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ハナズゴールを彷彿】
レッドオーヴァルは阪神1600メートルの
桜花賞にもっともイメージの合致する切れ者マイラー。末脚の威力と存在感を明確化する
トライアルだ。新馬戦は2着に敗れたものの、東京1400mで上がり33秒3をマーク。ちなみに、ラスト2ハロンのレースラップは11秒0-11秒0。その上がりの精度の高さを、中京1400m・1分21秒5のレコ勝ちに(同週の古馬500万は1分21秒7だった)、即つなげている。続く
紅梅Sも直線一気。イン有利の芝も委細構わず。有無を言わせぬ破壊力は、昨年の
チューリップ賞の覇者
ハナズゴールと姿がだぶる。前三戦の加速ラップを見れば、距離延長ももちろんOK。父は
ディープインパクト、半兄は
安田記念をレコ勝ちした
ストロングリターン。1ハロン延長に耐えうる血統背景も有している。受けて立つのは昨年の2歳牝馬チャンピオン・
ローブティサージュ。阪神JF優勝で当該マイルは経験済み。1分34秒2という走破タイムは歴代3位。近親には
皐月賞・ドバイワールドC制覇を果たした
ヴィクトワールピサも名を連ね、血統的支柱も強固(決して早熟系ではない)。古馬OP・
ジャスタウェイを問題にしない、坂路の調教も能力発露の一端だ。割って入れば
ヴィルジニア。新馬戦の上がりラップ・11秒0-11秒1は鮮烈の一語。父は欧州3歳チャンピオンの
ガリレオ。日本の芝の対応能力を懸念する向きも確かにあるし、首を使わない独特のフォームも、どこか日本馬とは異質。ただ、強靭な四肢の踏み込み、トモの形容。これが年明けデビュー馬かという、堂々とした立ち居振る舞いやハートの強さは逆に、既存の日本馬の姿形や競馬の概念を打ち破る可能性に満ち満ちている。中間、やや順調さを欠いたぶん、三番手としたが、
アユサンは、
アルテミスSを1分33秒9の好タイムで2着。阪神JFは外に膨らみリズムに乗り切れなかったが、右回り・阪神コースも二度目。ここが正念場だ。阪神JF2着の
クロフネサプライズの立ち回りの上手さ。
エルフィンS3着の
グッドレインボーも、レースにソツがない。