◎アルキメデスの3連勝はすべて着差以上に強い内容で、配合も母が相似配合でアドマイヤムーン産駒としては満点に近く、ダーレーの良血開花の今なら重賞の一つや二つ勝っても不思議ない。

　○タマモベストプレイも全きょうだいがみんなオープンを張るほどの好配合で、兄姉たちに比べると伸びのある体型でベストは1800m、そしてこの牝系特有のしなやかさが出た体質走りでジワジワ加速するから内回りより外回りがベター、1800mではロゴタイプにしか負けてないし、適条件のここはアッサリがあって不思議ない。

　ラウンドワールドやヒストリカルもいいところだろうが、ここは◎○で買いたい鞍。

　朝日CCがこの時期に移行したのは、昨年からですが、2011年以降も同じ条件(別定)で行われていた重賞が鳴尾記念。それも含めた、過去5年の1着馬の調教タイプを見てみると、

2008年　サクラメガワンダー/標準多め坂路
2009年　アクシオン/標準坂路主体
2010年　ルーラーシップ/馬ナリ平均併用
2011年　レッドデイヴィス/標準坂路
2012年　ショウリュウムーン/標準併用

　坂路単一もしくは併用調教馬に適性がある阪神芝1800m重賞。◎アルキメデスは標準多め坂路の調教タイプですが、1週前、最終追い切りともにCコースで行っており、併用気味の坂路調教馬という見方ができます。

　アルキメデスを推したい理由はそれだけではありません。前走後に馬体を確認した時に「こんなに充実しているんだ」と思える、馬体の張り、そして艶の良さが目立ちました。その印象を違わない走りを見せている中間の追い切り、最終追いでした。

　◎アルキメデスと接戦できるのは、普段の調教から前に馬を置いて我慢させることを訓練している○テイエムイナズマ。良馬場で瞬発力勝負は望むところ、脚がたまった時の爆発力はこの中間の調教で増しているはず。調教タイプが標準併用というのも、過去傾向から強く推せます。

1.マイネルラクリマ
今回：標準多めトラック主体
前回：標準併用

2.ダノンプログラマー
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

3.タマモベストプレイ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路主体

4.カルドブレッサ
今回：標準併用
前回：標準併用

5.ラウンドワールド
今回：標準多めトラック
前回：標準トラック主体

6.キングストリート
今回：標準少め坂路
前回：標準少め併用

7.マックスドリーム
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

8.アルキメデス
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路主体

9.ゴットフリート
今回：標準トラック
前回：標準多め併用

10.ミキノバンジョー
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック

11.テイエムイナズマ
今回：標準併用
前回：標準坂路

12.コアレスドラード
今回：標準多め併用
前回：標準併用

13.ヒストリカル
今回：標準坂路
前回：標準坂路

14.ゲシュタルト
今回：標準多め併用
前回：標準少めトラック

15.フェデラリスト
今回：標準併用
前回：標準少めトラック主体

16.スマートギア
今回：馬ナリ平均坂路
前回：馬ナリ平均坂路

17.カワキタフウジン
今回：一杯平均トラック
前回：一杯平均トラック

18.ハナズゴール
今回：標準坂路
前回：標準坂路

【ラウンド再開】ラウンドワールドの前走･アンドロメダSは、馬場差約2秒の重馬場。2分2秒1と、時計だけを見ると大したことはないが、12秒台の平均ラップがタフにつながる、実はHレベル決着。外一気に風を巻き、2馬身と突き抜けた末脚は実に力強かった。もとより、札幌2歳Sを0秒3差の2着に追い上げた血統馬。2歳時は420-430キロの馬体を維持するのに汲々。共同通信杯4着で体力を消耗してしまったが、アンドロメダは452キロに増量に成功。直前の追い切りでは、阪神JFの主役と目されるハープスターを相手に、13秒台のHラップで行きだし、6F･80秒7というタフな追い切りも消化できている。

上昇度ならアルキメデスも負けていない。こちらもプリンシパルS3着もある、潜在的OP馬。テレビ埼玉杯から京橋特別、そして八坂Sと、戦績を重ねるごとに馬体に実が入り、特に前走の八坂は、12秒2-11秒0-11秒1という、完全に前残りの極端な瞬発力勝負を、残り1Fだけでまとめて串刺し。あの脚なら、重賞ももう圏内。

タマモベストプレイも、血統的に距離が長い長いと言われながら、スプリングS2着、皐月賞5着。さすがに菊花賞は8着に敗れたが、1800mなら主役級扱いでいい。

実績なら、GIIIの京都金杯･七夕賞2勝のマイネルラクリマ。久々を叩いた上積みも期待できる。ただ、小倉記念や福島記念を見ると、58キロと高速決着に限界があることは否定できない。

一瞬の脚を生かして、毎日杯優勝馬ヒストリカル。エリザベス女王杯で、インで見せ場を作ったハナズゴール。栗東滞在と右回りが吉と出れば、ゴットフリートも上位争い。

　古馬にこれといった馬がいない、マイネルラクリマはハンデを背負っている……という理由で3歳馬や、4歳で上がり馬のアルキメデスに人気が集まりそうなレース。しかし、「ハンデ戦は敢えて斤量の重いほうから買え」という格言を提唱している身として、ここは敢えて◎マイネルラクリマから入ってみたい。

　というのも、○ラウンドワールドにしても▲タマモベストプレイにしても、古馬相手の重賞は未経験でまだ相場観が形成されていないからである。現3歳世代が例年なみの世代レベルにあるならハンデG3では通用する可能性は高いが、確定的なものではない。ならば既に58キロをこなしているマイネルラクリマのほうが手っ取り早い。

　◎にとって一番危ないのは上がり勝負になった時だろう。ただでさえキレない馬がハンデを背負っているわけである。しかしこの馬は脚質的に展開を作る権利があり、しかも今回は内枠。自分向きの流れを演出すると期待する。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【小波乱】ラウンドワールドの前走は長休明けにもかかわらず余裕のＶ。叩いた上積みがあり、良馬場ならさらに切れそうだ。タマモベストプレイが相手筆頭。菊花賞は2周目の3角で大きな不利がありながらも、8着まで盛り返した。 スムーズなら好勝負になる。マイネルラクリマは叩き2走目でハンデ58kgを苦にしない。アルキメデスは3連勝と勢いがあり要注意。テイエムイナズマ、ハナズゴール、ヒストリカルを押さえる

　◎ヒストリカルは「ディープインパクト×ノーザンテースト」という組み合わせ。ディープインパクト産駒は阪神芝1800mに高い適性を示しており、連対率32.8%、単勝回収率101%という好成績。当コースでは過去重賞を4勝しており、そのうちのひとつは本馬の毎日杯だ。

　昨年の当レースで12着と敗れたのは馬体重が減り続けて430kg台となり、調子がもうひとつだったことが原因。それでも勝ち馬とは0秒4差しかなく、大きく負けたわけではない。同じディープインパクトを父に持つ近親にはトーセンホマレボシ(京都新聞杯)、トーセンスターダム(京都2歳S)がおり、後者は来年のクラシックの最有力候補の1頭だ。今年のディープインパクト産駒は5歳馬の重賞制覇が目に付き、それらの多くが若駒時代から継続して活躍していた馬ではなく、3歳時に活躍したもののその後伸び悩んでいたり、重賞をなかなか勝てない善戦タイプだった馬が5歳になって再浮上してきた、というケースだった。

　ヒストリカルはまさにこのパターン。5歳を目前にしたこの時期から上昇曲線をたどっていきそうな雰囲気を感じる。前走は3着に敗れたとはいえ出走メンバーのなかでは上がり最速。内容は決して悪くなかった。このメンバー相手に56kgなら勝ち負けになる。

　レース名としては一昨年までの秋重賞を引き継ぐ形ですが、施行時期と距離や重量規定からは、鳴尾記念の後継レースと考えるべきでしょう。阪神外回り芝1800m戦は、たとえばデニムアンドルビーが勝ったローズSと同じ条件。まずは切れ味がある馬を最優先にピックアップすべきレースです。

　ラウンドワールドはクラシックを全休したものの、9ヶ月ぶりのアンドロメダSを完勝。オープン特別では力の違いを見せつけました。今回は重賞になりますが、ハンデG3ならばまだまだ通過点と言っていいでしょう。本来切れ味を武器にしている馬ですから、直線が長いコースに替わるのもプラスになるはずです。

　アルキメデスは休養を挟んで3連勝、いよいよ重賞にステップアップしてきました。前走で準オープンを勝ったばかりですが、前残りを一気に差しきったレースぶりは余力充分で、ハンデG3ならば充分好勝負になるでしょう。

　コアレスドラードは、8番人気と6番人気で1000万下、準オープンを連勝。5歳にして本格化を果たし、今回が重賞初挑戦になります。勢いに乗っているステイゴールド産駒ですし、斤量が重くならないのも魅力。格下の存在ですが、一発逆転の可能性を秘めます。

　マイネルラクリマは福島記念2着からの臨戦。前走はレコード決着を早めに動いてのもので強い内容でした。今回はハンデとの戦いという側面が強くなりそうです。タマモベストプレイはきさらぎ賞の勝ち馬。菊花賞でも8着に踏ん張りましたが、おそらく芝1800近辺がベスト条件と思われますから、適条件に戻る今回は要注目です。ハナズゴールはじっくり構えての末脚勝負で力を発揮する馬で、距離の1800も守備範囲。冬場に強い馬ですし、巻き返しが期待されます。

　フェデラリストは重賞2勝の実力馬ですが、順調に使えない弱みがあり、今回も5月以来の久々になります。力量的には誰もが認めるナンバーワンですが、一週前の段階では本調子には一息とのこと。最終追い切りに注目が集まります。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。