昨年までのJCダートが舞台を中京へと移し、レース名称も
チャンピオンズカップと改められて行われる、ダートの世界チャンピオン決定戦。
このダート世界チャンピオン決定戦は、ご存知のように、当初は左回りの東京ダ2100mで行われていました。しかし、このダ2100mは世界の主流がダ2000mに対して日本独特の半端な距離。よって外国馬が集まらず、右回りの阪神ダ1800mに変更。しかし、今度はダート大国の米国では右回りのコースがなく、コーナーを曲がれないかもしれないことを恐れて結局、外国馬が集まりませんでした。
そこでもっとも外国馬が参戦してくれそうな舞台ということで選ばれたのが、左回りの中京ダ1800mの舞台。また、これまでの国際招待制から自主登録制の国際競走に変更され、米国の
インペラティヴは一応、自ら名乗りを上げた形。
インペラティヴは米王道G1のパシフィッククラシック(
BCクラシックの前哨戦)で3着の実績馬。パシフィッククラシックの3着馬といえば、あの2003年のJCダートの勝ち馬
フリートストリートダンサーと同じ。近年の米国参戦馬よりは、明らかに実績馬ですが、この馬も
フリートストリートダンサーのように
チャンピオンズCで通用するのでしょうか?
私的には厳しいと見ています。なぜなら、
フリートストリートダンサーが3着だったパシフィッククラシックはダート。
インペラティヴが3着だったパシフィッククラシックは
オールウェーザーです。
オールウェーザーは茶色い色をした芝。芝馬が活躍する舞台です。それも0.8秒差では負けすぎです。(
フリートストリートダンサーは勝ち馬と0.3秒差で、2着馬は同年の
BCクラシックでも2着となったハイレベル戦)。
また、今年の
BCクラシックは3歳馬バイエルンが逃げ切りましたが、バイエルンがゴール手間で酸欠状態で外に寄れ、降着審議の対象になったように、オーバーペースの流れでした。つまり、後方待機の
インペラティヴは展開に恵まれたのに9着と、一線級が相手では現状、歯が立たないことを証明する形となったのです。それも今年は
BCクラシックでは通用しないと言われている3歳馬が上位を独占する、けっしてレベルが高いとはいえない結果でした。同じパシフィッククラシックの3着馬でも
フリートストリートダンサーとは格が違います。これで
インペラティヴに走られちゃったら、「ダートが砂の日本へおいで」と言いたいくらいです(笑)。
さて、日本馬はというと、この路線は2012-2013年度前半にかけては、
ホッコータルマエ、
ワンダーアキュート、
ニホンピロアワーズにダート路線に転向してパフォーマンスを上げた
ベルシャザールの4強でした。厳密には怒涛の6連勝で、2012年のJCダートで1番人気に推され、同年の東京大賞典を制した
ローマンレジェンドを含めた5強かもしれませんが、
ローマンレジェンドはある事情があって能力を引き出せずにいるので、一応、4強と表現しました。
しかし、2014年度は4歳世代に押されっぱなしの結果。
フェブラリーSでは
コパノリッキーがスランプから脱出し(兵庫CSでマークした高いPP指数からは、昨年暮れの2戦はスランプだったとしか思えない)、堂々の逃げ切りV。更に地方競馬の大一番、JBCクラシックでは
コパノリッキーとJDダービー後の不振から長いトンネルを抜けた
クリソライトのワンツー決着でした。
しかも、その他の4歳馬
ベストウォーリアや
クリノスターオー、そして
インカンテーションも昨年の
みやこSで2着の実績がありながらも、なかなか勝てなかった古馬重賞を前走で勝って、かなり勢いがあります。よくラ
イバルが強いと自分も強くなると言いますが、それは競馬も変わらないこと。この世代は3歳世代から激戦を繰り返していたために、その後スランプを生み出す原因となった反面、ここへ来て一気に強くなりました。
ホッコータルマエも
ワンダーアキュートも
ニホンピロアワーズも強い馬ではありますが、ここへ来て基調が下降しているのも事実。普通に考えれば4歳勢優勢で、なかでも亜流の
武蔵野Sや
みやこSよりも、ハイレベルな本流JBCクラシック組から選ぶのがベスト。今年の
エルムSもハイレベル戦でしたが、その激戦で2着の
クリノスターオーが次走以降のスランプを生み出したことを考えると、勝ち馬
ローマンレジェンドは今回は軽視。
よって、◎には厳しい流れの前走JBCクラシックで4コーナー先頭の積極的なレース運びで5着に善戦した
ベストウォーリアを推します。この馬は休養明けの南部杯で自己ベストのPP指数をマークし、その反動で前走は凡走すると見ていましたが、思っていたよりもがんばりました。これはこの馬の地力強化によるものでしょう。
○は前走JBCクラシックで2番手追走から2着と善戦した
クリソライト。JBCクラシックで激走し、お疲れさま状態で翌週追いきれなかった
コパノリッキーに対して、こちらは至って順調。前々走の日本テレビ盃との比較で、前走凡走しているのが好ましいです。ちなみにハイペースの2番手を追走して、2着以下に7馬身差もつけた日本テレビ盃のPP指数は、JBCクラシックを制した
コパノリッキーを上回るものでした。しかし、本命にしなかったのは、JRAの競馬だとポジションが悪くなりそうだからです。
▲は今年6月の帝王賞の勝ち馬
ワンダーアキュート。この馬は若かりし頃はスピードを生かす競馬、年齢を重ねてからはスタミナを生かす競馬で、若かりし頃から現在まで安定した成績を残しています。若い頃と比べると、序盤のスピード不足がやや衰えているので、好位を取るという意味では、距離が長いほうが理想です。現状のベストはダ2000mで先行する形ですが、ダ1800mで差す形でも悪くはないです。
クリノスターオーとのチョイスに悩みましたが、ほぼ確実に上位に来るという意味ではこちらにしました。