2010年以降の4年は最終追い切り場所、栗東坂路が連勝中。ただ、今年の出走馬のほとんどは栗東坂路での最終追い切りなので、これだけで絞ることができません。よって、重要になるのが、1週前追い切りと最終追い切りの「2F時計」の内容。4頭の優勝馬は、2F時計が2週続けて「25.5秒以下」という共通点がありました。

　該当馬が5頭いる中で◎ベルカントを選択した理由は、7走前のファンタジーS。これもスワンSと同じ京都芝1400m外回りのレースですが、このレースを勝った時に、栗東坂路で2週続けて2F25秒以下という時計をマークしていました。もちろん、ファンタジーSとスワンSではレースで求められる調教の質は違いますが、同時期同舞台で行われる重賞を勝った時と同じ調教ができているという点が評価した最大の理由です。

1.ウイングザムーン
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路主体

2.オリービン
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

3.サドンストーム
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

4.タガノブルグ
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

5.フィエロ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準多め併用

6.ベルカント
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

7.サダムパテック
今回：急仕上げ坂路
前回：急仕上げ坂路

8.シルクフォーチュン
今回：標準トラック
前回：地方

9.アフォード
今回：標準坂路
前回：標準坂路

10.ニンジャ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

11.ミッキーアイル
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

12.サンライズメジャー
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準少め坂路

13.サクラアドニス
今回：標準坂路
前回：標準坂路

【雨が味方】土曜日の関西地方は雨。フィエロの道悪実績を第一に置いた。新春Sの1分32秒8は、前日の京都金杯と0秒3差。2着に敗れたものの、GIのマイラーズCを1分31秒6という好タイムで2着と、良馬場の時計勝負にも実績はあるが、ディープインパクト産駒にしては500キロの大型馬。重馬場の新馬戦・六甲Sを外一気に快勝した快勝歴は心強い。

将来性なら、もちろんミッキーアイル。2歳秋に京都マイルを1分32秒3でレコ勝ち。57キロを背負い、アーリントンC・NHKマイルを逃げ切り。記録やスピードのマキシマムは、まだ見えていない。天性の脚力に任せ、これまでは安全策に近い逃げをチョイスしてきたが、マイルより流れが速い1400mなら、好位で折り合いスパリと弾ける競馬も十分考えられる。3歳秋、馬体も一回り大きくなった。

割って入ればウイングザムーン。京都1400mは4戦3勝、得意とするこのコースを待っていた。安土Sの1分20秒5、上がり32秒2をもってすれば、GIでも足りる。ベルカントは、GIのスプリンターズSで内からスルスル、一瞬は勝利が見えたほど。1F延長になるが、1400m重賞を2勝。京都コースにはファンタジーS勝ちもある。高速決着に多少難があるが、GIマイラー・サダムパテックの実績。距離1400mなら、タガノブルクの橘S・1分19秒6もリスペクト。

　スワンSは1200mっぽい馬が来る、というのが私の持論。そう言いつつ昨年はマイラータイプに上位を独占されたのだが、流れが速くなって全体の時計が詰まるほど、本来距離に限界のある1200mタイプが直線平坦を生かしてこなすという傾向が出てくると思う。1200mタイプをここで勝って好走してもらい、ここで好走した馬をマイルCSでは買わない、というのがデータ派としては一番収まりの良い形だ。

　しかも今回は芝1200mの実績馬が少ないので選びやすい。オープンの芝1200mで勝ち星があるのは◎アフォードと△サドンストームだけ。2着がある馬だと○ベルカント、▲ウイングザムーンといったところになる。▲だとむしろ1400mか1600mの馬という戦績なので、「1200mっぼさ」にこだわるならやはり◎だ。ただ強い馬もいるし、脚質的に3着という可能性が高いので、それを意識した買い目とする。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【小波乱】フィエロが本命。前走の安田記念(8着)は、初のGIで道悪も厳しかった。2走前のマイラーズCはレコード決着の2着で、時計が速い今の馬場は合いそうだ。ミッキーアイルは今年のNHKマイルC勝ち馬。前走の安田記念は道悪の影響で16着だが、いい馬場なら反撃が期待できる。サンライズメジャーは前走3着も上がり3ハロン33秒2をマーク。休み明けを叩いて体も引き締まるか。サダムパテックの前走の58.5kgを背負っていたが、着順ほど負けていない。今回は定量の57kgで京都も良績がある。あとはウイングザムーン、オリービンまで。

　◎サンライズメジャーは「ダイワメジャー×デピュティミニスター」という組み合わせ。父ダイワメジャーは京都芝1400mで連対率25.9%と好成績を挙げている。07年以降当コースで30走以上した種牡馬のなかではフレンチデピュティに次ぐ優秀な数字だ。母の父デピュティミニスターはフレンチデピュティの父なので、父母両系から京都芝1400m向きの適性を受けている。

　ちなみに、母方にデピュティミニスターを持つダイワメジャー産駒といえば他にアミカブルナンバーがいるが、この馬は1400mの鬼といえる成績を残している。本馬はこれまで1600mを中心に使われてきたが、むしろ1400mで良さが出てくる可能性も考えられる。道悪は得意なので雨が降っても問題ない。叩き2戦目、得意の京都コースなら一発があっても不思議はない。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　芝1400mの古馬GII戦は、年間で四つ行われます。京王杯スプリングカップ、阪神カップ、阪神牝馬SとこのスワンSですが、この中で唯一直線に坂がないコースで行われるのがこのレースです。

1.基本的に前が止まらない

　去年までの3年間で逃げ馬が連続連対中。人気は順に［3・6・8］ですから、「逃げたもの勝ち」に近い有利さです。

　後ろから行く馬が届かないこともないのですが、勝ち切るためには早めに動いてポジションを上げていく必要があります。瞬発力型よりは持続力勝負に秀でたタイプを上に見るのがセオリー。

2.リピーターよりもチャレンジャー

　数多の名馬が勝ち馬に名を連ねる伝統の一戦ですが、過去にこのレースを2回以上勝った馬はいません。消長の激しい短距離路線ですから、過去の実績にとらわれ過ぎるのは賢明ではありません。

　この3年間は3歳馬が1勝、4歳馬が2勝。2着も4歳馬が2頭で5歳馬が1頭と、若い馬が優勢な傾向です。その前は6歳馬が連勝しているのですが、若い馬に該当馬がいないときに目を配る、というくらいのスタンスが妥当でしょう。

3.前走はなんでもあり

　グレード別定のGII戦なのにかかわらず、馬の格はほとんど問われません。前走条件戦とかオープン特別とかの馬が平気で馬券に絡みます。

　馬場の高速化が進む近年においては、このような傾向が顕著です。たとえば、今年の毎日王冠も京都大賞典も、前走GIII組やオープン特別組がGI実績馬を相手に下克上を果たしました。スターホースのネームバリューに惑わされることなく、馬券的にも積極的にチャレンジしていきましょう。

　ベルカントは芝1400mで重賞を2勝している1400巧者。スプリント路線の本道を歩んで大崩れしていないのですから、持っているスピードはこのメンバーでも一枚上と見るべきです。ハナに行かなくても結果を出せるようになったのも心強く、今回は非常にレースがしやすいことと思います。

　ミッキーアイルは3歳マイル王。57kgと初距離は課題になりますが、あっさり通過して驚けない素質を秘めています。サンライスメジャーは京都で4勝を挙げているコース巧者で、叩き2走目の前進を見込めば首位争いも。

　タガノブルグはNHKマイルCの2着馬ですが、おそらくこの1400mがベスト条件。他では、今季はパワーアップして本物になったバクシンテイオー、大崩れしないオリービン、京都芝1400mで3勝とコース適性抜群のウイングザムーン。

【小波乱】ミッキーアイルはスピードを持続することが可能でこの距離も合う。折り合ってフィエロが肉薄。タガノブルグは切れ味がある。

　フィエロは、ここを目標にジックリ乗り込まれて好仕上がり。気性的に久々も苦にしない。決め手はここなら上位。ここで弾みをつけてGIへ向かいたい。

　相手は、1400mならよりスピードを生かせるミッキーアイル、ひと叩きしたサンライズメジャーが有力だが、ウイングザムーン、タガノブルグ、ベルカント、サダムパテックにも注意。

馬体立て直しで完全復調した11ミッキーアイルのスピードが一枚上手だ!マイペースで行ける公算は大でGI馬のパワーで一気に押し切る!対抗は短距離向きの先行馬6ベルカント。直線平坦はプラスで善戦は必至。▲は決め手鋭い5フィエロ。ただマイルがベストで距離短縮がカギを握る。