【お薦め度C】

3番　アルマワイオリ
　前走はスタートで後手を踏んでしまいましたが、終いに脚を使える新味を発見。嬉しい誤算と言えるでしょう。上がり33.8秒は上々の数字ですし、走破時計(1.21.6)も1週前のファンタジーSよりも0.1秒早いものでした。重い芝で千八の札幌2歳Sでも0.4秒差に粘っていますし、マイルへの距離延長は問題ないでしょう。ここでも。

◎(お薦め度C)1000円・(お薦め度B)3000円・(お薦め度A)10000円を資金として、明快かつ儲ける競馬にこだわります。

　アッシュゴールドはまだ緩さの残る現状だが、それでもインベタ馬場を大外一気でバキューンと差し切り、ここでもちょっとモノは違うだろうし、きょうだいの中でも最も柔らかく大きく動ける体質なので外回りに替わるのも大きなプラスだ。

　ナヴィオンはハーツクライ産駒だがノーザンテーストやラストタイクーンのマイラーっぽさが出た体型で、1400mにも難なく対応して差し切り、あの斬れ味は外回り向きでもあり、この◎○が大本線。

【才能を愛でる】アッシュゴールは、生まれ落ちて以来、その血統を思えば気苦労も多い。7月の中京の新馬戦の造りでも、個人的には戦えるとは思っていたが、6着のあと山元トレセンで再仕上げ、今度はプラス6キロとトモ回りがフックラ。シンガリの一つ前の位置取りも、前半1000m・58秒0のHペースとあれば好位置――鞍上の池添Jは、何よりもドリームジャーニー・オルフェーヴルと、この兄弟を熟知。ペースを読んでというよりは、復帰戦はギリギリまで手綱を引き絞って直線ぶっ放す――そのように腹をくくっていたようにも映ったが、2歳10月時に京都マイルを1分34秒1で走れば、これはもう合格点。上がり34秒7という数字以上の力を、ゴール前の差し脚に感じとった人も多かったのではないか。この血統ゆえ、3歳春までに、まだ上り下りはある。むろん、今回もまだ、変に動かしたりせず、たぶん構えは直一気だろう。中二週のローテも、気負いにつながる危険性もあるが、楽天的に才能のほうを愛でてみたい。

強敵はナヴィオン。デビュー戦の上がり32秒7という瞬発力を、過剰に意識したこともあったのだろう。新潟2歳Sは、若干構えすぎ、末脚不発に終わったが、ききょうSは1000m通過が58秒2―1200m通過・1分9秒9という確からしい平均ラップを踏み、上がり34秒1で外一気。追い出しのタイミングや進路探しにも余があった。破格な坂路調教にも、いろんなゾクゾク感があふれ出てくる。阪神・京都の差はあるものの、アルマワイオリも、もみじS・1分21秒6と上がり33秒8も、同じように良質だ。ただ、〇と▲はイメージとすれば、マイルよりは瞬発力を凝縮する形の1200-1400mの差し馬?。

ケツァルテナンゴは、時計対応にはそんなに心配をもっていないが(デビュー戦・阪神マイルで上がり33秒7の脚がつかえた)、激しい気性がどう出るかだろう。地味だが、グレイスフルワードの1分35秒6は、ラップ・時計ともに理にかなった内容。タガノエスプレッソのキャリアが一角崩し。

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【小波乱】ナヴィオンが重賞初制覇のチャンスを迎えた。前走は末脚を伸ばして着差以上に強い競馬。追って味があり外回りコースも合う。アッシュゴールドの前走は一変に成功。ソエが良化していい馬場もプラスだった。オルフェーヴルの全弟で潜在能力は高い。アルマワイオリの前走は差す競馬で快勝。切め手はヒケを取らない。ケツァルテナンゴは2戦2勝と底を見せていない。センスがよく久々でも要注意。グレイスフルワード、タガノエスプレッソを押さえる。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　芝の1600m戦は「根幹距離」と言われます。とくに直線が長いコースではごまかしがきかないので、小手先のスピードではなく底力が要求されます。阪神JFが阪神外回りコースで行われるようになってから、クラシックに直結するレースに生まれ変わったことはよく知られています。

　このデイリー杯もまた、直線が長いコースで行われる2歳重賞です。現時点の完成度よりも、スケールや将来性が要求される傾向が強く、数多くのスターホースがここから巣立っていきました。今年から朝日杯フューチュリティSが阪神に移動するのに伴なって、その前哨戦として施行時期が一ヶ月繰り延べになりましたが、これによって重要性がさらに増すことになりそうです。

1.差し馬が脚を余しにくい

　近2年は秋の京都開幕週の施行だったため、先行馬が連対しましたが、本質的にマイル戦は差し有利。とくに2歳戦となればなおさらです。優れた差し脚を持つ馬、具体的には前走でメンバー中1位の上がり3Fタイムを記録していることが望まれます。

2.前走未勝利戦勝ち馬が互角以上

　前走未勝利戦を使って1着だった馬が、過去10年で4勝もしています。「戦績に疵がついていない」ということで新馬勝ち馬が人気を集めがちですが、じつは未勝利勝ち馬の方が優秀な成績を収めているのです。新馬戦より未勝利戦のほうがペースが厳しくなるのが通例で、そこを勝って来た馬はスタミナの優秀さをすでに示している、と考えることができます。

3.橋口厩舎、小牧騎手

　ペールギュント、リディル、クラレントと、過去10年で橋口厩舎の馬が3勝を挙げています。人気は順に［9・1・4］。いずれも鞍上は小牧太騎手でした。ちなみに、橋口・小牧コンビは昨年も4番人気のピークトラムで3着しています。

　アッシュゴールドは心身ともにまだまだ荒削りな面を残していますが、「完成度よりも素質重視」というのが本稿の方針ですから、本命はこの馬以外に考えられません。この兄弟はみな気持ちで走るタイプであり、相手強化で「人気先行」と見られている今回が狙い目です。

　相手は橋口厩舎のナヴィオン、2戦2勝とまだ底を見せていないケツァルテナンゴ。小牧太騎手のジュヒョウもスタミナ勝負には自信があります。レベル高い新馬・未勝利で揉まれてきたタガノエスプレッソにも要注意。

【小波乱】ナヴィオンは切れ味抜群。立ち回りも上手で完成度が高い。タガノエスプレッソは一戦ごとにレースを覚えている。ケツァルテナンゴは根性がある。

　ナヴィオンは、ききょうSが着差以上の強さ。気性的にはまだ幼い面が残っているが、晩成型が多いハーツクライ産駒にしては珍しく、馬体の完成度が高い。より決め手を生かせそうな外回りなら連勝十分。

　相手は、どんなレースでもできるアルマワイオリ、使いつつ力をつけているタガノエスプレッソが有力だが、ケツァルテナンゴ、プリメラアスール、アッシュゴールドも押さえておきたい。

キャリアを積むごとに進化を遂げてきた2ナヴィオンに逆らう手はない!心身ともに充実して調教でもハードメニューを消化。非凡な末脚にも迫力を増してきた。直線が長い外回りで一気に差し切る!対抗はオルフェーヴルの全弟9アッシュゴールド。末脚は強烈で良血が真価を発揮してくれそうだ。▲はデビューして連勝中の1ケツァルテナンゴ。