昨年の
チャンピオンズCは、前半4F50秒越えのどこまで行ってもペースが上がらない前代未聞とも言えるスローペースでした。ダートの大一番ではスローはない、よって展開の紛れはまず生じないと思っていた私のこれまでの常識を覆された一戦でした。勝ち馬
ホッコータルマエは、ハイペースでも上位入線していた可能性は高いですが、2着
ナムラビクターは先月の
東海Sで11着に凡退したように、まぐれに近い内容の2着でした。
しかし、それは唯一無二の逃げ馬
コパノリッキーが出遅れたことが一番大きな要因。それも
コパノリッキーが1番人気だったこともあり、
ワンダーアキュートなどの自在脚質の馬は、展開決め打ちで目一杯下げて乗りました。また、
コパノリッキーよりも外枠の
インカンテーションなどは出遅れてもなお
コパノリッキーをマークして乗り、能力上位の馬の仕掛けが遅れたことが生み出したスローペースです。
確かに近年はダートの大一番もじわじわとスローペース化していますが、それでもやっぱり芝のレースほど極端すぎるスローになることは滅多にありません。昨年の
フェブラリーSも最低人気の
コパノリッキーが勝ったことからスローペースと言われていますが、
コパノリッキーが今年1番人気となってこの舞台に戻ってきたように、そこまで極端なスローペースではありません。
今回も
コパノリッキーが前走で圧勝した直後のレースで、お疲れさま状態で昨年のように出遅れた上に、二の脚もつかなかったら嫌だなぁと思っていましたが、今回は
コパノリッキーよりも更にテンの速い逃げ馬
コーリンベリーが1枠2番で出走してきます。これならば
コパノリッキーがうっかり出遅れても安心。2番枠に
コーリンベリー、4番枠に
コパノリッキーだと隊列スムーズでペースが落ち着きやすくなりますが、それでも逃げ馬がちゃんと逃げる以上は、昨年の
チャンピオンズCのように超絶スローペースになることはないでしょう。
ダートの大一番で極端なスローはない、紛れは生じない、ペースが上がれば総合能力とローテーションが結果を決めるという、これまでと同じ
スタイルで予想を組み立てたいです。こうやって予想をしているから、過去の
フェブラリーSやJCダートではなかなかいい結果が出せているわけだし、今年も当たらなくても恥ずかしくない予想をしたいです。
よって、◎は昨年の帝王賞の勝ち馬
ワンダーアキュートを推します。昨年の
フェブラリーSは、極端なスローペースではありませんでしたが、道中で緩みが生じて、内枠の馬は直線の入り口では外から被せられる形となったために、直線序盤では進路を失いました。
ワンダーアキュートは2番枠。鞍上の
武豊騎手が「外枠の競馬でした」というコメントがまさにピッタリで脚を余す内容での6着。しかし、同馬はこのレースで過去に3着2回の実績があります。また、今回は外枠ですので、進路を失う可能性は低いでしょう。
9歳馬ということで今年は驚くほど人気がありませんが、半年前に
コパノリッキーを完封して帝王賞を勝利した馬を、そこまで衰えたと決めつける必要があるのでしょうか? 前々走の
チャンピオンズCでも前残りの流れの外々を回らされながら、良く追い込んできました。確かに前走の東京大賞典では大敗してしまいましたが、前走大敗の実績馬が穴を開けるのは競馬の
セオリーです。
問題があるとするならば、今回のレースがスローよりの流れになる気配があるということでしょう。近走の
ワンダーアキュートは少しずつテンの速力が落ちてきています。現在の同馬にとって本当は距離が2000mぐらいは欲しいところでしょう。しかし、今回のメンバーならば能力、実績は完全に上位の存在。展開が向いて、能力を出し切ってくれることを祈ります。
○は昨年の
フェブラリーステークスの勝ち馬
コパノリッキー。前走の
東海S時が
ピークらしく感じられ、当初
フェブラリーSでは軽視しようと考えていたのですが、枠順が発表されて考えが変わりました。どう見ても逃げ馬の
コーリンベリーを見ながら大名マークが出来そうな枠順、スタートさえミスしなければ、とても楽な展開が見え見えです。能力は最上位の馬ですし、逆らい辛い馬です。スタートが最大のカギとなるでしょう。
▲は地方馬ながら全日本2歳優駿を制し、昨年のジャパンダートダービーの2着馬
ハッピースプリント。確かに昨年の3歳世代のダート路線は例年と比べるとややレベルが低いものがありました。また、
ハッピースプリント自身も昨秋に復帰してからは成績上不振ということになってしまっています。しかし、前々走の東京大賞典では強豪古馬とぶつかって4着と着実に成長している姿を見せました。なんといってもこの時期の4歳馬は成長力が見込めます。鞍上も魅力。一発が期待できる馬です。