は勝ち星3勝以上あるいは前3走内に重賞戦勝ち歴があった点。その実績がなかった3歳馬は[0-0-1-15]。H16年、戦績[2-1-0-2]の3歳馬ウイングレットは1800m持ち時計メンバー中4位の1分46秒5があったが4番人気8着…該当馬、2勝3歳馬の2・9は？

■惨敗
　前走1番人気支持以外で1秒以上惨敗を喫していた馬は[0-0-2-38]…該当馬は、2・7・10・11・12・13・14。

■斤量増加
　前3走内にG1戦勝ち歴あった馬を除く斤量前走比2kg以上増加馬は[0-0-2-26]…該当馬は、3・5・8。

■休養馬
　前走非重賞戦敗退、重賞G1戦1秒以上敗退、G2・G3戦0秒8以上敗退の3か月以上休養馬は[0-0-0-12]…該当馬は、7・10・11・12・13・14。

■中距離実績
　1800-2000mの中距離戦を6回以上走って0-1勝馬は、前走重賞戦連対馬を除き[0-0-0-14]。コスモネモシンは牝馬限定重賞の中山牝馬3着・福島牝馬2着があるが、該当距離[1-3-2-5]で今回はどこまで。

【狙い】
　以上から残ったのは3頭で、◎はアニメイトバイオ。3か月以上の休養馬を除き、前走牡馬混合重賞・斤量55kg以上で0秒3差内健闘馬は、

H18年、前走G3エプソムC0秒3差4着デアリングハートが1着
H19年、前走G3ラジオNIKKEI賞0秒3差3着イクスキューズが2着

　前走G3七夕賞0秒3差3着(勝ち馬は次走G3小倉記念をレコード勝ち)のアニメイトバイオを中心視。

　○はレディアルバローザ。前走G1戦で0秒4差内好走の力量上位馬は、

H15年　ヤマカツリリー　　オークス0秒4差4着→4番人気9着
H17年　デアリングハート　Nマイル0秒3差2着→1番人気4着
H19年　アサヒライジング　Vマイル0秒1差2着→2番人気1着
　　　　　アドマイヤキッス　安田記念0秒4差4着→1番人気4着
H20年　エフティマイア　　オークス0秒0差2着→3番人気5着
　　　　　レジネッタ　　　　オークス0秒2差3着→1番人気2着
H22年　プロヴィナージュ　Vマイル0秒2差9着→3番人気2着

　と人気の割には意外と取りこぼしが多く、対抗まで。

　▲はブロードストリート。前走G3マーメイドS出走馬は[3-2-3-16]。前走マーメイドS連対馬[2-0-2-3]と好調の波を今ひとつ生かせていない状況。

　前走のマーメイドSで、昇級初戦に関わらず1番人気に推されるも7着に敗れたアスカトップレディ。しかし、自身の指数｢89｣で分かるように、前半5F・61.2秒の超スローで持ち味が活きなかった印象。

　テンの3F・34.6秒、5F通過58.3秒、上がり3F・34.7秒という典型的な平均ペースとなった2走前のパールS(京都1800m)で｢110｣、500万戦ながら同じく平均ペースの福島2000mで｢107｣をマークしているように、淀みない流れの方が合うタイプ。2走前と同じ2000m→1800mへの距離短縮で激変に期待したい。

【連軸不動】レディアルバローザの勢いはどうだ。前回のヴィクトリアマイルは、前半4Fが44秒6―1000m通過が55秒9という、安田記念より1秒以上速いHペースを、3番手追走から残り1Fで先頭。ゴール寸前、脚が止まってしまったが、ヴィクトリアマイルのラップ内容は、安田を大きく上回る厳しいものだった。二走前の中山牝馬Sは1分45秒4。1分57秒8のレコード決着となった、同週の大阪杯の通過タイム・1分45秒6と比較すれば(あと1F・12秒0を足すと1分57秒4)、牡馬混合GIに入ったとしても、五分の能力の持つ主であることがわかる。同馬の飛躍の起点となった、中山牝馬Sの好走理由は、480キロ近辺で体重安定も一因。滞在競馬も好材料だ。開幕週の先行前残り馬場も、早め好位追走の前走が、きっと糧となる。当面の敵はアヴェンチュラ。札幌2歳S・1分49秒9は、レースの質とすれば中の上。ただ、牡馬混合戦で、最速の上がりで2着好走。前回の漁火S・1分47秒9も、一週前の函館記念の1800m通過ラップが1分48秒2だったことと照らし合わせると、レースの意味およびポテンシャルも、計れるのではないか。ジックリと立て直しを図った、オークス馬サンテミリオンの素材を単穴に見直し。ブロードストリートは、栗東からの一週前入厩。水曜日に追い切りは消化できたが、当日の造りは確認したい。アニメイトバイオも、もちろん一角崩し圏内。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【伏兵注意】前に行ける馬が有利という傾向があるこの重賞。その脚質があるアスカトップレディを中心に指名する。アヴェンチュラは前走が楽勝。上積みも見込めそうで首位争いに期待ができる。レディアルバローザの粘り込みにも注意を払いたい。アニメイトバイオはしぶとさをいかせば台頭可能。ブロードストリートは展開微妙も前崩れなら出番がある。昨年3着のカウアイレーンを穴として挙げておきたい。

　クイーンSが行なわれる札幌芝1800mから注目の直結コースは、東京芝1600m、京都芝2000m、函館芝1800m、阪神芝1600m、同コースの札幌芝1800m。直結コースの激走馬は、同じ適性が要求される今走のコースに合うため、高い適性を活かして大駆けできる。

　人気サイドの2頭に適性があるので、素直に評価する。◎アヴェンチュラは、昨年の夏に同コースの重賞を連対。また、前走は直結コースの函館芝1800mを圧勝して、直結＋同コースの両方を激走している。その他、直結コースの阪神マイルでは、GIレースの阪神JFを善戦するなど、直結コースの実績は十分ある。

　▲レディアルバローザは、前走にて直結コース・東京マイルのGI、ヴィクトリアマイルの馬券になった。ヴィクトリアマイルは、1着アパパネ・2着ブエナビスタという強敵を相手にしての3着で評価は高い。ちなみに、昨年のクイーンSの勝ち馬は、東京マイルの重賞馬。このことから、東京芝1600mの重賞を激走した馬は評価できる。

　札幌芝1800mはローカルコースの中距離戦、同じく小回りコースの京都芝2000mで施行された、秋華賞の激走馬を警戒する。昨年の秋華賞の2着馬○アニメイトバイオは、休養明けを叩いた前走で変身、やっと好調期間に入ったので今回は勝ち負けになる。

　そして、昨年の秋華賞3着馬の△アプリコットフィズが穴馬。この馬は、昨年のクイーンSの勝ち馬でもあり、同コースの重賞1着と直結コースのGIを3着という実績を持つ。今年の不振により人気を落とすが、レース間隔をあけて立て直したので警戒したい。

　もう1頭、秋華賞の激走馬として、△ブロードストリートを推奨する。一昨年の秋華賞2着馬、このレースはレッドディザイアとブエナビスタを相手にしての連対となり、価値は高い。当コラムでは、前走のマーメイドSで推奨して7人気2着に激走したが、今回も走れそうなので引き続き注目する。