ひと昔前の
毎日王冠や
京都大賞典というのは、秋のG1を狙う馬たちが集うG1に限りなく近いスーパーG2でした。1998年の
毎日王冠では、
サイレンススズカ、
エルコンドルパサー、
グラスワンダーの3強対決で盛り上がり、2000年の
テイエムオペラオー、2004年の
ゼンノロブロイは
京都大賞典から始動し、秋のG1を総舐めにしました。
しかし、近年は
凱旋門賞を目指す馬や
天皇賞(秋)から始動する馬が多く、すっかりローカルG3の延長上となってしまいました。日曜日の
毎日王冠では
エアソミュールが勝ちましたけれども、決着指数が
関屋記念レベルで、さすがにショックを受けました。
京都大賞典も近年の低レベル化が著しく、今年もこの先の王道G1には繋がらない可能性が高いでしょう。
この
京都大賞典の低レベル化で、かつてと大きく変わったことがあります。かつての
京都大賞典は、G1級の馬たちが無理をさせずの足慣らしの一戦で使ってくるために、よっぽど雨でも降らない限り、ほぼスローペースでした。
しかし、近年は王道G1ではやや足りない馬たちが、必至で勝ちに行くために、ハイペース化しました。逃げ馬がいれば序盤から必至でリードを奪っていくし、逃げ馬が序盤でリードを奪わなければ、昨年のように5F目から急激にペースアップして、結局のところ消耗戦となります。今年も逃げ馬がいませんが、道中から急激にペースアップし、京都開幕週に反して差し、追い込みが決まることも十分考えられるでしょう。芝2400mへの距離適性も問われるレースになりそうです。
よって、◎には昨年の
オークスで一変し、変則三冠馬となった
メイショウマンボを推します。この馬は阪神ジュ
ベナイルFや
桜花賞では序盤からおっつけて行って、終い伸びない競馬をしていましたが、距離を伸ばした
オークスでは序盤で楽々の追走から終いまでキッチリ伸びて勝利しました。距離?と思われた今春の
ヴィクトリアマイルでも2着に健闘し、一応、格好をつけてはいますが、これはがっぽり開いた
ヴィルシーナの直後を突いたもの。確かに突ける脚があるというのも実力のうちですが、本質的に芝2400m前後がベストなのは間違いありません。
メイショウマンボの序盤無理せず、直線勝負というのがいかにも東京や京都コースが合う乗り方で、それがこの馬を変則三冠馬へと導いたひとつの要因でしょう。前走の
宝塚記念は、
ヴィクトリアマイルを大目標にした後の一戦だったために11着に敗れましたが、相性抜群の京都で立て直されての変わり身を期待します。
○は昨年の
ステイヤーズSを圧勝し、今年の
京都記念も快勝しているように、ここでは実績上位のデスぺラード。今回のメンバーは先行タイプがやや手薄と言えるメンバー構成だけに、自在性に富んだ走りは高く評価できます。仮に道中で急激なペースアップがあったとしても、それに抵抗できるスタミナもあるのでこの馬を対抗評価にしました。
▲は今年の
小倉大賞典を2コーナー過ぎてから一気に捲くり、向こう上面からロングスパートを仕掛けて押し切った
ラストインパクト。
小倉大賞典はとても強い勝ち方でした。前走の
新潟記念では休養明けを叩かれた上積みを見せての3着でした。しかし、
小倉大賞典におけるPP指数から考えて、前走の
新潟記念はまだ目一杯走ったとは考えられず、更なる上昇を見せる可能性は十分あります。