3強対決と謳われた
宝塚記念を制した
ゴールドシップが断然人気の一戦。今回と同じ京都外回りの舞台、今年の
天皇賞(春)では、今回対戦する
トーセンラー、
アドマイヤラクティに先着を許しての5着に敗れ、連勝がストップしました。これはレース序盤の行きっぷりがこれまでよりも悪く、
サトノシュレンが道中であまりペースを緩ませない逃げを打ったために、3コーナーまでにポジションを押し上げきれなかったのが敗因。
“京都の坂は速く登ってゆっくり下れ”という騎手の掟があるように、多頭数の京都外回りの舞台で3コーナーから4コーナーにかけての下り坂で加速すると、4コーナーで大外に張られてしまいます。かといって、差し、追い込み馬が4コーナーまで待って仕掛けたのでは、前との差は容易には詰まりません。つまり、淀みのない流れの
天皇賞(春)の舞台は、2週目の3コーナーから4コーナーにかけてのポジションが結果に影響を及ぼすこともしばしば。
ゴールドシップは3コーナーまでにポジションを押し上げられなかったのは本当に致命傷でした。
しかし、
ゴールドシップは前走の
宝塚記念では生まれ変わったように競馬ぶりが一変。テンから押して好位を追走し、ラスト200mで
ジェンティルドンナや
フェノーメノを振り落としての完勝でした。ああいう優等生の競馬ができれば鬼に金棒です。また、ある程度、テンに置かれたとしても、今回これと言った逃げ馬がいないことからペースがそれほど速くならないでしょう。つまり、テンに置かれても捲り切れる可能性が高いです。
今回は休養明け、前走の
宝塚記念で自己ベストのPP指数をマークした一戦となることなど、全く死角がないわけではないのですが、他の有力馬も休養明けとなること、使われている馬は近走成績が不安定だったり、京都の高速馬場向きの決め手がやや不足している馬が多いので、ここは相対比較で
ゴールドシップを◎とします。
○は芝路線転向初戦の昨秋の
八坂Sで、上がり3F32秒台の猛烈な末脚で勝利したように、京都向きのキレる脚の持ち主
デスペラード。今春の
天皇賞(春)では大敗してしまいましたが、おそらく疲れが溜まっていたのでしょう。リフレッシュされたことで爆発的なキレが戻ることを期待します。また、
ゴールドシップが出走して勝利するレースは、
ゴールドシップが捲くってくるために先行馬たちにとっては苦しい展開になりやすく、追い込み馬である同馬は展開に恵まれる可能性も高いです。
▲は負担斤量が軽い
ヴィルシーナ。京都開幕週のキレ比べとなると、どうしても斤量面の影響が大きくなります。そこで有利になるのは負担斤量が軽くなる3歳馬や牝馬です。能力面で古馬一戦級と互角に戦う能力を持ち、斤量も軽いとなれば
ヴィルシーナを軽く扱うわけにはいかないでしょう。陣営の意識は次走にあるのでしょうが、80点の仕上げまできているならばチャンスは十分あります。