名称は変更しましたが、過去に同じ京都ダート1900mで行われていた重賞が東海S。まずは、その過去3年の馬券圏内馬の調教タイプを見てみましょう。

2010年
1着シルクメビウス(3)／一杯平均トラック
2着トランセンド(1)／標準坂路主体
3着アルトップラン(10)／標準少め坂路主体

2011年
1着ワンダーアキュート(2)／一杯平均併用
2着ランフォルセ(6)／標準トラック
3着シルクメビウス(5)／一杯平均トラック

2012年
1着ソリタリーキング(4)／標準多め坂路
2着ニホンピロアワーズ(3)／一杯平均トラック
3着サイレントメロディ(11)／標準トラック

　毎年、馬券に絡んでいるのが『一杯平均』の併用もしくはトラック。いかにも京都ダート中距離らしい傾向です。もうひとつは、坂路単一調教馬が苦戦していること。2012年こそ、1着に標準多め坂路でしたが、基本的には軽視したい調教タイプです。

　2013年の「一杯平均」該当馬は◎トミケンアルドールしかいません。前走アンタレスSで7着ですが、調教本数の少なかった休み明け。そもそも休み明けで好走する傾向はなく、ひと叩き良化型。3週にわたって、CWコースで一杯に追われている調教は、京都ダート1900m重賞に最適な追い切り内容です。

　○ニホンピロアワーズは最終追い切りがDPという点が気になりますが、標準トラックは馬券に絡む調教タイプ。追い切りでの動きが目立ってきた▲ハタノヴァンクール。標準トラックなら△アメリカンウイナーも上位争いが可能。☆インバルコは調教量豊富な標準多め併用で、前が速い展開になれば差し込み注意。

1.ニホンピロアワーズ
今回：標準トラック
前回：標準トラック

2.アメリカンウィナー
今回：標準トラック
前回：標準トラック

3.マルカプレジオ
今回：標準少めトラック
前回：標準トラック

4.キングスエンブレム
今回：標準多め坂路
前回：標準少め坂路

5.ハタノヴァンクール
今回：標準併用
前回：地方

6.ナムラタイタン
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

7.ナイスミーチュー
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

8.マイネルバイカ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：馬ナリ平均トラック

9.トウショウフリーク
今回：乗込坂路
前回：標準多め坂路

10.ソリタリーキング
今回：標準坂路主体
前回：一杯平均坂路

11.トミケンアルドール
今回：一杯平均トラック
前回：標準少めトラック

12.ユーロビート
今回：乗込併用
前回：標準多め坂路主体

13.インバルコ
今回：標準多め併用
前回：標準併用

14.マイネルアワグラス
今回：標準少めトラック
前回：標準多めトラック主体

15.ダイシンオレンジ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：乗込トラック

16.アントニオピサ
今回：馬ナリ平均坂路主体
前回：標準坂路

　基本的に先行有利の京都ダ1800mから、100m距離が伸びただけで持久力指向のタイプが台頭しやすい京都ダ1900m。スタートから1角までの距離が延びることで、テンのラップが速いまま向正面に流れるため、息の入らない展開になることが多く、意外に阪神や中山ダ1800mの急坂コース適性が問われること多い。

　指数的には2走前のジャパンCダートで｢135｣をマークしているニホンピロアワーズの独壇場だが、面白そうなのがトミケンアルドール。初重賞の前走・アンタレスSは6着に敗れてるが、ここ2走の阪神ダ1800mで指数を上げ続けているように、指数的な適性は持久力指向に振れている。実績のない京都替わりだが、持久力が求められる京都ダ1900m戦で、ニホンピロアワーズが前を飲み込む展開なら、一発あっても。

1番：好仕上がり。勝ち負け。
5番：仕上がる。
9番：デキ良い。展開スムーズなら。

【叩き一変】地力・実績なら、文句なしにニホンピロアワーズ。JCダート・1分48秒8の快勝劇は記憶に新しく、ダート馬として脂の乗る6歳春。今季緒戦のアンタレスSは、久々の影響か、馬体の張りが少しモノ足りなく映り、4角スパートという強引な競馬で2着に敗れたものの、59キロは経験。追い切りの負荷と精度を上げ、ひと叩き効果で馬体の張りも急変。推進力と粘りも、確実に前進が見込めるハズだ。ハタノヴァンクールは、東京大賞典2着で、ダートシーンのフロントランナーとして再浮上。交流重賞を力でもぎ取る連勝、ダートの頂点がいよいよ視界に入ってきた。しかし、59キロの斤量対応がいかにも未知数。今回に限っては、危険な人気馬かもしれない。ブリリアントS3着をたたいた、トウショウフリークの逃げ残り。アンタレス4着のソリタリーキング差し込み。同6着トミケンアルドールも、ひと叩きで一変。二走前の麻耶S・1分50秒5で、重賞ベースに乗っている。チークピーシーズ着用なら、ナムラタイタンも流れ込みの目。

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【小波乱】昨年のJCダート勝ち馬ニホンピロアワーズが主役を務める。前走のアンタレスSは休み明けで59キロの酷量でも、2着と地力を示す競馬。ひと叩きされた今回はV最短とみる。ハタノヴァンクールは交流GI2勝。着実に力を付けており、今なら中央のスピード勝負にも対応できるか。トウショウフリークは久々の前走が好内容。叩かれて粘りが増すだろう。ナムラタイタンは別定の56kgならおもしろい。ソリタリーキング、ナイスミーチュー、ユーロビートを押さえる。

　◎ハタノヴァンクールは「キングカメハメハ×ブライアンズタイム」。この組み合わせはグランドシチー(マーチS)、シセイオウジ(カペラS-3着)、キョウワダッフィー(準OP)と同じで、ダート向きの配合として優れた実績を挙げている。ニックスといえるだろう。成長力のある配合で1戦ごとに力をつけており、テンの行き脚が付かなかった昨年秋までとは別馬のようにレースぶりが上手になっている。2着に敗れた前走のダイオライト記念は、スローで逃げた勝ち馬をクビ差とらえられられなかっただけ。相手にうまく乗られた感があった。今回は前に目標がいるので徹底マークで乗るはず。タフな血統なので59kgも問題ない。底力が持ち味でスタミナ面にも自信があるので、1900mという距離は1800mより合っている。