ニホンピロウイナーは母父に入るとナスキロ柔さとハイインロー的粘りを伝えるので、ニホンピロレガーロやエアガッツやエフティマイアなど、快速マイラーというよりはちょっとダラッとした脚質の中距離馬が出やすい。短距離女王フラワーパークも母としては、フィレンツェや先週デビュー戦を飾ったヴァンセンヌなど柔らかな中距離馬を出している。

　◎の父は豪リーディングサイアーのリダウツチョイスだが、サーゲイロードのクロスの影響でデインヒルを柔らかくしたような体型と走りをするし、スピードの乗りをみてもスプリンターには見えないと書いてきた。

　母系にオリオールの血を引くせいかハナを切れないとモロい性格だが、逃げたときは4戦3勝でマーガレットSも春菜賞も直線後続を突き放す完勝で、この距離延長で先手がとれるようなら一変があるかも。

　◎オールザットジャズの調教タイプはトラックと坂路を馬なりで本数多く調教された乗込併用。これは角居勝彦厩舎の鉄板調教に該当するタイプです。最終追い切りは3頭併せの大外でしたが、持ったままの手応えで先着。とにかく具合が良く、それが最終追いの併せ馬に表れたと考えてよいでしょう。

　○クリアンサスは展開面を考慮しての印ですが、調教タイプが一杯平均トラック。最終追い切りはCWで止まり気味でしたが、それでも一杯に追われるハードな調教をこなしているだけに、逃げた時の渋太さがあります。

　初めて併用調教で仕上げてきた▲アニメイトバイオ、最終追い切りで速い時計をマークしたように絶好調な△アスカトップレディ、フィリーズRを2着した時と同じ乗込併用で仕上がった☆スピードリッパーまで。

1.ラブフール
今回:標準坂路
前回:馬ナリ平均坂路

2.コスモネモシン
今回:馬ナリ平均トラック
前回:標準トラック

3.オールザットジャズ
今回:乗込併用
前回:標準併用

4.エスカナール
今回:乗込坂路主体
前回:標準トラック

5.トウカイライフ
今回:標準坂路主体
前回:標準少め坂路

6.カルマート
今回:標準多め併用
前回:標準少めトラック

7.アニメイトバイオ
今回:標準多め併用
前回:標準トラック

8.トゥニーポート
今回:標準少め坂路
前回:急仕上げ坂路

9.メーヴェ
今回:標準トラック
前回:標準トラック

10.アカンサス
今回:馬ナリ平均坂路
前回:馬ナリ平均坂路

11.ビッグスマイル
今回:一杯平均坂路主体
前回:標準坂路

12.ニシノステディー
今回:標準併用
前回:スパルタ併用

13.クリアンサス
今回:一杯平均トラック
前回:標準併用

14.マイネイサベル
今回:標準トラック
前回:標準少めトラック

15.アスカトップレディ
今回:標準坂路
前回:標準多め坂路

16.スピードリッパー
今回:乗込併用
前回:馬ナリ平均坂路

　今週からBコースに替わる福島・芝だが、久々の開催ながらパワー指向の馬場であることが特徴的だけに、指数的には軽快なスピード型よりもスタミナ指向のタイプを狙いたい。

　本命はエスカナール。格上挑戦で、しかも準OPの近2走で大敗と、戦績的には勢いがないのだが、指数動向を見る限り、今の福島だから狙いたい要素はある。昨秋の新潟は福島の代替開催で、夏の新潟とは一変して馬場状態が悪く、北海道の洋芝やダート経験馬などスタミナタイプの激走が目立ったのだが、その新潟2000mで500万戦ながら、前傾ラップを前で押し切って｢103｣の最高指数をマークしているのは見逃せない。

　逃げを示唆している馬がいて、番手で嵌りそうなメンバー構成だけに、持久力が求められる流れでの一変に期待してみたい。

【ヒロイン登場】オールザットジャズが、重賞舞台の主役に立つ。三走前の境港特別を、33秒9の末脚で一気差しを決めたあたりから馬が激変。それ以前は輸送に気をつかい、中央場所の坂越えなどの課題もあったが、阪神・京都コースで連勝。不良馬場の中山牝馬Sを、ずばりと馬群を割って2着した前走のレース内容に目下の充実振りが集約している。しっとりとして濡れたような光沢を放つ皮膚が、状態のよさも物語っている。当面の敵は、中山牝馬S4着馬マイネイサベル。前回は馬場コンディションを見越し、早めに動いたぶん、他馬の目標となってしまったが、ローズSの上がり33秒3の瞬発力が示すように、本来は良馬場の決め手勝負でこその切れ者だ。コスモネモシンは、牝馬重賞の掲示板の常連。平均以上のペースでレースが流れてくれれば差し切り勝ちもあるが、この中間、調教で馬場入りをゴネ、気難しさを出している点が気がかり(京都牝馬Sを凡走したときも、稽古でゴネていた)。惑星はアカンサス。秋華賞4着で、牝馬シーンの立ち位置を確認。前走はあいにくの道悪競馬で決め手を削がれたが、瞬発力勝負なら巻き返し十分。アスカトップレディは、福島2000mに1分58秒8という快時計あり。完調なら本命に推してもいい馬だが今回はいくぶん攻めが不足気味だ。ビッグスマイルも、季節的なものか。馬体に本来の張りがなくレース内容も今一つピッチが上がってこない。今回は連下にとどめた。

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【三つ巴】オールザットジャズは前走の内容が優秀。コース適性もありそうで、中心視するのが妥当だろう。アスカトップレディはひと息入ったが仕上がり良好で、逆転の可能性も考えられそう。アカンサスは前走が度外視可能で、改めて注目が必要だ。差し脚鋭いビッグスマイルが惑星的存在。堅実に差すマイネイサベルにもマークしておきたい。ラブフールは格上挑戦も、前崩れの流れなら台頭できる余地がある。

　◎アカンサスは「フジキセキ×アンブライドルズソング」という組み合わせ。ミルレーサー≒ガナファシル2×4というユニークな配合パターンを持ち、オークス7着、秋華賞4着という成績からも、G3あたりなら勝ち負けに持ち込める能力を持っている。前走の中山牝馬S(8着)は終始インに押し込められて競馬をしていない。フジキセキ産駒は芝1800mの牝馬限定重賞で過去5勝と実績があり、うち2勝は福島牝馬S(オースミコスモ、メイショウオスカル)なのでこの舞台はきわめて相性がいい。アカンサス自身、中山コースで好成績を挙げているので、同じく小回りである福島コースへの適性は高いだろう。