これまでの
新潟2歳Sは、後の
桜花賞馬
ハープスターや
皐月賞馬
イスラボニータを輩出するなど、クラシックへの第一関門と言えるレースでした。早期に強い勝ち方をした馬は、まずはこの舞台か
札幌2歳Sを目指し、クラシックを見越す走りができれば一旦休養。そして秋に復帰して、そこからクラシック戦線やNHKマイル戦線を目指しました。
ところが、昨年から秋に2歳重賞が大幅に増えたことにより、その傾向が薄らいでいきました。未勝利戦をオープンの
ダリア賞よりも高いPP指数で圧勝し、ここへ出走してくれば上位人気は間違いない
シルバーステートや
アストラエンブレムは、この舞台や
札幌2歳Sには出走せず、秋の重賞を目指すようです。
そうなれば、当然、メンバーの質は下がります。今回の出走馬が後のクラシック線戦に繋がらないとは言えませんが、今後は勢力分散により、これまでよりも来春のG1に繋がりづらくなっていくでしょう。
さて、今年の
新潟2歳S。見るスポーツ新聞によって、推し馬が異なるので、何が1番人気になるのかと楽しみにしていたところ、前売り1番人気はなんと
ロードクエストでした。確かに
ロードクエストの新馬戦は、ラスト2F目地点でスパーンと切れて、ラスト1F地点では先頭とは約3馬身ほどあった差をきっちり詰めてのVは将来性を感じさせるものがありました。ラスト3Fもメンバー最速の32秒2。この週のマイル戦以上の距離では最速の上がり3Fでした。
しかし、新潟芝1600mの新馬戦で32秒5をマークした
エネアドが、未だ条件戦の身であるように、追い込み馬がマークした上がり3Fはそこまで当てにならないものがあります。(ただし、
エネアドの新馬戦は前崩れ、
ロードクエストの新馬戦は前残りという違いはあり、レース内容の比較からは、
ロードクエストのほうが上) それ以上に怖いのは、出遅れ癖があること。2歳のこの時期のレースは、前半でそこまでペースが上がることがないので、多少の出遅れならば挽回できますが、この馬の新馬戦での出遅れ方は、超ド派手に出遅れをやらかした
ダノンサーガの陰に隠れているだけで、将来の
ゴールドシップを感じさせるド派手な出遅れ方でした。
確かに馬場が悪くなるなれば、かつての
セイウンワンダーのように大外一気が嵌る可能性もあるし、新潟芝コースは内が悪くて、内を開けて走っているので、今回の枠順2番ならば最悪内ラチ沿いから突き抜けてくる作戦を取ることも出来ます。しかし、それを当てにし過ぎるのも怖いので、今回は○対抗までとしました。
また、競走馬はデビューしてから5戦目くらいまでは上昇曲線を描く傾向にあるために、この時期の2歳戦はキャリアが豊富な馬のほうが優勢の傾向があります。よって、◎には2戦2勝で、今回がキャリア3戦目となる
ペルソナリテを推します。この馬は6月の東京開幕日の新馬戦を勝利した馬。芝1400mの一戦で、直線ではとても届きそうもないところから内を割って伸びて勝利したあたりに非凡なものを感じ取ることはできました。ただ指数、タイムともに平凡で上がり3Fタイムはまずまずながらも、この時点では高い評価をしていませんでした。
驚かされたのは前走
ダリア賞。直線で前が狭くなって万事休すと思われたところから、馬群を割って抜け出して勝利してしまったのです。スムーズに外を追い込めた2着馬とは、着差はわずかでしたが、内容はずいぶんと優秀なものだったと言えるでしょう。また、日曜日の新潟は雨模様となっています。そういう意味では、今回の外枠もラッキーでしょう。ド根性娘の激走に期待します。
▲は新馬戦では次走の未勝利戦を高指数で圧勝することになる
タニセンビクトリーを、ゴール前できっちり差し切って勝利した
ヒプノティスト。上がり3Fタイムも優秀で文句のつけようがない内容でした。今回はラッキーなことに大外枠を引き当て、自在にレースが運べそうです。問題点があるとするならば、
新潟2歳Sは前走芝1800mの新馬戦からの直行馬は昨年こそ連対馬を出したものの、苦戦傾向にあるということでしょうか。やはりスローペースの芝1800mと、流れが急になる重賞の芝1600mでは、あまりにもペースが違って対応に苦しむ馬が多くなってしまうためでしょう。ペース対応がカギとなりますが、能力自体はここに入っても通用するはずです。