･前走2着以下だった7歳以上馬
※東京過去10年[0-0-3-33]
●2012年該当馬→セレスハント(10着)、ダイショウジェット(11着)、フェラーリピサ(15着)
○2013年該当馬→セイクリムズン、ダノンカモン、トシキャンディ、テスタマッタ、ケイアイテンジン、ヒラボクワイルド、ダイショウジェット

･前走で地方競馬のレースに出走していた馬
※東京過去10年[0-0-2-22]
●2012年該当馬→テスタマッタ(3着)、セイクリムズン(6着)、ダイショウジェット(11着)
○2013年該当馬→セイクリムズン、タイセイレジェンド、テスタマッタ、ダイショウジェット

･前走、重賞以外に3番人気以下で出走して2着以下だった馬
※東京過去10年[0-0-2-30]
●2012年該当馬→ブライトアイザック(7着)、ゼンノベラーノ(13着)、オオトリオウジャ(14着)、エベレストオー(中止)
○2013年該当馬→ストローハット、トウショウカズン、スティールパス、ケイアイテンジン、ヒラボクワイルド

2012年残った馬→シルクフォーチュン、トウショウカズン、タイセイレジェンド、ダノンカモン、サクラシャイニー、ティアップワイルド、ヒラボクワイルド

【2012年結果】
1着：シルクフォーチュン(○)
2着：トウショウカズン(○)
3着：テスタマッタ(×)

2013年残った馬→エーシンウェズン、ガンジス、メイショウマシュウ、メイショウツチヤマ、アーリーデイズ

2013年上半期[星取り表]：●◎●

須田：1番人気から4番人気の4頭を指名して、結果はタテ目でハズレ。きわめてしょっぱい結果になってしまったAJCCですが……井崎センセイ、敗戦のコメントをどうぞ。

井崎：ウン、残した馬のラインナップが、さすがに人気サイドへと偏りすぎたよな。堅く当てに行ってハズレってのがいちばんみっともないわけでさ、そこが反省材料だねえ。

須田：それがあってのことなんでしょうか、今週は5頭残しで、しかも人気上位馬をかなり消したラインナップ。トリガミは気にしなくて良さそうですが……これはこれで！

井崎：ウン、須田クンはどっちにせよ不安がるんだと思うよ。コレを一緒に長年やってるけど、全面的に肯定してくれた記憶なんて、数えるほどしかないもんなあ。

須田：それは単に、ボクが“ツッコミ”としての責任を果たしてるダケですよ。そうでもなければ、このコラムも今頃はケントク買い中心になっていたんじゃないかと(笑)。

井崎：タイトルも「サインで読み解く今週の重賞」とかな(笑)。いまだに、たまにはそういう攻め方をする週もあっていいと思ってるんだが……あ、話が脱線してるね。

須田：ええ、根岸Sの話に戻しましょう。消去ネタの内容を確認すると、筆頭が7歳以上馬の削除ネタですよね。ダノンカモンやテスタマッタ、消しちゃって大丈夫ですか？

井崎：いや、能力も東京適性も証明済みなんだから、そりゃ怖いよ。下手すると、この消去ネタで消した馬が上位独占って結果もありそうだもんなあ。

須田：それに、2番目の前走地方出走馬を消すネタの該当馬もタイセイレジェンドやセイクリムズンなど、けっこう骨っぽい印象。確かに信頼度は低めですが、怖いですねえ。

井崎：でも、人気馬をバッサリ切り捨てられるネタのほうが、当然バリューはあるわけでさ。先週の反省を踏まえた上で、できるだけ攻めていこうと思ったワケだよ。

須田：おお、なんか久々に、井崎センセイがまともなことを言ってる気がしますよ……。だからといって、今週が期待できるかといえば、それはまた別の話なんですけどねえ。

井崎：うん、正直なところあまり自信はないもんな。ただ、人気馬がけっこう消えているなか、ちゃんと残ったガンジスは偉いよね。これは信頼してしかるべきだと思うぞ。

須田：じゃあ、いっそのことガンジスから流しますか？　まさかのタテ目で決まると、立ち直れないくらいのダメージを食らうと思いますが(笑)。

井崎：ボックスでトリガミを気にする必要がない週に、あえて軸取りはしないだろ。またそうやって人を罠にはめようとするんだから……いやホント、須田クンは怖いよ！

須田：……怖いついでに、今年から回収率を明記するシステムに変更しましょうか？

井崎：須田クンって本当に優しい！　というわけで、あんまり自信はないんだけど、意外に悪くない結果になりそうな予感もアリ。どういう結果が出るか、楽しみだねえ。

　日曜日のメインは、G3の根岸Sです。フェブラリーSの前哨戦として非常に注目の一戦です。

　本命は1番のエーシンウェズンです。ダート1400mは過去5戦4勝3着1回と相性がいいですし、同コースのオープンレース（霜月S）も勝っています。調教もよかったと思います。

　対抗は7番のメイショウマシュウです。前回の同コースでのレース（神無月S）は、長期休み明けの影響からかいいところなく終わりましたが、その後の近3走は、上り最速を記録しています。今回は直線の長い東京ですので、同様の足が今回も使えれば馬券に絡んでくると思います。

　3番手は5番のガンジスです。特にマイナス材料は見当たらないですが、これまでの勢いが今回も続くか少し不安も残ります。ここで勝ったらフェブラリーSの有力馬となるでしょう。

　押さえてとしては、堅実性のあると8番のトウショウカズンと、大穴ですが一発を期待して13番のアーリーデイズを推します。

東大ホースメンクラブ　コイキング

　東京ダート1400mで行われた根岸Sは9年続いていますが、その間に優勝した美浦所属馬はワイルドワンダー(2008年)の1頭だけ。40頭近くの出走がありながら、美浦所属馬が苦戦するのは、この条件が「タフな調教」の必要な舞台だからでしょう。

　もちろん栗東所属馬であれば、タフな調教を行っているとは限りません。その中でも「坂路で本数多く」の調教を行っている馬の成績が優秀なのです。その数字は[2-2-3-15]で単勝回収率320%、複勝回収率153%の良績を残しています。

　この調教タイプの出走機会があったのは、過去9年で6年ありましたが、その中で馬券対象にならなかったのは2011年のみ。それ以外はすべて3着以内に入る、調教適性の高さを見せています。今年は該当馬が4頭いますが、その中から◎エーシンウェズンを選択したのは、この馬の調教内容が本当にタフだからです。

　2013年になって、すぐに坂路で4F53秒台をマーク。それから毎週1本のペースで速い時計を出しています。最終追い切りは少し軽くなるのかと思いきや、超極悪馬場を4F52.4秒で一番時計。その翌日、翌々日はゲート練習をするなど「やれるだけのことをやる」といった感じ。野中賢二調教師も「勝たなければ、フェブラリーSがないから」とハードトレの意図を説明。これだけ攻められても、馬自身は意外と落ち着いており、疲れなどは一切ないと判断しています。

　他の標準多め坂路系統は調教内容に疑問が残る点もあったので、2番手に抜擢したのは○ケイアイテンジン。二桁着順が続いた頃には「年齢的なものか」と思っていましたが、前走で鮮やかな追い込みを披露。その調教内容は惨敗時と違っており、すばるS(2012年)を勝った時と同じものでした。今回の調教内容も前走と同じ。ならば再び豪脚を炸裂させる可能性があると予想しました。

　△ガンジス、△トウショウカズン、△テスタマッタ、△タイセイレジェンド、△ダノンカモンは大きく減点もなければ、逆に大きな加点もないのでこの評価。☆ダイショウジェットは20走前ポラリスS1着時と同じ調教内容が不気味です。

1.エーシンウェズン
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

2.セイクリムズン
今回：標準多め坂路
前回：地方

3.ダノンカモン
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

4.タイセイレジェンド
今回：標準少め併用
前回：地方

5.ガンジス
今回：標準坂路
前回：標準坂路

6.ストローハット
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準多め併用

7.メイショウマシュウ
今回：標準トラック
前回：標準トラック

8.トウショウカズン
今回：標準坂路
前回：標準坂路

9.トシキャンディ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

10.スティールパス
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

11.メイショウツチヤマ
今回：標準坂路主体
前回：標準坂路

12.テスタマッタ
今回：標準併用
前回：地方

13.アーリーデイズ
今回：標準少め坂路
前回：一杯平均坂路

14.ケイアイテンジン
今回：標準坂路
前回：一杯平均坂路

15.ヒラボクワイルド
今回：標準多めトラック
前回：標準トラック

16.ダイショウジェット
今回：標準トラック
前回：地方

　昨年まではあまりフェブラリーSへ繋がらないレースと謳われていましたが、昨年はこのレースの勝ち馬のシルクフォーチュンと3着馬テスタマッタがフェブラリーSでワン、ツーを決めました。

　根岸SはフェブラリーSの叩き台として使ってくる実力馬と、ダ1400mのスペシャリストが激突する舞台ですが、フェブラリーSの叩き台として使ってくる実力馬が上位入線すれば、王者不在の今年のフェブラリーSでも通用する可能性もあります。

　◎は昨年のユニコーンSの勝ち馬ストローハット。昨年のユニコーンSは巷で言われているほど、パワーポイント指数ではレベルが高くありませんでした。実際に昨年のユニコーンS組はその後苦戦し、伸び悩んでいる馬が多いです。

　しかし、ストローハットはデビューから芝路線を走り、ダート転向2戦目のユニコーンSを勝利しました。よって他のユニコーンS組の馬とは能力の天井が違う可能性が高いです。今期初戦の武蔵野Sでは出遅れながらも5着。次走ギャラクシーSでは武蔵野Sがやや急仕上げ気味だったために疲れが出てしまったようですが、今回は疲れも抜けて良いコンディションです。素質の高さに期待します。

　○は前々走の武蔵野Sで2着、前走のギャラクシーSを完勝したように充実一途のガンジス。安定感も高く、上位入線する可能性はとても高い馬です。

　▲は昨年のさきたま杯を圧勝、一昨年の根岸Sを好指数で快勝し、次走のフェブラリーSでは2番人気に推されたほどの実績馬セイクリムズン。今期は不甲斐ない成績が続いていますが、もともと強い馬が条件揃って激走するのが競馬の最大の穴パターンだけに復活に期待してみたいところです。

　指数的にはテスタマッタ、ダノンカモンの2強だが、前者が休み明けの59キロで、後者は56キロの斤量有利も、近走の指数が低調傾向。人気を背負っているメンバーの持ち指数が高くない現状だけに、スティールパスで一発を狙ってみたい。

　休み明けの前走はOP特別で11着に惨敗しているが、東京ダ1400mでは準OPで｢119｣の指数をマークしており、実は今回のメンバーにおける近1年の指数では上から数えられる存在。折り合いに難があるタイプだが、自身の内2頭が先行脚質だけに、前を壁にして脚を溜められればチャンスありと読む。

【混戦】エーシンウェズンはここにきて本格化。前走内容も上々で東京1400mもベストの条件。タイセイレジェンドは前走快勝。スムーズに先手なら59kgでも好勝負必至。地力強化中のガンジスも差はなく争覇圏。底力あるテスタマッタは一息入れたが雰囲気良好。ダノンカモンは距離短縮に期待。ストローハットも素質十分で、高齢も元気いっぱいのダイショウジェットにも要警戒。

【チョイ荒れ】3歳時は、後肢の送りがバラバラ。正直、これでよく走れるものだと思っていたガンジスだが、見るたび走るたび、トモと歩様がしっかりとし、1Fが長いGIIIの武蔵野S2着を含め、前4走で3勝・2着1回。ここにきての充実振りには目を見張る。前走のギャラクシーSは、好発を決め、前後左右の脚色や仕掛けのタイミングに合わせながら、余裕をもっての楽勝。着差はクビだが、どこまで行っても抜かせない横綱相撲だった。しがらぎでリフレッシュし、中4週というローテーション、調教過程も、精査した感じでは近走と同様。1勝・2着2回の東京、斤量は55キロ。初重賞制覇が視界に入ってきた。エーシンウェズンも同じような上昇カーブを描いている。カペラSは、馬群の真っただ中を割り、迫力満点に、あのシルクフォーチュンに0秒1差と肉薄。蛯名も、これはという手ごたえをつかんだに違いない。1400ダートは4勝・3着1回。同じ東京の霜月Sでは、出遅れをものともせず後続に0秒差の楽勝を演じている。ギャラクシーSで本命馬にクビ差に粘ったトウショウカズンは、昨年の根岸Sの2着馬。地方交流重賞やOP特別など、6勝を挙げてきた、いわゆる7ハロンダートのスペシャリスト。先行押し切り型のルメールとも、イメージがあっている。ダノンカモンは逆に、ひとクセある馬だけに、ビュイックのテン乗りが微妙。ただ、根岸Sは一昨年2着、昨年は0秒3差の5着と、差はわずか。ストローハットは、前走のギャラクシーSは内か外か。コース選択に躊躇したぶんの5着。田辺なら思い切ってくる。メイショウマシュウも、ギャラクシーSの上がりは最速。展開やペース次第では上位に迫る内容だった。

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　◎エーシンウェズンは「トリッピ×アワエンブレム」という組み合わせ。根岸Sはミスタープロスペクターと相性がいいので、ミスタープロスペクター4×3のこの馬は合うだろう。リボー系のトムロルフ5×6が底力の担保となっている。前走のカペラS（G3・中山ダ1200m）は出負けしたにもかかわらず1200mと小回りコースにうまく対応した。530kg台の大型馬でフットワークが大きく、追って伸びるタイプなので中山よりも東京のほうが合う。前々走の霜月S（OP・ダ1400m）は3番手追走から上がり34秒7、ラスト2ハロンを11秒5?11秒5という鬼脚で楽々と抜け出してきた。この走りを再現できれば上位争いは堅い。