今年の
中山金杯は外枠に逃げたい馬が揃ったこと、前で立ち回りたい馬も揃っていることから、レース序盤が緩みのないペースで流れての消耗戦が濃厚です。今週からCコースに変更される中山芝コースが、昨年最終週から一変して先行タイプに有利なコンディションに変わっている可能性も否定しませんが、展開的にスローペースは考えづらいだけに、本命は差し馬から選びたいです。また、冬場のこの時期は調教だけでは絞れない馬が多いので、なるべく前走からレース間隔の詰まった馬を選びたいところでもあります。
よって、◎には芝路線に転向してからは、安定感抜群の走りを見せるようになった
サクラアルディートを推します。特筆すべきは一昨年7月の500万下・
美濃特別。当時の中京芝コースは逃げ、先行馬が残ることはほぼ不可能とも言える馬場コンディションでしたが、
サクラアルディートはその中でももっとも時計が掛かった中京最終週の馬場を先行して勝利したのです。
このようなタフな馬場で先行して好走したような馬は、後に大物に育つことが多いもの。
サクラアルディートはその期待に応え、秋初戦の昇級戦となった
清滝特別では後に
金鯱賞を勝利することになる
カレンミロティックを完封して勝利しました。また、続く準オープンの
八坂Sでは後の
ステイヤーズSの勝ち馬
デスペラードとクビ差の2着に入線しました。
その後オープン入りしてからはやや伸び悩みの印象を受ける成績が続いていますが、あの中京のような馬場コンディションで強い勝ち方をした馬は不思議と成長が止まらない傾向にあります。前走の
ディセンバーSは休養明けで能力を出し切れず5着止まりでしたが、疲れを残さず順当に上積みが期待できる走りでした。
かつての
シルクフェイマス同様にタフな馬場での経験を糧に
サクラアルディートが成長し続けることに期待します。また、今回のようにレースを引っ張る逃げ馬がいると、中団で待機できるはず。差し馬有利の展開にも恵まれる可能性が高いでしょう。
○は昨年の福島で行われた
天の川Sではあれよ、あれよの逃げ切り勝ちを決めた
メイショウサミット。13番人気での激走だったことでフロック視されがちですが、レース内容は緩みないペースを自ら刻んで2着以下に大きな差をつけての濃い内容でした。
近3走は大敗が続いていますが、
小倉記念はさすがに
天の川Sで激走の疲れが残っていたものでしょうし、
オールカマーはスタートで躓いてレースにならず大敗。前走の
フェアウェルSは参考外と言えるダート戦での大敗です。
この手の気性難タイプは大敗からの一気の巻き返しを決めることが多いものです。玉砕型の逃げ馬と言える
コスモラピュタの存在でペースがとても速くなる可能性も否定できませんが、今週からCコースに変更される中山芝コースが、昨年最終週から一変して先行タイプに有利なコンディションに変わっていたとすれば流れに乗って流れ込みという可能性もあるでしょう。
なんと言っても冬場は馬体作りが難しく、太め残りで出走する馬が多くなりますが、
メイショウサミットは前走で叩き台とも言えるダート戦を使ったことで今回はかなり馬体がピリッとしてくるでしょう。勝負度合いの高さに期待してみたい馬です。
▲は近走の安定感のある走りは高く評価できる
ディサイファ。前走の
福島記念は前々走の甲斐Sで自己ベストのPP指数をマークした直後の一戦で疲労残りも懸念されたのですが、強豪相手に4着と結果を残しました。これは潜在能力の高さを証明する走りだったと言えるでしょう。
ただ今回は11月の
福島記念以来の一戦となります。この微妙なレース間隔は冬場だけに調整の難しさがあるでしょう。その点は気になるポイントです。潜在能力は今回のメンバーで上位と言える馬だけにあっさり勝つ可能性もありますが、太目残りで微妙な着順になるという可能性もあります。したがって、評価を3番手までとしました。