雨で不良になった菊でさえあのインベタ馬場だったから、京都Aコースはもうインベタと決めつけていいだろう。

　◎アドマイヤセプターはルーラーシップの姪で父も同じキンカメだから3/4同血の間柄で、ホーンビーム≒パロクサイドのニアリークロスも同じ。
　こちらはミスプロ的なマイラー体型がオンになっていて距離適性は短くなったが、しなやかに斬れるところはやっぱり似ていて、ベストは東京と外回りの1400mだろう。
　昨年も◎にしたが、一年経って更に成長充実を感じるだけに、そして右回りは内にモタれるところがあるだけに、インベタ馬場の好位インから叩き出せば今年は更にチャンスだ。

　○レッドオーヴァルはストロングリターンの妹でマイル近辺が一番斬れるし、ここはメイショウマンボをナデ斬った紅梅Sも再現も。

　▲ラトルスネークは京都内1400mでロードカナロアを差しきったこともあり、トモ甘の前輪駆動で下って平坦の京都外1400mはベストコースだから、またインに潜り込めればまた突き抜けてしまうかもしれない。

　他にも1400mベストの実力馬がズラリでハイレベル戦だが、勢いや上がり目のある馬が内枠を引いたのでそちらに比重を置いた予想で。

　JRAが25日正午に発表した京都競馬場の馬場状態は芝が「不良」。同日15時現在、栗東では雨が降り続いており、京都競馬場も降ったり止んだりの天候の様子。この状況は明日朝まで続くそうなので、芝が良に回復する見込みはほとんどない。

　過去5年のスワンSはすべて良馬場で行われており、同じく過去5年の京都芝1400m外回りで行われた1000万下より上のクラスのレースも1鞍(1000万下)しかありませんでした。よって、過去傾向を重視するのではなく、現在の芝状態に適性の高い馬を選びます。

　◎エーシントップ。西園正都厩舎の勝負調教には該当しませんでしたが、1F12.6秒なら、決して悪い数字ではありません。全体の時計こそ違いますが、昨年の同時期の休み明け、京王杯2歳Sは栗東坂路での追い切りラップが後半3F12秒台でした。今回は12.4-12.2-12.6秒。今週の栗東坂路は当時よりも時計の出にくい馬場なので、それでいながら、似たラップを踏んだことは高く評価したいところ。調教内容は京王杯2歳Sが標準坂路主体で、今回は標準併用。今回の方が、トラックでの調教を増やしており、中身での出来る追い切りになっています。

　また、雨馬場に関しては主観的に見て大歓迎。最終追い切りのVTRを見ていただいてもお分かりのように、掻き込むようなフットワークをしており、馬場が緩くなっても、確実に地面を捕まえる走り。蹄や繋ぎの角度も、緩い馬場には対応できる構造になっているので、全く問題ないと思います。

　○ラトルスネーク。近3走はすべてメンバー最速の上がり3Fをマークしており、馬場が渋ることはマイナスのようにも思えます。ただし、今週の坂路馬場であれだけの動きができるということは、荒れたウッドチップにスピードを削がれることがないという証拠。前向きに走る馬なので、適度に馬場が緩い方が走りやすいということもあります。

　▲アドマイヤセプター。最終追い切りが栗東坂路での終い最速ラップ。これまで渋馬場で良績がないため、この評価にとどめましたが、具合に関しては非常に良いと思います。走り方自体は馬場を苦にする印象はないので、なんとかこなしてくれればという感じ。

1.レッドオーヴァル
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

2.テイエムオオタカ
今回：標準併用
前回：馬ナリ平均坂路

3.アドマイヤセプター
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

4.シャイニーホーク
今回：標準少め坂路
前回：馬ナリ平均坂路

5.ラトルスネーク
今回：乗込坂路
前回：標準坂路

6.ハッピーカオル
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準坂路

7.サダムパテック
今回：急仕上げ坂路
前回：一杯平均坂路

8.エーシントップ
今回：標準併用
前回：軽目坂路

9.ダイワマッジョーレ
今回：標準坂路
前回：一杯平均坂路

10.コパノリチャード
今回：標準坂路
前回：標準坂路

11.グランプリボス
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路主体

12.サンカルロ
今回：乗込坂路
前回：標準多め坂路

13.マジンプロスパー
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

1番：春より馬体良い。距離短縮で。
3番：好気配。
13番：今までで一番良いくらいのデキ。

【地力信頼】グランプリボスは、国内マイルGIは5戦2勝・2着2回という地力の持ち主。スプリンターズSは、不運にも1番枠。発馬でコスられ、外に持ち出すのに手間取り、大勢が決したあとの7着に終わったが、坂上にかけての脚は、やはりGI馬。昨年のスワンS快勝の実績に改めて注目。マジンプロスパーはスプリンターズS4着。久々に加え、果たして急坂の中山はどうか。課題も抱えての前走だったが、もったいない4着というか。なるほどの0秒2差というか。ゴール前の脚色は際立っていた。まとめて負かせばレッドオーヴァル。オークス、ローズSは、距離が長いことを承知の、とりあえずの参戦。二けた着順に終わり結果を残せなかったが、逆にマイル路線へと吹っ切ることができた。重馬場の紅梅Sではメイショウマンボを子ども扱い。桜花賞2着時のデムーロが手綱も握る。ラトルスネークは、メンディザバルを得て激変。白秋Sは1000m通過が56秒5-1200m通過・1分8秒1という澱みのない流れを、悠々と0秒7差。「折り合えば、もっと突き離せた」と、メンディザバルも手応え。一か八か。イン一気の強襲策しかないが、アドマイヤセプターの一瞬の切れ。ダイワマッジョーレも、京王杯SCを外一気でGIIを突破した。

「スワンSは1200mっぽい馬が来る」というのが私の持論である。実際に過去の好走馬を見ても、1600mタイプよりは1200mタイプのほうがよく走っている。ちなみに折り合いのことを考えるとここを使うことやなまじ好走することはマイルCSに向けて良いとは言えず、だからこそスワンS→マイルCSというステップはあまり機能しない。

　今回の出走メンバーで、オープンの1200mに連対歴があるのはマジンプロスパー、テイエムオオタカ、サンカルロ、アドマイヤセプターの4頭だけ。うちアドマイヤセプターは(0.1.0.5)なので1200mタイプとは言えない。残り3頭が本命候補だ。

　◎はサンカルロ。阪神Cで買おうと思って待っている人もいるだろうが、ここの時点でチャンスだ。Aコース4週目+先週雨の中使われたことで今週は外差しが届きやすい環境になる。年齢的な衰えはあるので3着を強く意識し、3連単3着付け+3連複で。

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【伏兵注意】マジンプロスパーが本命。前走のスプリンターズSは休み明けにも関わらず4着と健闘。叩いた上積みが見込め、1ハロンの距離延長もプラス材料だ。グランプリボスは昨年のこのレースの勝ち馬。叩き良化型で前進が見込める。ラトルスネークの前走はひと皮むけた勝ちっぷりで時計も優秀。京都替わりも悪くない。スピードあるコパノリチャードはマイペースで運べれば。アドマイヤセプター、エーシントップ、レッドオーヴァルを押さえる。

　◎ラトルスネークは「タニノギムレット×ワゴンマスター」という組み合わせ。母ワシントンシティはチリ産馬で、チリオークス(G1・芝2400m)やサンチアゴ1000ギニー(G1・芝1700m)などを制し、同国の3歳牝馬チャンピオンに選ばれた名牝。本馬の2代母の父ソーントンヒルはアルザオの母レディレベッカと4分の3同血の関係にある。本馬と同じタニノギムレット産駒で中山牝馬S(G3)を勝ったニシノブルームーンは母の父がアルザオなので、ラトルスネークとニシノブルームーンの配合の骨格はよく似ている。ソーントンヒルとレディレベッカはいずれもアドミラルドレーク≒ローマンという相似な血のクロスを持ち、このクロスは2代父ブライアンズタイムにも施されている。つまり、ラトルスネークとニシノブルームーンの配合は相似な血のクロスの継続となるのでおもしろい。ニシノブルームーンは500万→1000万→準OPと3連勝したあとマーメイドS(G3)で2着。クラスの壁を突破していく底力を秘めた馬だった。ラトルスネークの前走を見るかぎり完全に本格化成ったという印象で、不良馬場の白百合S(OP)で2着という成績があるように道悪も苦にしない。ニシノブルームーンと同様、クラスの壁を突破していく逞しさを秘めていると思われるので、ここも勝ち負けに持ち込めるだろう。

　マイルチャンピオンシップの前哨戦という位置づけですが、G1戦線のまっただ中に行われるG2戦で、出走メンバーのレベルは毎年高くなります。過去の連対馬を見ても、それまで重賞での連対経験があった馬がほとんどです。実績面のハードルは高く見積もっておくべきでしょう。

　1400という距離なので、スプリンターとマイラーが入り混じっての激戦になります。前走を見ても、スプリンターズSだったり、毎日王冠だったり。秋の京都で時計が速くなりますから、ある程度スピードがあることは前提条件になりますが、過去を見ると1200だけにしか実績がない馬はほぼ勝ち負けになっていません。レベルが高いレースなので、スピードだけでは押し切ることが困難なのです。必ず1400以上の実績に目を通すようにしましょう。

　グランプリボスは昨年のこのレースの勝ち馬。今年はスプリンターズSからの始動になりましたが、内で窮屈な場面がありながら0.3秒差7着と、スピード面でもトップクラスにあることを証明しました。本来叩き良化型ですし、得意条件に戻って巻き返しは必至です。

　アドマイヤセプターはけっしてスプリンターというわけではありませんが、折合の問題から活躍の場が短い距離に限定されています。スプリンターズSは追い込んで5着、1200mではやや短いので、今回の条件はおそらくベストでしょう。「重賞連対が必要」という条件も、昨年の京阪杯でクリアーしています。

　マジンプロスパーは今夏のCBC賞を勝って、休み明けのスプリンターズSでも6着。6歳ですが遅咲きのアドマイヤコジーン産駒で、ここに来て充実期を迎えています。直線に坂がある阪神の方が渋太さを発揮できる傾向にありますが、相手関係的に泣き言を言っていられませんし、56キロで出られるのも有利です。

　ダイワマッジョーレは今春の京王杯SCの勝ち馬ですが、今年になってからは常に強い相手ときわどい勝負をしているように、この路線では上位安定の一頭です。休み明けですが、先週の富士Sに使う予定もあったくらいで、仕上がりは問題ありません。エーシントップは古馬初挑戦の安田記念こそ大敗しましたが、3歳トップクラスのマイラーに間違いありません。1400mは3戦全勝ですから、この条件がベストという可能性も考えられます。サンカルロは言わずとしれた1400大将。京都より阪神の方が向く馬ですが、この距離ではつねにマークは外せません。サダムパテックは昨年のマイルCSの勝ち馬ですから、力量的には最上位にランクされますが、休み明けで鞍上も初騎乗の和田竜二騎手。今走は試走という意味合いが強く、☆までの評価とします。

※火曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。