イチオクノホシは母にフレンチなナスキロ斬れが満載で脚長で柔らかく斬れるから、兄ハーバーコマンド同様東京や外回りでこその馬だろう。となるとファンタジーの1-3着馬が上位だが、あの日は外伸び馬場で○に展開が向いたし、▲は引っかかり気味でもあった。阪神内1400mなら互角で展開一つ立ち回り一つ。

　◎は母がザミンストレル≒ファンフリルーシュ3×4などカナダ血脈のパワーが満載で、全姉イングリッドもそうだがディープ産駒にしてはパワーで加速する小脚タイプで1400mなら京都外より阪神内がベター。鞍上も手の内に入れているしここは○に雪辱のチャンス。▲も母のスプリンター資質が強く出ていてベストは1400mで、函館2歳では○を問題にしなかったようにスピード能力ではむしろ上だ。

　ガチンコ対決で敗れたジョワドヴィーヴルを意識したのか？　すでに桜花賞へ向けて賞金が足りているアイムユーズやイチオクノホシが今回をトライアルとせず、着実な賞金加算のローテーションで挑みます。アイムユアーズはデビュー戦はそれほど褒められた内容ではありませんでしたが、その後着実に成長し、秋になって物凄い成長力を見せました。特にこれまでハイペースを差して結果を出していた馬が、前走の阪神ジュベナイルFでは好位からの競馬で2着と結果を出したことは今後に向けての大きな収穫でした。

　また、イチオクノホシは新馬戦やサフラン賞で豪快な追い込みを決め、もともと高い素質を見せていた馬ですが、前々走の阪神ジュベナイルFではインに閉じ込められて直線で仕掛けが遅れながらもアイムユアーズと0,1秒差の4着にがんばりました。直線で前が壁になるようなことがなければ2着があったレース内容だったことから、アイムユーズと能力比較で見劣らない存在と言えるでしょう。

　しかし、この2頭の甲乙はつけ難いものがあります。また、休養明けのアイムユアーズが力を出し切るには息が入れられるゆったりしたペースを、大外枠に入ったイチオクノホシが力を出し切るには極端にコースロスが強いられない厳しいペースが求められます。つまり、展開的にこの2頭が同居する可能性は低いということです。

　そこで今回は3着、運が良ければ3着に来れそうな第三候補のプレノタートを◎とします。同馬は阪神ジュベナイルFでは出負けして外を回らされたこともあり7着に敗れました。しかし着差はアイムユアーズと0.2秒差、イチオクノホシとは0.2秒差です。

　また、前走のクイーンCではインコースを通ったエクセラントカーヴが6番人気で3着、エミーズパラダイスが11番人気で5着に好走し、土曜日のアネモネSでは8着、12着と敗れたように、明らかにロスなく立ち回った内有利のレースでした。そのような展開の中で終始外々を回る競馬で、唯一掲示板入りを果たし、2着イチオクノホシと0.4秒差の4着だったことは十分褒められます。

　○はアイムユアーズ。▲はイチオクノホシ。アイムユアーズは中間の調教がとっても良かったです。イチオクノホシは乗り難しい大外枠ですが、能力を信頼します。

　グレード制開始の84(S59)年以降から、「消える馬」をチェック。

■アイラブリリ…キャリア5戦以上で、前3走ともOP・重賞以外戦を使用し、前走(2か月以上休養あけ戦を除く)2月以降の1800m未満条件戦敗退もしくはVも1馬身差未満の辛勝馬は[0-0-0-26]。

■エイシンキンチェム…前3走とも着外(4着以下)馬は[0-0-0-36]。

■コスモルーシー…キャリア3戦以上で、前3走内にOP・重賞戦3着内好走歴がなく、前2走内に非重賞芝の良馬場で10着以下かつ1秒以上大敗ある馬は[0-0-0-19]。

■サクセスセレーネ…年明け3戦以上消化し、前走1800m未満の条件戦敗退馬は[0-0-0-24]。

■サトノジョリー…芝連対歴のない馬で、前走ダート戦敗退もしくはVも3馬身以上圧勝できなかった馬は[0-0-0-53]。

■ダームドゥラック…前2走ともG1以外の1800m未満戦を使用し、ともに着外(4着以下)かつ0秒6以上敗退馬は[0-0-0-43]。

■ビウイッチアス…キャリア4戦以上で、前3走とも1800m未満の非重賞戦を使用して1着がなかった馬は[0-0-0-21]。

■ファインチョイス…前走重賞戦6番人気以下かつ0秒8以上敗退馬は[0-0-1-30]。

■レッドクラウディア…前3走ともダート戦を使用し、前走敗退もしくはVも1馬身差未満の辛勝馬は[0-0-0-27]。

■レディーメグネイト…前2走が「前々走0秒6以上敗退→前走(2カ月休養明け戦を除く)1800m未満戦1秒以上大敗」だった馬は[0-0-0-36]。

■前走G3クイーンC使用馬…該当馬は[5-1-4-41]。このうち、

(a)前々走1400m以上の芝OP戦1着・重賞戦連対のないクイーンC0秒4以上敗退馬
(b)前々走芝1200m使用して1分09秒5・芝1400m使用して1分23秒5を切っていない馬
(c)前2走とも芝1600m使用して1分35秒5を切っていないクイーンC連対外馬
(d)前々走ダート戦使用馬
(e)4着以下の着外が4回以上あった馬

以上の5項目クリア馬は[5-1-0-0]。
イチオクノホシ浮上、プレタノート脱落。

4番：キッチリ仕上がる。
7番：トモ良くなった。
8番：まだ絞れるが、マズマズ。
16番：完調ではないが、能力は出せる。

【アイム関東のエース】アイムユアーズは、GIIIのファンタジーSを1分21秒3で快勝、阪神JF2着。桜花賞の有力候補の一頭だ。前哨戦は、チューリップ賞ではなくフィリーズレビューをチョイス。ジョワドヴィーヴルとの対決を避けた形になるが、ベストは1400m。GIIのフィリーズレビューのほうが、実は賞金はグンと高かったりする(名よりは実?)。関西遠征に向け、一週前の追い切りでは、朝日杯FS馬と併せ馬を敢行。直前は息遣いを確認しながらの微調整。出走態勢は、ファンタジーSと同じ。変な馬体減りさえなければ、順当に勝機。イチオクノホシは、マイルでは、どう工夫しても、前回のクイーンCがいっぱいいっぱい。ただ、1400mに替われば、サフラン賞の上がり33秒4という数字が意味をもってくる。アンチュラスも、マイルは1ハロンが長いか。ファンタジーS2着の一瞬の切れを再考。一発あれば、プレノタート。三走前の1分21秒6は、同日のファンタジーSと0秒3だった。モツれてファインチョイス、ラシンティランテの流れ込み。

　この時期までの牝馬重賞は、結局阪神JFに出ていた馬、特に好走していた馬が強かったという結果になることが多い。その昔、フェアリーSが年末、かつ阪神JFから中2週だった頃などはその典型であった。そしてフィリーズレビューにおいても、阪神JF組は強い。例年だとエルフィンS組、特になぜか負け組が激走するというケースもあるのだが、今年はエルフィンS組が不在。人気でも阪神JF組から入るしかない。

　◎はアイムユアーズ。○イチオクノホシと人気を分け合う形になるが、枠順を考えるとこちらのほうが無難。また、距離短縮もプラスになる。外回り1600mと内回り1400mでは後者のほうが道中の流れが厳しくなり、上がりが速くはなりにくい。切れ味不足の血統だけにむしろ前走の好走が驚くべきことだ。

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【波乱含み】アイムユアーズは昨年のファンタジーS勝ち馬で、GI・阪神JFでも2着と健闘。デビュー以来4着以下なしと安定しており、久々でも格好を付けるはず。関東馬のイチオクノホシはクイーンC2着後、栗東で調整し仕上がり良好。ファインチョイスは函館2歳S勝ちの実績馬。折り合えばマイルも守備範囲だ。アンチュラスはベストの1400メートルで要注意。ラシンティランテ、コスモルーシー、プレノタートを押さえる。

　◎アイムユアーズは「ファルブラヴ×エルコンドルパサー」という組み合わせで、近親にエアグルーヴやルーラーシップなど多数の活躍馬がいる名牝系に属している。フェアリーキング＝サドラーズウェルズ2×4(あるいはファルブラヴ≒サドラーズギャル1×3)は力強く、パワーが必要な現在の阪神芝コースにも対応できるはず。久々だが稽古ではシャープな脚さばきを見せており、仕上がり関しての不安はない。能力を発揮できれば順当に勝ち負けになるだろう。