◎はシャドウゲイトと血脈構成が重なる部分が多く、「サンデー×リファール×ハイインロー」の配合形だから前受けでしぶとい脚質でベストは1800-2000mか。

　朝日杯は内枠の馬がインから抜け出して1、2着したなか、大外枠でスタートも速くなく、終始外々を回らされながらジワジワ追い込んだ内容は悪くなかった。脚長で動きが緩慢なところがあるから外回りコースのほうが競馬はしやすいだろうし、あとはスタートを決めて好位で流れに乗れれば、1600mは少し忙しくても地力でねじ伏せられる相手関係ではあると思う。

　◎ネオヴァンクルを選んだ理由は週明けコラムにも記した「1回2回阪神開催限定の芝1600m」における音無秀孝厩舎の成績です。競馬王3月号にも記しましたが、13回の出走機会で11回の複勝圏内。圏外となった2回も4着とほぼ複勝率100%と言える数字を残しています。

　ただ単純に出走しているというだけではなく「坂路追い」「単走もしくは併せ馬なら先着」という最終追い切りの条件をクリアする必要はありました。そこも問題なく、坂路で追われてミッキークリスエスを追走して先着するという見事な内容。おまけにラスト1Fが最速になるラップを踏めており、スローペースの瞬発力勝負になっても脚を使える下地を最終追いでつくってくれました。

　こうなれば「軸1頭相手7頭」の3連馬券が発動。問題は相手ですが、坂路で本数多く調教されている○ジャスタウェイは勝っても不思議ない調教内容。競馬王本誌にも掲載した阪神芝1600m成績上位、藤原英昭厩舎の▲アルキメデスは標準多め併用と自身の調教タイプも文句なし。矢作芳人厩舎の☆ダイワマッジョーレは標準坂路でこちらも圏内。

　最終追い切り場所は坂路だった△ローレルブレット、△ダローネガに、阪神芝1600mに調教適性ある併用の△オリービン、△ブライトラインまで押さえれば十分でしょう。

1.ワイドバッハ
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

2.オリービン
今回：標準併用
前回：乗込坂路

3.アルキメデス
今回：標準多め併用
前回：標準併用

4.カイルアロマンス
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

5.チャンピオンヤマト
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック主体

6.ダイワマッジョーレ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

7.ブライトライン
今回：標準併用
前回：標準多め坂路

8.ローレルブレット
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路主体

9.ダローネガ
今回：標準坂路
前回：標準坂路主体

10.ヴィンテージイヤー
今回：馬ナリ平均トラック
前回：一杯平均トラック

11.ネオヴァンクル
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

12.ヴェアデイロス
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路主体

13.ジャスタウェイ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

2番：好仕上がり。勝ち負け。
9番：マズマズの仕上がり。素材は上位。
10番：馬体目立つ。芝もこの馬場ならこなせそう。
13番：仕上がり良い。腰も安定。

【マイルで一変】マイルなら、ブライトラインで勝負になる。2000mのラジオNIKKEI杯・京成杯は、中途半端な先行策で、末脚の繰り出しどころを見失ってしまったが、2歳10月・急坂の中山1600mを、上がり34秒4で登板。同日の芙蓉Sより、精度の高いラップと時計をマークしている。父はフジキセキ、母の姉はフェアリーS・クリスタルCなど、短距離重賞2勝のサーガノヴェル。スピード色の濃い血統背景に加え、最終追い切りは主戦の安藤勝騎手が跨り、タフな栗東CWで6ハロン追いを敢行。渾身の仕上げで、マイルのアーリントンC制覇に臨む。対抗にはアルキメデスを抜擢。前走のきさらぎ賞は、この厳冬期に、なんと発汗。スタート直後前をカットされ、馬がパニックになり9着に失速してしまったが、新馬戦で10秒台のラップを含む、上がり33秒9を計時した切れ者。血統的にも距離短縮のマイルで大変身の可能性を秘めている。新味は乏しいものの、実績ならデイリー杯2着馬ダローネガ。朝日杯FSは中山マイルの大外に泣き5着と詰め切れなかったが、このメンバーなら好勝負。新潟2歳S2着のジャスタウェイも、東スポ杯4着、きさらぎ賞4着に奮闘。上がり目はないものの、格と実績は一枚上だ。きさらぎ賞5着のローレルブレットは、当該マイルの千両賞を1分34秒7で快勝。オリービンも暮れの阪神マイルで2勝目をゲット。コース適性を活かし上位争いに虎視眈々。

　新コースになった2007年以降、アーリントンCは先行タイプ有利のレースになっている。07年は人気上位馬がいずれも前にいて本命決着。08年は5番人気ダンツキッスイが逃げ切り。09年は2、3番手にいた6、12番人気馬がワンツー。10年は5番人気コスモセンサーが逃げ切り。そして昨年は道中4番手の11番人気キョウエイバサラが2着。3着は逃げたテイエムオオタカだった。

　問題はどうやって今回前に行く馬を見つけるかだが、ここまでは前走の位置取りが比較的ヒントとして機能している。また、前走マイル組は2、3着が多いものの勝ち切れておらず、1400m組(前走ダートも含む)は21頭いて4勝・2着3着なしと極端な結果。アタマ付けで勝負したいか馬連・3連複を買うかで取捨は変わってきそうだ。

　私は前走ダート1400mで3番手のワイドバッハから手広く行ってみる。

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【伏兵注意】ダローネガは朝日杯FSで不利な大外枠から掲示板を確保。2戦2勝の阪神で巻き返す。ジャスタウェイはマイルの新潟2歳Sでダローネガに先着しての2着。この距離なら切れ味が増しそうだ。ローレルブレットも距離短縮を歓迎。オリービンの前走は7着だが上がり3ハロンはメンバー最速をマーク。アルキメデス、ダイワマッジョーレ、ブライトラインを押さえる。

　◎ダローネガは「ダイワメジャー×ホワイトマズル」という組み合わせ。これはフェアリーS（G3）を勝ったトーセンベニザクラや同レース3着のダイワミストレスと同じ。父ダイワメジャーはホワイトマズルに含まれるドローンとニックスの関係にあるので配合的に高く評価できる。前走の朝日杯フューチュリティS(G1)は不利な大外枠から終始外を回らされる競馬で5着。負けたとはいえ強い内容だった。今回は過去2戦2勝の阪神コース。連軸として信頼できる。