･前走、重賞以外に出走していた馬

※京都過去10年[0-0-3-63]

●2010年該当馬→ディアアレトゥーサ(6着)、クラックシード(7着)、レインボーダリア(8着)、ベストクルーズ(12着)、アンティフリーズ(13着)、コスモネモシン(14着)

○2011年該当馬→アカンサス、カルマート、スピードリッパー、ゼフィランサス、デルマドゥルガー、ピュアブリーゼ、フレンチボウ、マイネソルシエール、メモリアルイヤー、リトルダーリン、レッドエレンシア



･前走、4角を4番手以下で回って、5着以下だった馬

※京都過去10年[0-0-3-50]

●2010年該当馬→プリンセスメモリー(10着)、オウケンサクラ(11着)、ショウリュウムーン(16着)、タガノエリザベート(17着)

○2011年該当馬→アカンサス、スピードリッパー、フレンチボウ、マイネソルシエール、リヴァーレ



･G1勝ち馬をのぞく、前走4着以下だったサンデー系種牡馬の産駒

※京都過去10年[0-0-0-43]

●2010年該当馬→アグネスワルツ(9着)、タガノエリザベート(17着)

○2011年該当馬→アカンサス



2010年残った馬→アパパネ、アニメイトバイオ、アプリコットフィズ、ワイルドラズベリー、レディアルバローザ、エーシンリターンズ、サンテミリオン



【昨年結果】

1着：アパパネ(○)

2着：アニメイトバイオ(○)

3着：アプリコットフィズ(○)



2011年残った馬→キョウワジャンヌ、アヴェンチュラ、エリンコート、ホエールキャプチャ、マイネイサベル、マルセリーナ



須田：センセイ、先週は案の定というか何というか……冴えない結果でしたなあ。



井崎：あの位置から差し切るんだから、ダークシャドウはホントに強くなってるよなあ。それにリアルインパクトも大したモンだよ。さすが安田記念の勝ち馬だよな、ウン。



須田：ええ、調子の波にまったく乗れない井崎センセイにも、あの勢いを少しは見習っていただきたいものですよ。秋のG1シーズン、真っ盛りなんですからね！？



井崎：今週が秋華賞で来週は菊花賞かあ。いやあ、1年が早くて困っちゃうよな(笑)。



須田：困ってないで、少しは「見せ場」というものを作ってから終えていただきたいですねえ。で、今週の消去ネタなんですが……妙に少なくないですかね？



井崎：そうなんだよ。もっと手こずると思ったんだけど、「基本」のネタだけでザックザクと消せちゃってさ。Aクラスとそれ以外で、かなり力差がある印象を受けるね。



須田：ということは、今年は「順当」だと？



井崎：うん、残った馬のラインナップから考えるに、ものすごく順当な結果になる可能性が高いんじゃないかな。正直なところ、6頭残しだとトリガミが怖いくらい。



須田：ああ、このメンツだとトリガミは大いにありえますねえ。だからといって、ここから絞り込むのもなかなか難しそうですが……。



井崎：いや、実はあと2頭、消そうと思えばサクッと消せるんだよ。マルセリーナとエリンコートなんだけど、ホントのところは消したい気持ちのほうが強いかもなあ。



須田：では、その「消せる理由」からお聞きしてみましょうか。



井崎：いちばん最後の消去ネタで「前走4着以下だったサンデー系」を消してるんだけどさ、これがもうホントに弱い。掲示板に載った馬ですら、過去10年で6頭しかいない！



須田：過去10年のトータル成績が[1-0-0-45]で複勝率2.2％ですか。サンデー系がそう強いレースではないとはいえ、確かに壮絶なまでに弱いですねコレは……。



井崎：だろ？　消去ネタでは一応「G1馬をのぞく」という条件を付けたけど、消そうと思えばぜんっぜん消せるんだよな。それに、4頭残しならトリガミもないだろうし。



須田：で、そこまで考えておきながら、なんで残したんですか？



井崎：血統ネタを使った上に、桜花賞馬とオークス馬をピンポイントで消すようなマネしたら、須田クンが烈火のごとく怒るに決まってるじゃないか(笑)。



須田：いやいや、ボクは基本的に穴党ですから、ちゃんと根拠がある「人気馬の消し」は大歓迎なんですよ？　いつも怒っているのは、あくまで根拠が希薄すぎるからなワケで。



井崎：じゃあ、マルセリーナとエリンコートは「3着まで」って限定しようかな。コレだと馬連6点、3連複16点、3連単48点で済むし、確実に浮くだろ？



須田：それならトリガミはないと思いますが、面白いオチがつく危険性もグンとアップしますよ(笑)。それでは的中、もしくは大笑いできる結果を期待しましょう！

　アヴェンチュラは兄姉よりトムフール的な機動力があるが、しかし高速馬場の秋華賞を勝ちきるほど素軽い馬かというと、やっぱり洋芝や渋った馬場がベターだろう。



　マルセリーナは内回り向きの俊敏さや機動力ではホエールを上回るが、この大外でレース運びは難しくなった。エリンコートは母のナスキロ柔さで走るので東京や外回り向きの中距離馬。



　ホエールキャプチャは桜もオークスも◎を打ってきたし一番強いレースをしたとも思っている。ブラッシンググルームのしなやかさと母系のスタミナで長くいい脚を持続できるタイプだが、メモリアルの逃げなら平均速めのラップだろうから、前走のように好位付けならオルフェーヴルを抑えた芙蓉Sのように粘り強さで押しきれるとみた。



　紫苑1,2着とスピードリッパーは中山で機動力のあるところみせているだけに、ヒモにはぜひ入れたい。

　秋華賞を過去に遡って、その調教タイプを分析すると、近年では「馬ナリ平均系統」の好走が目立たなくなりました。



　息が入りにくく、激しい流れになりやすい小回りの京都芝2000m、古くはブゼンキャンドル(1999年)が勝った時のような調教量豊富な馬に適性の高いレースになってきたということでしょう。



　今年の出走馬では馬ナリ平均系統の調教タイプが7頭。その中には上位人気に支持されているアヴェンチュラもいますが、激流になれば馬ナリ平均系統は適性が低いと予想して、この時点で無印です。



　そして本命を決めるためのデータが「栗東トレセンで追い切られた美浦所属馬」というもの。美浦所属馬の栗東滞在は近3年でぐんと増えていますが、その期間の成績が[2-1-2-1]で単回収率が537%、複回収率が1298%と驚異的な数字を残しています。唯一馬券圏内を外した2009年クーデグレイスも4着。掲示板率は100%のこのデータを無視するわけにはいきません。



　該当するのはホエールキャプチャ、マイネイサベル、デルマドゥルガーですが、過去の調教パターンからも文句のつけようがないのは◎ホエールキャプチャです。



　前走ローズSの最終追い切りではラスト1Fが最速になるようなラップが踏めなかったため、馬券圏内を外す可能性も頭に浮かびましたが、これまでとは違う脚質で競馬をしただけ。それで結果を出すのですから、やっぱりこの世代での力はトップです。



　今回はきっちりラスト1Fが最速にラップを踏めていて、調教本数もマックス。スキのない仕上げを順当に評価しました。



　もしそんなローズSウイナーに勝つ可能性があるなら○マルセリーナ。



　明らかに調教不足だった前走と比較して、調教本数が増加した上に、その中身も強化しています。また前走はトラック単一調教馬に適性低い条件でしたが、今回はトラック調教が重要になる京都芝2000m。前走からの上積みとトラック調教で逆転可能と判断しました。



　▲マイネイサベルは栗東滞在が板についた感じで、追い切りがしっかり。細かった2歳時に比べて、今は腹回りはふっくらした好馬体です。



　今週の追い切りが少し時計が遅かったので、評価を下げたのが△デルマドゥルガー。それでも2週連続で武豊騎手が跨ったあたりの負荷は栗東滞在を活かせています。



　前走不可解な△エリンコートですが、標準多め併用なら一変されても怖いので印を打ちました。また△キョウワジャンヌは前走時と変わらない感じの仕上げで評価しています。



　調教タイプから大穴をあけるなら標準多め併用△フレンチボウと一杯平均トラックで逃げてどこまで△メモリアルイヤー。



01.キョウワジャンヌ

今回：標準坂路

前回：標準多め坂路



02.リヴァーレ

今回：馬ナリ平均トラック主体

前回：標準トラック



03.リトルダーリン

今回：乗込坂路

前回：標準多め併用



04.アヴェンチュラ

今回：馬ナリ平均併用

前回：乗込トラック



05.フレンチボウ

今回：標準多め併用

前回：馬ナリ平均併用



06.ピュアブリーゼ

今回：乗込坂路

前回：馬ナリ平均坂路



07.マイネソルシエール

今回：標準トラック主体

前回：標準少めトラック



08.デルマドゥルガー

今回：標準併用

前回：標準少めトラック



09.エリンコート

今回：標準多め併用

前回：標準多め坂路



10.スピードリッパー

今回：馬ナリ平均トラック主体

前回：馬ナリ平均坂路主体



11.ゼフィランサス

今回：標準坂路

前回：馬ナリ平均坂路



12.ホエールキャプチャ

今回：標準多め坂路

前回：標準坂路主体



13.アカンサス

今回：馬ナリ平均坂路

前回：標準少め坂路



14.メモリアルイヤー

今回：一杯平均トラック

前回：地方



15.マイネイサベル

今回：標準トラック

前回：標準少めトラック



16.カルマート

今回：標準多め併用

前回：標準多めトラック



17.レッドエレンシア

今回：馬ナリ平均坂路主体

前回：馬ナリ平均トラック



18.マルセリーナ

今回：標準トラック

前回：標準少めトラック

　秋華賞トライアルの紫苑Sではオークス2着馬のピュアブリーゼが12着に破れ、ローズSでは桜花賞馬マルセリーナが8着、オークス馬エリンコートが10着に敗れました。しかし出走賞金が足りている競走馬のトライアルレースとは、本番に向けて1.疲れを残さないこと、2.厳しい流れを経験させることの2つの目的があります。



　ローズSはゆったりとペースで流れたので、マルセリーナとエリンコートは「1」の目的を果たしましたが、「2」の目的は果たしていません。それに対して、ピュアブリーゼは紫苑Sがオーバーペースで流れたことで「1」と「2」の目的を同時に果たしました。もともとの3頭の力関係は大きな差がありませんから、ここは◎をピュアブリーゼとします。



　同馬は休養明けの前走紫苑Sで4コーナー先頭の勝ちに行くレースをしたことで、休養明け2走目の上積みが他の有力馬よりも大きいでしょう。また、先行馬が手薄ですから、展開にも恵まれそうな感があります。



　○は桜花賞2着、オークス3着馬で、休養明けの前走ローズSでは自ら動いて勝利したホエールキャプチャ。ジリ脚ゆえに豪快な勝ちっぷりをすることはありませんが、どんな馬場＆ペースでも崩れないのが同馬の魅力でしょう。



　▲は前走のローズSは本来差し馬であるにもかかわらず、積極的な競馬をさせた分、終いの伸びを欠きましたが、大外18番枠に入ったことで末脚を生かす競馬に徹することができるマルセリーナ。前々走比プラス26kgの馬体重が示すように、休養中に成長していたという収穫も大きいでしょう。

【秋華賞・消去法予想】

　牝馬の三冠目にあたるレースで、過去15回を数える秋華賞ですが、今回はグレード制開始のS59年以降から、H7年まで3歳牝馬限定だった旧エリザベス女王杯も対象に入れて、過去27年分「消える馬」・「残る馬」をチェックしてみます。

■前走下級戦
　前走非重賞戦使用馬で連対をはたしたのは4頭いて、そのうち3頭は3勝馬でした。しかし、前走、芝良・稍重馬場の非重賞戦で連対を外していた馬は、2走前にG1戦5着以内・G2G3戦3着以内の好走歴があった馬を除くと[0-0-0-37]。また、前走500万クラス戦使用馬は[0-0-0-14]で、このうち12頭までが?着以下惨敗でした。

……前走OP戦で着順掲示板外の?着以下だった2勝馬アカンサス・フレンチボウは×。
前走500万クラス戦辛勝のゼフィランサス・リトルダーリンは力量不足で×。

■ローズS大敗馬
　前走トライアルのG2ローズS良・稍重馬場で10着以下(不利を受けた場合を除く)かつ1秒以上完敗だった馬は[0-0-0-36]。S60年オークス馬ノアノハコブネがローズS1秒差11着で本番12着、H2年オークス馬エイシンサニーが同2秒1差12着で本番3番人気7着。

　また、前2走「非重賞戦→ローズS」のローテで、ローズS6着以下かつ0.8秒差以上敗退馬は[0-0-0-32]。

……立て直しに懸命のオークス馬エリンコートですが×。今年1月デビューのリヴァーレは爆発力警戒で穴人気になっていますが、本格化はもう少し先でしょう。

■紫苑S組
　前走トライアルのOP紫苑S出走組は[0-0-2-36]で、2走前に1800m以上の芝の重賞戦・OP戦で5着内好走歴のなかった前走紫苑S出走馬は[0-0-0-30]。

……紫苑Sレコード勝ちのカルマートが不気味な存在ですが、紫苑Sが1800mで行われていたとき、1.47.0-1.47.4の高速時計で走破していた馬は9頭いましたが[0-0-2-7]。開幕週の絶好馬場での高速時計は額面通りには受け取れません。

■右回り実績
　右回りの芝のレースを8回以上走って連対0?2回馬は[0-0-0-25]。

……右芝[2-0-3-3]のキョウワジャンヌは距離が不安視されています。前2走内に1400m以下の短距離使用ローテをとっていた馬は、1800m以上2勝以上馬や前2走内に芝重賞戦勝ちがある馬を除き[0-0-1-37]、H12年、類似馬トーワトレジャー「条件戦1200m1着→ローズS3着」ローテの5番人気3着が唯一の好走例です。

■実績
　地方転入馬を除く1勝馬は[0-0-3-15]。また、芝のレース0-1勝で連対をはたした馬は9頭もいますが、芝のレースを10戦以上も消化して芝0?1勝馬は[0-0-0-13]。さらに、キャリア5戦以下で重賞戦3着内の好走歴がない馬は[0-0-0-23]。

……1勝馬[1-3-2-3]のピュアブリーゼ、[1-1-0-8]マイネソルシエールはともに重賞戦で穴をあけた前科がありますが、激走も「渋った馬場なら」の条件付きです。フレンチボウは×。

■近走大敗歴
　前3走内に芝良馬場のレースで5番人気以下かつ10着以下大敗があった馬は、前3走内に重賞戦で連対歴があった馬を除き[0-0-0-75]。

……スピードリッパー・デルマドゥルガー・マイネソルシエール・メモリアルイヤーは×。

■距離ローテ
　前2走とも1800m未満のレースを使っていた馬は、1800m以上戦で勝ち歴がある馬や前2走内に重賞戦勝ち歴がある馬を除き[0-0-0-26]。

……ゼフィランサス・メモリアルイヤー・レッドエレンシアは距離対応力？で×。

■オークス組
　前2走「オークス→9月以降の1800m以上芝のレース」のローテで、ともに0秒4差以上負けていた馬は[0-0-1-41]。このパターン該当の桜花賞馬、H4年ニシノフラワー3着・H6年オグリローマン15着・H7年ワンダーパヒューム16着・H18年キストゥヘヴン6着とことごとく連対を外していました。

……アカンサス・スピードリッパー・マイネソルシエールが×ですが、桜花賞馬マルセリーナも該当します。マルセリーナは、H7年のワンダーパヒュームと類似しています。ワンダーは、通算成績[2-1-2-1]連対率5割・京都芝[1-1-0-1]・「桜花賞1.34.4クビ差1着→オークス0秒6差3着→ローズS体重1キロ増加0秒4差4着」で4番人気16着でした。

■実績上位馬
「2走前G1戦3着内好走→前走G2戦連対」の実績上位馬は[6-3-1-2]で、右芝1勝馬やレース中故障発生馬を除くと[6-3-1-0]、3着1回はH21年ブエナビスタの2着降着。

　また、秋華賞過去15回、芝4勝以上の実績馬は[9-4-3-13]ですが、このうち、(a)桜花賞あるいはオークスで3着内好走・(b)キャリア6戦以上・(c)3歳時以降3戦以上消化・(d)4着以下の着外が0-2回・(e)夏期6月後半-8月に出走歴なし、以上の5項目すべてを満たしていた芝4勝以上馬は[7-3-0-0]。

……該当馬ホエールキャプチャを◎に抜擢。ローズSの勝ち時計が翌日の3歳未勝利戦より1秒も遅く、レベルが疑問視されていますが、オークス時計は過去10年で2番目の速い決着となっており、単に展開のアヤ、かえってレース巧者ぶりが発揮された一戦です。

■連対率
　前走芝良・稍重馬場の重賞戦で連対をはたしていた通算成績の連対率が8割以上あった馬は、3か月以上休養馬や地方転入馬を除き[5-5-1-8]。このうち、(a)2走前連対外×・(b)夏期7、8月に3戦以上×・(c)前3走内に500万クラス戦使用×・(d)前走体重増減1キロ以上×、以上の4項目クリア馬は[4-3-1-0]。

……前走G3クイーンS勝ちで連対率8割のアヴェンチュラが該当し、○に。

　歴史あるクラシック戦線には、相性の悪いトライアルというのが必ず存在して、特に本番と同距離のトライアル戦は危ない。チューリップ賞と桜花賞、弥生賞と皐月賞など、格式の高いトライアルでも、着順が入れ替わることも珍しくない。青葉賞とダービーの関係も同じことが言える。

　重賞のトライアルですら同距離だと危ない訳で、格下のOP特別となると、本番との連動性はほぼない。アネモネSと桜花賞、そして紫苑Sと秋華賞の関係が、まさにその典型。

　ただし、例外がない訳ではない。08年は桜花賞トラアイルの指数が軒並み低調な中、アネモネSでソーマジックが淀みない流れで｢102｣をマークした結果、桜花賞でも5番人気で3着に好走している。当時の競馬総合チャンネル連載で、ソーマジックの指数は不気味だという表現をした記憶があるが、今年の紫苑Sがまさに不気味な結果なのだ。

　本命はデルマドゥルガー。指数動向から小回りへの適性が高く、前走の紫苑Sでは2着ながらも、勝ち馬を凌ぐ｢105｣をマークしている。桜花賞のマルセリーナが｢102｣、オークスのエリンコートが｢99｣、スローだったとは言えローズSのホエールキャプチャが｢97｣という指数からも、紫苑Sの指数的な評価は十分に可能だ。指数的に王道路線組が抜けているわけではないだけに、相手も王道路線から外れていた馬を絡めたい。

１番：脚長で、距離は大丈夫。
４番：素晴らしいデキ。ただ、馬場は少し微妙。
９番：前走より絞れた。
12番：腰の張り増したし、良いデキ。勝ち負け。
15番：グンと上向いた。これなら好勝負。
18番：絞れたし、動ける態勢。枠順だけ。

【スケール勝負】牝馬三冠最後の秋華賞は、アヴェンチュラが射止める。
遡れば、2歳9月の札幌2歳Sを、最速の上がりで堂々2着した、半姉にオークス馬トールポピーの名も連なる血統馬。
確かに昨年の札幌2歳Sは、父ジャングルポケットやロジユニヴァースのような、記録的価値はない。
しかし、牡馬混合の中距離ベースの重賞で、勝ち負けした牝馬は、いつの時代も大事。
脚元と相談の一族ゆえ、時にガタも来るし、春シーズンは、阪神JF4着で幕を閉じたが、順調に事が運んでいれば、例えばレーヴィディソールは桜花賞。
アヴェンチュラはオークスで勝ち負け。
3歳世代の頂点で、鎬を削った可能性が高い。
阪神JFで462キロに細化した馬体も、復帰緒戦の漁火Sが490キロでの完勝。
前回のクイーンSは、一旦外から被される苦しい展開をハネ返し、並みいる古馬牝馬を一蹴。
パワーを要する札幌の洋芝を、1000m通過・58秒4という平均ラップの上にたち、レコードに0秒2差の1分46秒6。
通過ラップから逆算すると、スタート後の1F以外は、すべて11秒台で走破。
上がりのみに比重の高いローズSより、時計やラップの強靭さは一枚上だ。
札幌から栗東、そして当日輸送が加わると、体重減も予想されるが、10キロ程度なら許容範囲。
牝馬限定の2000m重賞なら、スケールと存在感は一枚上とみた。
逆転があれば、ホエールキャプチャの瞬発力。
レーヴディソールやアヴェンチュラのリタイアにより、春二冠は人気という目に見えないプレッシャーも背負って戦ってきたが、前哨戦のローズSで桜花賞馬・オークス馬を完封。
スローの上がり勝負とはいえ、好位のポケットでレースを進め、ラスト3Fのレースラップは11秒2―10秒9―12秒0。
内回り2000mの秋華賞の立ち位置も確認できた。
久々を使われ、筋肉の張り、グリップ力も大幅に上昇。
馬体に力がみなぎっている。
課題はスタンド前発走だけ?桜花賞馬マルセリーナは、春と比べると若干腹回りにシャープさが欠ける。
その重さが、前回のローズSは、気負い気味や、詰めを甘くもしたか。
ただ、6着に失速はしたものの、鞍上の福永は、正攻法の好位からの競馬を試して、さてどうか。
微妙に伸びを欠いたことで逆に、腹は決まった。
桜同様、末脚勝負に徹すれば巻き返し十分。
マイネイサベルは、最速の上がりでローズSを2着。
正直、ツボにハマった――二番は利かないのではないかとも思ったが、前走後は栗東滞在。
馬体を維持できていれば、連下に押さえておかなくてはならない一頭。
紫苑Sはカルマートとデルマドゥルガーのマッチレースによるレコード決着。
9月の中山・紫苑Sは、毎年のように好タイムが続出。
時計を鵜呑みにはできないものの、ラップの内容や精度は、前年のディアアレトゥーサのレコードよりは、断然上だ。
ちなみに勝者カルマートは、タフな南W追いを中間3本以上消化。
まだオツリがあるし、アンカツも案外と色気?。
デルマドゥルガーも、春は直前輸送で馬体が減ってしまったが、早々に栗東入りして、10月5日にはCWで93秒5―63秒1―37秒4―12秒5の7F追いを敢行。
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【波乱含み】ホエールキャプチャを新女王に指名する。
前哨戦のローズSは好位追走から、末脚を伸ばして着差以上に強い内容。
中間も栗東で順調に調整されており、小回りの舞台にも対応できる器用さを備えている。
マルセリーナは桜花賞の勝ちっぷりが強烈だった。
ローズSは休み明けで掛かり気味だったが、前に壁を作って運べれば鋭い末脚を繰り出せるはず。
アヴェンチュラはクイーンSで古馬を撃破し重賞初制覇。
春は骨折で休養を余儀なくされたが、GI2勝馬トールポピーの全妹で素質は見劣らない。
オークス馬のエリンコートは、叩いて一変があるか。
マイネイサベル、カルマート、キョウワジャンヌを押さえる。

　◎アヴェンチュラは「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」という組み合わせ。



全兄フサイチホウオーはラジオNIKKEI杯2歳S(G3)など3つの重賞を制し、全姉トールポピーはオークス(G1)と阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の勝ち馬。ホーンビーム≒サンセット4×5が成功の鍵となっている。



　「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はニックスで、前出の兄姉のほかに、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンといった活躍馬が出ている。



　ジャングルポケット産駒だけにスパッと切れるタイプではなく、パワー兼備で持続力が身上だけに、淀みのない流れで展開する小回り戦がベスト。



　こうした条件で行われた前走のクイーンS(G3)では52キロの軽量とはいえ古馬の骨っぽいところを撃破した。似たようなレース設定で同世代が相手ならまず崩れないだろう。

　秋華賞が行なわれる京都芝2000mから注目の直結コースは、東京芝1600m、阪神芝1800m、東京芝2400m、東京芝1800m、阪神芝2000m。直結コースの激走馬は、同じ適性が要求される今走のコースに合うため、高い適性を活かして大駆けできる。



　◎エリンコートは、春に直結コースの阪神芝2000mで忘れな草賞、直結コースの東京芝2400mでオークスを制した。新馬や500万を勝ち上がるのに時間を要したように、叩いた方が力を発揮するタイプ。前走を使って変わり身を見込めるうえに、前走の敗戦で人気を落とすなら配当的に妙味がある。



　○ホエールキャプチャは、春に直結コースの東京マイルでクイーンCを勝ち、前走は直結コースの阪神芝1800mにてローズSを制した。昨年の秋華賞を6人気2着のアニメイトバイオは、ローズS1着からのローテで秋華賞の穴になった。今年のローズS勝ち馬は人気になりそうだが、直結コースの重賞馬ということで高評価となる。



　そして穴馬として、次の3頭に注目する。



　△マイネイサベルは、直結コースのクイーンCでホエールキャプチャの2着、そして直結コースのローズSもホエールキャプチャの2着になった。直結コースの2つの重賞で同じ馬の2着になり、人気のホエールキャプチャが勝ち負けするなら、この馬も一緒に馬券になる可能性あり。



　△アカンサスは、直結コースの東京芝1800mでスイートピーSを勝っている。前走は直結コースではないので、敗戦は気にならない。むしろ叩いたことによるプラス材料を期待して、大駆けを警戒する。



　△デルマドゥルガーは、直結コースの東京マイル重賞でホエールキャプチャの3着がある。休養明けを叩いた前走で2着に前進して、今回も力を発揮できる。長く脚を使えるので、流れが速くなったときに馬券圏内に入ってこれる。

　いよいよ今週末は3歳牝馬の三冠最終戦、秋華賞。
　結局三冠すべてでレーヴディソールが不在だったのは残念ですが、桜花賞馬マルセリーナ、オークス馬エリンコートをはじめ春クラシック上位馬が揃い、激しいレースが期待されます。

秋華賞(G1・京都内10F)
2006：34.5-48.1-35.6=1:58.2(カワカミプリンセス)
2007：34.2-51.0-33.9=1:59.1(ダイワスカーレット)
2008：35.0-48.0-35.4=1:58.4(ブラックエンブレム)
2009：34.0-49.0-35.2=1:58.2(レッドディザイア)
2010：34.8-49.0-34.6=1:58.4(アパパネ)
※「テン3F-中盤4F-上がり3F」で表記、(　)内は勝ち馬。

　過去のラップを見ると、5回のうち4回が「テン3F34.0?35.0」、そして5回のうち4回が「中盤4F48.0?49.0」の範囲に収まっています。つまり、テンも中盤もほどよく速く、スピードと底力の両方が問われる、G1に相応しい流れになるレースと言っていいでしょう。

　特に中盤が際立って緩かった2007年を除くと、他の4回はオークス4着以内馬が必ず勝ってますし、春のうちにハイレベルの長距離戦で好走する底力があれば、やはり一歩も二歩もリードしていることになる、と考えていいでしょう。

　今年もオークスの上位7頭が出走しているので、この組が有利ですが…しかし、秋初戦のトライアルがかなり特殊な結果なので、判断が難しい状況になっています。

ローズS(G2・阪神9F)：36.7-37.3-34.1=1:48.1(ホエールキャプチャ)
　※「テン3F-中盤3F-上がり3F」で表記、(　)内は勝ち馬。
紫苑S(OP・中山10F)：34.6-48.4-35.2=1:58.2(カルマート)
　※「テン3F-中盤4F-上がり3F」で表記、(　)内は勝ち馬。

　ローズSは過去例がないくらいの超スローで時計もかなり遅い決着になり、逆に紫苑Sは淀みない流れで、特に中盤が速いハイレベル戦でのレコード決着でした。前者は春クラシックを制したマルセリーナ、エリンコートが掲示板すら外しているし、特に後者はオークス上位馬が軒並み完敗。逆に春クラシック完敗馬が巻き返しています。

　これが前述の「判断が難しい」という根拠ですが、シンプルに考えてみます。すなわち、基本的な底力はオークスのものを信頼、ローズSは順調度を示す指標、紫苑Sはスピードと底力の成長を示す補完要素、と捉えてみましょう。

　オークス上位で順調なのはホエールキャプチャ、マイネイサベル。順調度や成長は疑問でも、オークスの底力は無視できないのがエリンコート、ピュアブリーゼ、スピードリッパー。そしてオークス大敗も補完要素が最も大きいのがカルマート。これらをマークしておきます。

　そして「オークス上位かつ成長も示した」馬がいないので、古馬相手に上級条件で好走した馬＝アヴェンチュラには印が必要です。

●注目馬＝ホエールキャプチャ・マイネイサベル(オークス上位でトライアル順調)、エリンコート・ピュアブリーゼ・スピードリッパー(オークスは正攻法で上位)、カルマート(ハイレベルの紫苑S勝ち)、アヴェンチュラ(古馬相手に重賞勝ち)。