ショウナンパンドラはトモが非力なので京都外や新潟外が一番斬れるし、前走と同じコースであれぐらい走れば勝ち負け。

　◎○▲が叩き合ったカーネーションCはなかなかのハイレベルで、外回りの決め手勝負ならばその再現とみたい。

　例年、紫苑Sは中山芝2000mで行われますが、今年は新潟芝2000mの外回りで行われます。よって、過去の紫苑S好走馬の調教内容を振り返ることは無意味。今回の適性調教を探るためには、2回新潟開催に行われた芝2000m外回りを分析すべきでしょう。

　500万下より高額条件で行われたのは、6レース。そのうち、3レースが牝馬の優勝でした。

・佐渡S
ウイングドウィール／標準多め併用

・糸魚川特別
ショウナンパンドラ／標準坂路主体

・3歳上500万下
キュリオスティー／馬ナリ平均トラック

　牝馬の優勝に坂路単一調教馬はおらず、いかにも新潟芝2000m外回りらしい、トラック調教の適性が重要だという結果になっています。ウイングドウィールは15番人気での勝利でしたが、最終追い切りが南Wでラスト1Fがラップを踏んでいました。これに該当する馬がいればよかったのですが、残念ながら該当なし(追い切り本数が標準以上という条件も付加)。3歳牝馬にとって、トラック調教でラスト1Fが最速ラップを踏むことは決して簡単ではないのでしょう。

　もう1頭の併用系統で優勝した、糸魚川特別のショウナンパンドラは、栗東坂路でラスト1Fが最速ラップを踏んでいました。これに見事に該当したのは、◎ハピネスダンサー。函館競馬場でトラック調教を積んだ後、栗東へ移動するという、やや変則的な追い切り内容ですが、調教適性は非常に高いと判断しました。

1.マイネグレヴィル
今回：標準少めトラック
前回：標準トラック

2.マイネオーラム
今回：標準少め坂路主体
前回：標準坂路主体

3.ホワイトマニキュア
今回：乗込併用
前回：軽目併用

4.レーヴデトワール
今回：標準少めトラック
前回：標準多めトラック主体

5.ハピネスダンサー
今回：標準坂路主体
前回：標準多め坂路主体

6.ウエスタンメルシー
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック

7.ショウナンパンドラ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路主体

8.デルマサリーチャン
今回：急仕上げトラック
前回：一杯平均トラック

9.ブライティアスター
今回：標準少めトラック
前回：標準少めトラック

10.レッドラヴィータ
今回：標準坂路
前回：一杯平均坂路

11.マローブルー
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均併用

12.ヘイジームーン
今回：馬ナリ平均トラック
前回：軽目トラック

13.リーサルウェポン
今回：標準坂路
前回：標準坂路

14.デルフィーノ
今回：標準坂路主体
前回：標準少めトラック

15.バウンスシャッセ
今回：標準多め坂路主体
前回：馬ナリ平均併用

16.ヴァンデミエール
今回：標準少めトラック
前回：軽目トラック

17.プレミアステイタス
今回：連闘
前回：標準多め坂路

18.カウニスクッカ
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック

【混戦】レーヴデトワールは桜花賞5着の実績馬。血統背景優秀で成長力もあり秋の好スタートを決めたい。バウンスシャッセはオークス3着。前走後も調整順調で巻き返し必至。マローブルーは軽快感アップ。潜在能力そん色なくチャンスも十分。前走快勝のショウナンパンドラも力をつけており争覇圏。ヘイジームーンも気配良好で侮れず、マイネオーラムやデルフィーノなども差なく要警戒。

【受けて立つ】牝馬限定戦なら、オークス3着のバウンスシャッセの力量上位。年明け1月の寒竹賞・2分0秒8は、前日の中山金杯・2分0秒1と0秒7差。同開催の京成杯・2分1秒1と比較すれば、後のフラワーC圧勝も納得。オークスは前が壁になり、馬群を割るか外を回すか。一瞬の躊躇が0秒1差のロスを生み、スルリとGIタイトルがこぼれ落ちてしまったが、牡馬と見間違うかの堂々たる腹構え、頭一つ背丈の高い520キロ前後の体躯は、3歳世代牝馬ではトップランク。前走の函館記念や皐月賞の大敗は発情が原因とされるし、「ダラブケ」の危惧も少し残るものの、牝馬限定・馬齢戦とあれば、まずは能力ありき。

逆転があればヘイジームーン。カーネーションCは、ハープスターを彷彿させる、上がり32秒9で東京の坂を一閃。前走の弥彦特別は、岩田はテン乗り。3勝目を確定したかったこともあったのだろう。いつもより気持ち前めで進めたぶん、詰めが甘くなったが、マイル通過は1分34秒1-走破タイムは1分46秒2と、馬場差1秒を考慮すれば、かなり質が高い。ちなみに先着を許したサトノフェラーリは、セントライト記念の伏兵。2着のヒルノマテーラは、ローズSの惑星?。

レーヴデトワールは、3歳牝馬世代の立ち位置をここで今一度明らかにしておきたい。桜花賞はHペースのぶん、先頭に立つのが少し早すぎたが、インを突いて一瞬見せ場。オークスは抽選待ち。除外の影響で、白百合S、小豆島特別と、春後半は窮屈なローテーションを余儀なくされたが、秋はここ一本に目標を絞り、攻め馬の動きも伸び伸び。フラットコースの新潟なら2000mも守備範囲だ。

カーネーションCのヘイジームーンとのクビ差は、着差以上の力量差にも思えるが、ショウナンパンドラは糸魚川特別を快勝してここへ。同カーネーション・0秒1差のマローブルーは、年明け3月デビュー馬だけに、5月時よりは上積みがある。

連穴はデルフィーノ。クイーンC、フローラSは大敗したが、デビュー戦の東京2000m・上がり33秒2で、クラシックを思い描いた馬だった。

人気以上のしぶとさを秘める、フローラS3着のマイネオーラム。ハピネスダンサーもひと夏を越え身体がふっくらとしてきた。

　秋華賞を目指すトライアルではあるが、春二冠のオープン特別トライアルと同様に本番には結び付きづらい。またメンバーレベルも正直なところあまり高くはない。

　過去の相場を見ると1000万条件で馬券に絡むレベルの馬ならばここでは勝ち負け。500万条件勝ちの直後でも、その内容が良くキャリアが多すぎない馬ならばチャンス十分だ。

　反対に春重賞に顔を出してそこでファンの認知度を得た馬は過剰人気になりがちなので注意が必要である。

　◎はヘイジームーン。1000万条件3着は先述した通り相場としては十分。スイートピーS時に今回出走メンバー3頭に先着しているように、もともと力上位でもある。

　○にレーヴデトワール。煮え切らない競馬が続いているが、桜花賞5着に前走1000万条件4着と、レベル的に足りることは示している。新潟が合えば劇的な変わり身があっても不思議ではない。

　逆に実績馬でも△バウンスシャッセはシルシを下げた。皐月賞のダメージにもくじけなかった馬だから今回も大丈夫だとは思うが、それでも古馬相手に苦しい大敗をした直後というのはやはりすんなり買えないものがある。

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【混戦模様】秋華賞トライアルではあるが、春の実績馬がかなりアテにならない紫苑S。上位に評価したのは、夏に使われてきた12ヘイジームーンと07ショウナンパンドラの2頭だ。桜花賞でも好走している04レーヴデトワールを単穴としたが、オークス組は全体的に低評価。波乱決着の可能性も十分ありそうで、◎から手広く流す馬連や馬単を馬券の主軸としたい。

同日に復帰して同じ騎手が騎乗して結果は明暗が分かれたヘイジームーンとショウナンパンドラ。ショウナンパンドラは折り合って持ち味の末脚を存分に発揮。一方、ヘイジームーンは向正面から直線まで終始掛かったままで伸び切れずに惜敗。もちろん、クラスが違うので相手関係も違うが、折り合っていればもっと接戦になっていたはず。

それだけヘイジームーンは敏感で乗り難しい面があるということで、やはり手の内に入れている主戦・三浦騎手に手が戻ることは心強い。2走前同様、ヘイジームーンとショウナンパンドラの追い比べを見てみたい。

実績最上位のバウンスシャッセは基本的には中山、もしくは上がりのかかる競馬になってこそのタイプ。その点で新潟外回りでは割り引き。

新潟同距離コースの前走で103の◎ショウナンパンドラ。平均値で見ればやや劣るものの勢いではこの馬となる。もちろん相手は平均値と最高値トップを持つ○バウンスシャッセ。新潟で距離は違うが103を出している▲ヘイジームーンも相手となる。相変わらず人気のない☆マイネオーラムはここでも押さえる。以下△では人気はないものの指数では特徴のある馬たちを入れておきたい。

上位拮抗したメンバー構成だが本命は12ヘイジームーンを狙う。前走は久々で折り合いを欠きながら3着。今度は主戦・三浦に戻りスムーズに運べれば末脚は上位。距離延長は歓迎で自在に立ち回れる器用さも魅力だ。相手1番手は11マローブルー。馬体調整で確実にパワーアップ。好位から直線勝負なら勝機は十分にある。実績上位の7ショウナンパンドラは3番手までか。