･前走、牝馬限定戦に5番人気以下で出走して、2着以下だった馬
※東京過去7年[0-0-0-36]
●2012年該当馬→キョウワジャンヌ（4着）、マイネイサベル（6着）、チャームポット（8着）、レディアルバローザ（9着）、エーシンハーバー（10着）、アニメイトバイオ（11着）
○2013年該当馬→ホエールキャプチャ、フミノイマージン

･芝G1勝ち馬をのぞく、馬番14番-18番に入った馬
※東京過去7年[0-1-1-27]
●2012年該当馬→ドナウブルー（2着）、エーシンハーバー（10着）、レインボーダリア（12着）、アスカトップレディ（14着）、オールザットジャズ（16着）
○2013年該当馬→アロマティコ、フミノイマージン、メーデイア、サウンドオブハート、エーシンメンフィス

･連闘-中2週で出走する馬
※東京過去7年[0-1-0-41]
●2012年該当馬→マイネイサベル（6着）、アニメイトバイオ（11着）、レインボーダリア（12着）、アスカトップレディ（14着）、オールザットジャズ（16着）
○2013年該当馬→マイネイサベル、オールザットジャズ、ザッハトルテ、ゴールデングローブ、レインボーダリア、アロマティコ、エーシンメンフィス

･前走1200m戦出走馬
※東京過去7年[0-0-0-3]
●2012年該当馬→グランプリエンゼル（17着）
○2013年該当馬→アドマイヤセプター

2012年残った馬→ホエールキャプチャ、マルセリーナ、アパパネ、クィーンズバーン、スプリングサンダー、フミノイマージン、アプリコットフィズ

【2012年結果】
1着：ホエールキャプチャ（○）
2着：ドナウブルー（×）
3着：マルセリーナ（○）

2013年残った馬→ジョワドヴィーヴル、ハナズゴール、ドナウブルー、アイムユアーズ、イチオクノホシ、ヴィルシーナ

2013年上半期[星取り表]：●◎●○○●◎●●◎●●●●△●◎●

須田：ほら、調子に乗るとすぐハズレる。しかも先週は、残した6頭がすべて4着以下となる「パーフェクトハズレ」ですよ。荒れたとはいえ、さすがにコレは……ねえ？

井崎：いや、ハズレのときは思いっきりハズレたほうがいいんだよ！　ハナ差で1着-3着になったハズレなんて、悔しい上に須田クンはまるで褒めてくれないし（笑）。

須田：いや、ソコソコ当たっている時期であれば、ちゃんと慰めたりしますって（笑）。誰よりも的中、または面白いハズレを期待しているワケですから！

井崎：……面白いハズレ云々についてはさておき、今週のヴィクトリアマイルはけっこう自信あるんだけどな。来ない馬の傾向がハッキリしてて狙いやすいというかさ。

須田：ほぅ、ではその自信のほどを確かめるために、消去ネタの内容をチェックさせていただくとしますか。まず最初が、前走牝馬限定戦組の絞り込みですな。

井崎：これはもう、このコラムでも腐るほど言ってきたことだからねえ。牡馬と戦ってきた組のほうが絶対に狙い目だし、限定戦での大敗から巻き返すのは厳しいからさ。

須田：実際、これまで[0-0-0-36]と3着にも来られていないワケですから信用できそうではありますね。該当馬が妙に骨っぽいのが気がかりではありますが。

井崎：確かに、ホエールキャプチャとフミノイマージンって、古牝馬ではかなり上位の実績だもんなあ。そもそも前者なんて、昨年の勝ち馬だし。

須田：ここはかなり人気薄となりそうですが、能力も適性も昨年で証明済みですからねえ。アッサリ巻き返してくるケースもなくはないと思うんですよ。

井崎：でもま、今年に関して「来ないパターン」であるのは事実だからね。そこは迷わずスパッ！と消すとして、次が……馬番からの消去ネタだな。これも、かなり期待薄。

須田：といってもコレ、昨年ドナウブルーが2着に来てるじゃないですか。鞍上がうまく乗った印象ではありますが、全滅させちゃって大丈夫なんですか？

井崎：G1級の実績馬でなければ来られないと拡大解釈すれば、フミノイマージン以外は消せると思うんだよ。そのフミノイマージンも別ネタで消えてるし、イケるはず！

須田：……井崎センセイ、今週は無駄に自信満々ですね（笑）。で、次に福島牝馬S組がその大半を占める「連闘-中2週」での出走馬をズバッと削除してるんですが。

井崎：マイラーズC組が中2週になっていることなら、ちゃんと気付いてるぞ（笑）。だからレインボーダリアの扱いは、ちょっと悩んだんだけどな。

須田：レインボーダリアの場合、もうちょっと距離のあるレースのほうが向くでしょうからねえ。扱いが難しいところですが、消しちゃったものは仕方がありませんよ。

井崎：で、最後にアドマイヤセプターを消して、残ったのがこの6頭。それなりに堅く決まりそうではあるしトリガミは怖いけど、素直にこのまま行こうと思う。

須田：消去ネタの精度が高そうですけど、センセイが妙に自信たっぷりなのが何よりも気がかりですよ。こういう時って、だいたいコケてますからねえ……。

　本命はヴィルシーナ。前走は最後のコーナーからずるずると下がって大敗でしたが、牡馬相手ということもあり、それほど気にすることはないでしょう。いつも通りの積極的な競馬をしてくれれば、実力を発揮しGI初勝利に手が届くでしょう。

　対抗はサウンドオブハート。前走僅差の勝利でしたが最後に少しまだ余裕が残っている感じでした。池添騎手との相性もよく有力な馬ですが、外枠に入ってしまったので少し評価を落としました。

　3番手評価はイチオクノホシ。前走は破れてしまったものの、最後の脚は目を見張るものがありました。GIは少し厳しいかもしれませんが、期待も込めて狙ってみます。

　4番手評価はレインボーダリア。2走前はGI勝利を収めたものの、前走は7着に敗れました。ただ時計で見るとさほどはなされておらず、GI勝利は単なるフロックと考えるのは危険です。

　5番手評価はハナズゴール。前走は馬券にすら絡めなかったものの、実力は高そうです。

　東大ホースメンクラブ　おにぎり

　ヴィルシーナはセンスと機動力は抜群だが、ヘイローのニアリークロスが多すぎて爆発力を阻害しているというか、バーンと弾けて勝ちきる脚に欠ける。
ハナズゴールは直線長いマイルがベストだと書いてきたが、母父シャンハイはヘクタープロテクターの3/4同血の弟だから、トライアル向きの血統という見方も可能。

　◎マイネイサベルの父テレグノシスはエアグルーヴやサクラチトセオーと同じトニービン×ノーザンテーストで、NHKマイルと毎日王冠と京王杯SCに勝つなど東京の鬼だった。
　母はサンデー×マルゼンスキーだから、近年の日本の競馬の底上げに大きく貢献したノーザンダンサー系とナスルーラ系とターントゥ系の組み合わせで、ハイペリオンが強い父と米血が強い母のバランスが良く、G1でも胸を張って◎が打てる血統・配合なのだ。

　まさかマイネルと柴田大知が2週連続で…と思われるだろうが、昨年6着だって直線前がカベにならなければもっと際どかったから、心身ともに充実一途の今ならば勝ち負けになって不思議ないだろう。

　揉まれず先行したときの○と、血統的には東京マイルがベストの▲が穴か。

　今年で8回目を迎えるヴィクトリアマイル。まだ歴史の浅いG1レースですが、優勝馬の調教内容には大きな共通点があります。

2006年　ダンスインザムード／乗込トラック主体
2007年　コイウタ／標準併用
2008年　エイジアンウインド／標準併用
2009年　ウオッカ／乗込併用
2010年　ブエナビスタ／標準併用
2011年　アパパネ／標準多め坂路
2012年　ホエールキャプチャ／標準坂路

　過去7年のうち、併用系統の優勝が5回。そして坂路単一調教の場合は最終追い切りを美浦坂路で行っているという共通点があります。同じ舞台で行われた先週のG1、NHKマイルCで美浦坂路追い切りのマイネルホウオウとインパスルヒーローが1着2着したことを考慮すれば、近2年を重視することも考えましたが、11日午前の時点で関東地方は雨。先週のような時計の速い馬場ではない可能性があると推測しました。

ヴィクトリアMの勝ち時計が1分33秒よりも遅くなったのは、過去2回。2006年と2008年ですが、この2年は、

2006年　乗込トラック主体／乗込坂路／乗込坂路
2008年　標準併用／標準多め併用／標準多め併用

　馬券圏内6頭のうち、5頭が調教本数の多い調教タイプ。これを重視した結果、標準多め坂路主体の◎オールザットジャズとなりました。最終追い切りでは角居勝彦厩舎の勝負調教に該当していますし、5月5日の左回りのCWコースではラスト1F11秒台の追い切りも消化。「今は飼葉食いの心配がなくなって、しっかりと調教できます」という角居勝彦調教師のコメント通り、昨年(16着)と比較しても追い切り内容が大幅に変化しています。

　美浦坂路追い切りで優勝があるなら、○ハナズゴールと▲サウンドオブハート。どちらも近走の最終追い切りの中では、最も追い切り時計をマークしており、G1仕様の仕上げで出走してきた印象があります。

　△ヴィルシーナは栗東坂路追い切りの標準多め坂路。決して悪いとは思いませんが、この中間のCWコース追いは1本。併用ではないので、この評価が精一杯。ただ、栗東での最終調整ではCWコースのキャンターを行うほど、体調が良い点は強調できます。

　あとは併用系統ということで、△イチオクノホシ、△アイムユアーズ、△エイシンメンフィス。ひと叩きしてG1の調教過程がエリザベス女王杯時に似ている△レインボーダリア。

　☆ゴールデングローブは最終追い切りの機敏な動き、そして標準多め併用という調教タイプから侮れない調子にあると判断しての印です。

1.マイネイサベル
今回：標準トラック
前回：標準トラック

2.オールザットジャズ
今回：標準多め坂路主体
前回：乗込併用

3.ジョワドヴィーヴル
今回：標準トラック
前回：標準多めトラック主体

4.ハナズゴール
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

5.ザッハトルテ
今回：標準トラック
前回：標準併用

6.ドナウブルー
今回：標準坂路
前回：標準坂路

7.アドマイヤセプター
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

8.ホエールキャプチャ
今回：乗込坂路
前回：馬ナリ平均坂路

9.アイムユアーズ
今回：標準トラック主体
前回：標準併用

10.イチオクノホシ
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均併用

11.ヴィルシーナ
今回：標準多め坂路
前回：標準少め坂路

12.ゴールデングローブ
今回：標準多め併用
前回：標準多め坂路

13.レインボーダリア
今回：乗込トラック主体
前回：標準多めトラック

14.アロマティコ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

15.フミノイマージン
今回：一杯平均併用
前回：標準併用

16.メーデイア
今回：標準多め坂路
前回：地方

17.サウンドオブハート
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

18.エーシンメンフィス
今回：標準多め併用
前回：標準多め坂路

　牝馬限定のG1は1600万下強のパワーポイント指数で決着します。これは牡馬混合のオープン特別や牝馬限定G3勝ちの実績があれば、牝馬限定G1でもローテーション次第で通用するということです。

　逆に、牝馬は牡馬相手の重賞ではそう簡単に通用するはずもないということ。なかにはブエナビスタやジェンティルドンナのように、古馬王道G1で勝ち負けできる牝馬もいますが、そういう馬のほうが稀です。

　◎はようやくジェンティルドンナの呪縛から開放されたヴィルシーナ。前々走のエリザベス女王杯は、勝ち馬レインボーダリアをはじめ、追い込み馬が上位を独占するなか、2着に粘った内容は高い評価ができます。古馬一線級が相手の前走大阪杯では、休養明けだったこともあり、6着に敗れました。しかし、ひと叩きされたことで、今回での巻き返しの可能性が高まりました。

　○はレインボーダリアや2年連続で福島牝馬Sを勝利したオールザットジャズを降して、昨夏のクイーンCを勝利したアイムユアーズ。休養明けの前走阪神牝馬Sは1番枠だったこともあり、馬場の荒れた内々を通って10着に敗れました。しかし、もともと強い馬、特に牝馬は前哨戦で負けたほうが本番に繋がりやすくなりますから、前走での不運が今回にとっては幸運という捉え方もできます。

　▲は芝に路線変更して3連勝目で愛知杯を勝利したエーシンメンフィス。前走のマイラーズCは前々走の阪神牝馬Sで追い込み競馬をしたあとの休養明けの一戦でタイキパーシヴァルやシルポートなど、逃げたい馬が揃っていたこともあり、大外18番枠から終始外々を先行するロスが響いて17着大敗を喫しました。しかし、ひと叩きされたことで変わり身が見込めるでしょう。今回も大外18番枠ですが、マイラーズCと違うのは逃げたい馬がいないということ。ハナを主張すれば、最初のコーナーまでに先手を奪える組み合わせなので、ロスのない逃げで上位粘走を期待します。

【2013年ヴィクトリアM消去法予想】
少々データ不足になるが、過去7回から、■消える馬をチェックしてみよう。

■アイムユアーズ…前走日本の芝良・稍重で10着以下かつ0秒6（約3馬身）以上完敗馬は、2走前に芝1600m重賞1着好走があった馬を除き[0-0-0-18]

■アドマイヤセプター…芝の連対率が5割未満馬のうち、前2走とも1400m以下の短距離戦使用馬は[0-0-1-16]

■アロマティコ…前2走「非重賞→重賞」のローテで、前走連対外は[0-0-0-13]。また、前走4月のレースで8キロ以上の体重減があり連対外は[0-0-0-10]、H20年、ヤマニンメルベイユが前走GIII福島牝馬Sで体重12キロ減0.1秒差4着と絞って善戦していたが、本番は0.7秒差の4着。変わり身＆上積みは厳しそう。

■イチオクノホシ…1600mを経験して0勝馬は[0-0-1-38]。この中には、前走GII戦連対馬が3頭・GIII戦1着馬が2頭いたが、連対には至らず、H20年、前走GII阪神牝馬Sで上がり最速33.5秒駆使2着ブルーメンブラッド（1600mは[0-2-1-3]だった）の3着が最高成績。また、前2走とも1400m以下戦使用馬は、前走芝1400m重賞1着の好走馬を除き[0-0-1-16]。上がり最速33秒2が魅力のイチオクだが、イチハロン長い。

■エーシンメンフィス…芝のレース2勝以下馬は[0-0-1-12]

■オールザットジャズ…前走GIII福島牝馬S敗退もしくは1着も1馬身差未満の辛勝馬は[0-0-0-30]。この時期の有力牝馬は、阪神牝馬Sもしくは男馬相手のマイラーズC・ダービー卿へコマを進めるのが主筋で、福島牝馬Sはレースレベルが低くなりがち。ここを快勝できないようではレベルアップが望めない。また、東京芝2回以上走って0勝かつ1600m2回以上走って0勝馬は[0-0-0-11]で、ジャズは適性不足もネック。

■ゴールデングローブ…前3走内にGIII以下の芝良・稍重で1秒以上の大敗があった馬は、前走重賞連対馬を除き[0-0-0-23]

■ザッハトルテ…前走非重賞使用馬のうち、1600m戦1勝以下は[0-0-0-10]。この中には、前走準OP1着またはOP戦1着馬が4頭いたが馬券に至らず。

■ジョワドヴィーヴル…前4走とも日本のレースで連対外は[0-0-0-25]。この中には、キャリアにGI戦1着歴があった馬が4頭、GI戦2着歴があった馬が3頭（重複を除く）いたがご覧の成績。牝馬は「一度崩れるとなかなか立ち直れない」のがセオリー。

■ドナウブルー…前4走内にGIII以下の芝良・稍重で掲示板を外す6着以下が2回以上ある馬は、前走重賞連対馬を除き[0-0-0-26]

■フミノイマージン…前2走とも日本の芝良・稍重で着外は[0-0-1-31]

■ホエールキャプチャ…前4走内に重賞連対がなく10着以下の大敗が2回以上ある馬は[0-0-0-15]

■マイネイサベル…東京芝を5回以上走って1勝以下or10回以上走って2勝以下は、重複・前3走内に東京芝重賞3着内の好走がある馬を除き[0-0-0-15]

■メーデイア…前3走内に芝の重賞5着内orOP連対or準OP1馬身以上1着好走がない馬は[0-0-0-24]

■レインボーダリア…6歳以上は[0-0-2-24]。また、キャリア20戦以上ある馬のうち、前走日本のGI着外orGII以下連対外は[0-0-0-27]。H24年、6歳フミノイマージン（全成績[7-1-3-12]）が前走GII阪神牝馬Sで0.1秒差3着惜敗だったが、それ以上の上積みなく15着大敗だった。

□マイル実績
1600m戦で「3勝以上かつ連対率5割以上」もしくは「2勝以上かつ連対率7割以上」の距離実績がある馬のうち、
(1)年齢…5歳以下であること
(2)敗退…前走日本の芝良・稍重で6着以下敗退or前2走内に非重賞敗退がないこと
(3)ローテ…3月以降の消化レースが1戦のみであること

　以上の3項目を満たしていた馬は[4-4-1-0]

　今回は、サウンドオブハートとハナズゴールが該当するが、コース実績を加味し◎はハナズ、○にサウンド。

　ヴィルシーナは、メンタル面で▲に。H21年、桜花賞・オークスともにブエナビスタの2着だったレッドディザイアが、ブエナ不在のローズSで断トツ人気1.4倍に支持されたがクビ差2着。また、H23年、阪神JF・秋華賞ともにアパパネの0.1秒差惜敗2着だったアニメイトバイオが、アパパネ不在のクイーンSで3着など、鬼の居ぬ間に…とはいかないデリケートな面が牝馬にはある。

　「末脚警戒」に未練で△イチオクノホシ。

　昨年は土日とも晴天だったにも関わらず、日曜になって急に内しか伸びない馬場になったヴィクトリアマイル。今年は土曜が雨予報で、日曜が晴れ予報だけに、東京特有の内から乾くことによる内伸び馬場に再度なる可能性があるが、先週までの傾向は明らかに例年より差しが利く馬場。しかも、典型的な逃げ馬不在で、行きそうな候補が外枠を引いただけに、スローになると馬群が詰まって、内がごちゃつく可能性は考えておきたい。

　本命はゴールデングローブ。前走で準OPを卒業した格下ではあるが、指数的にも実績的にも左回りでしか狙えないタイプで、持久力戦より上がりの速い展開の方が指数が上昇する傾向は見逃せない。前走は超スローでも後方に控える競馬だったが、スタート直後は先頭を伺う勢いだったように、テンのダッシュ力を見る限り、距離短縮への対応は可能。今年は指数的に1600mより1400or1800m向き、外回りより内回り向きのタイプが多いだけに、初のGI挑戦でも舞台設定に魅力のある人気薄を狙ってみたい。

4番：フックラ好仕上がり。勝ち負け。
6番：良くなった。
10番：柔らかさ目立つ。
11番：万全のデキ。
14番：馬体充実目立つ。
17番：左前裏筋腫れ目立つも、前走から。体は良い。

【波乱含み】かつての2歳女王ジョワドヴィーヴルはここに来て気配が上向いてきた。能力非凡で復活を期待。アイムユアーズは今週のひと追いで態勢キッチリ。巻き返しを期待。ヴィルシーナは距離短縮カギも長い直線でしぶとさが生きそう。充実しているサウンドオブハートも争覇圏。フミノイマージンは昨夏の雰囲気に戻ってきた。マイネイサベルやハナズゴールなども差はなく要警戒。

【加速ラップ】ハナズゴールは、ことマイル戦に限れば、三冠牝馬ジェンティルドンナさえ封じ込める決め手の持ち主。瞬発力と破壊力が最大限に生きる東京1600mのヴィクトリアマイルは、競走生活最高の舞台となる。ひも解けば、全5勝のうち4勝がマイル。ジェンティルドンナ以下を子ども扱いしたチューリップ賞を含め、リゲル賞、京都牝馬Sなど、そのすべてで、最速の上がりをマーク。残る1勝も東京の1400m。思えば、3歳2月に計時した、上がり33秒0という途方もない加速ラップがその後の同馬の起点だった。前走の阪神牝馬Sは道中内外から張られ末脚全開とはいかなかったが、大一番に向け調教も万全。たとえ馬場が渋っても、外一気と腹をくくれば間に合う。目標はヴィルシーナ。牝馬クラシック戦線で、何度もジェンティルドンナの心胆を寒からしめた4歳世代のナンバー2。真っ向勝負に打って出た大阪杯は、牡馬GI馬の底力に屈したものの、前走時とは調教過程も精度も違う。ハナズの決め手を削ぐ、粘り気のある馬場になれば逆転--もしくは代わって連軸に据え置く手も。サウンドオブハートは、関西遠征を克服して目下二連勝。心身ともにたくましさを増し、レース自体も研ぎ澄まされている。ちなみに洛陽Sの時計と上がりは、本命馬のリゲルSの内容に酷似。大駈けがあればジョワドヴィーヴル。阪神JFで一旦は世代の頂点に立った血統馬。中日新聞杯の上がりに復調気配も見えた。桜花賞3着馬アイムユアーズも、攻めの内容からして今度は完調。オールザットジャズは、今年は福島牝馬Sの馬体の張りと勢いを保っている。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

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　◎ヴィルシーナは「ディープインパクト×マキアヴェリアン」という組み合わせ。母ハルーワスウィートはミスタープロスペクターとスペシャル牝系（ヌレイエフ）の組み合わせを持っている。このパターンは父と相性がよく、4代母グローリアスソングが入る配合も同様に成功例が多い。ディープインパクト産駒の配合としてはハイレベルで、G1で接戦を繰り広げてきたこれまでの競走実績もうなずける。当コースでクイーンCを勝ち、桜花賞でも2着となっているようにマイル適性は問題ない。メンバー的に流れは速くなりそうもないので、好位で立ち回れるのは有利。渋った馬場も苦にしない。デビュー以来、牝馬で先着を許したのはジェンティルドンナとレインボーダリアだけ。しっかり馬券に絡んでくるだろう。

本命馬の見解:◎ハナズゴールは、前々走にて直結コース京都マイルの京都牝馬S(G3)を制した。ヴィクトリアマイルは、京都牝馬Sの勝ち馬が好成績を収めている。たとえば、昨年の7人気2着馬(ドナウブルー)、2010年の8人気2着馬(ヒカルアラマンサス)は、前々走で京都牝馬Sを勝ち→前走敗戦→ヴィクトリアマイルで巻き返した。ハナズゴールも同様のローテーションとなる。また、この馬は京都・阪神外回りのマイル戦を得意にしており、直線の長い東京マイルは合っている。

穴馬の見解:▲ジョワドヴィーヴルは、直結コースの阪神芝1600mにて阪神JF(G1)を制した。故障がなければ、ジェンティルドンナやヴィルシーナと世代のトップを争っていた馬で、牝馬限定のG1レースは勝ち負けになる。休養明けを使って良化しており、叩き3走目の変わりごろ。今回は距離短縮でマイル戦になるが、広い東京芝コースのため対応できる。