東京芝は金曜発表で稍重、これからも降る予報で稍重から重あたりを想定、しかも先行馬がけっこう揃って持続戦になると読めば、シャトーブランシュやスイートサルサあたりが面白い狙いか。

イリュミナンスはフラガラッハの3/4妹で、母はジャングルポケットと同じトニービン×ヌレイエフでハイペリオン4･6･6×5･6･6、成長力と粘着力に富む中距離血統だ。前2走も悪くない内容だが、馬場が渋ってタフな競馬になってこそ本領発揮の血統だから、ここはもう一度狙ってみたい。

　いつもとは違ったアプローチから、今年の府中牝馬Sに適した調教内容を予想してみようと思います。その軸となるのが、ミナレット。この馬が「逃げる」ことを前提に、その時に好走した(ヴィクトリアM以降)調教タイプを掲載してみます。

(東京芝1600m)ヴィクトリアM
1着 標準坂路主体
2着 標準併用
3着 ミナレット

(東京芝1400m)パラダイスS
1着 乗込坂路主体
2着 標準坂路
3着 ミナレット

(福島芝1800m)福島テレビOP
1着 標準坂路主体
2着 標準坂路
3着 標準少め坂路

(新潟芝1400m)朱鷺S
1着 馬ナリ平均トラック主体
2着 標準坂路
3着 標準坂路

　場所、距離ともにバラバラですが、勝ち馬は必ず併用系統という共通点があります。しかも勝ち馬の単勝人気はすべて5番人気以下。二桁人気も2頭いるので、ミナレットが逃げると流れが厳しく、坂路、トラックの調教適性が両方必要になるということ。

　◎パワースポットは馬ナリ平均併用で最終追い切りが美浦坂路でラスト1Fが最速になるラップを踏んでいます。近5走以内に芝レースで2回メンバー最速上がりをマークしているので、調教適性を発揮しやすい流れで、自身の決め手も活かせるでしょう。

1.ケイアイエレガント
今回：標準併用
前回：標準坂路

2.シャトーブランシュ
今回：標準トラック
前回：標準多めトラック

3.レッドリヴェール
今回：軽目坂路
前回：標準少めトラック

4.スマートレイアー
今回：標準少め坂路
前回：馬ナリ平均坂路

5.ケイティバローズ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

6.フレイムコード
今回：急仕上げトラック
前回：馬ナリ平均トラック

7.メイショウマンボ
今回：標準併用
前回：地方

8.リメインサイレント
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準坂路

9.ゴールデンナンバー
今回：標準トラック
前回：軽目トラック

10.ミナレット
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均トラック

11.パワースポット
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均トラック

12.スイートサルサ
今回：標準トラック
前回：標準少めトラック

13.イリュミナンス
今回：標準少め坂路
前回：標準少めトラック

14.トーセンソレイユ
今回：標準少めトラック主体
前回：急仕上げトラック

15.ノボリディアーナ
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

16.カレンケカリーナ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

17.カフェブリリアント
今回：標準併用
前回：標準併用

【混戦】レッドリヴェールは本来の状態を取り戻してきた。調教気配も上向いておりG1に向けて結果を残したい1戦。ケイアイエレガントは春の2走の内容が優秀。充実顕著で今回も好勝負。スマートレイアーは地力上位で動きも迫力を増している。パワースポットはしまい生きる展開なら浮上十分。カフェブリリアントも巻き返し態勢で、イリュミナンスやシャトーブランシュなども差なく上位の候補。

【スマートに決めたい】スマートレイアーは、一昨年のGI・秋華賞2着馬。GIIの阪神牝馬S優勝など、重賞路線で常に上位争いを繰り広げてきた実力牝馬。5歳となり6月の米子Sで着実に1勝も積み上げてきた。過去二年、GIのヴィクトリアマイルは結果が出せないでいるが、東京コースは〔1102〕。昨年の府中牝馬Sでは2着強襲を果たしているし、全6勝のうち1800mで3勝。阪神1800mの夕月特別でマークした1分44秒8の記録が示す通り、急がせることなく自分のリズムで運べる9Fがベストディスタンスだ。昨年より1キロ軽い54キロと、斤量条件も好転している。中間栗東坂路で上がり11秒台も計時、予期せぬ輸送減りさえなければ勝ち負け必至。

対抗はスイートサルサ。昨年の府中牝馬Sは0秒3差の6着に終わったものの、GIIIの愛知杯を3着と好走。福島牝馬Sは、従来よりもひとつ前目の積極策で勝ちをもぎ取り、進化の度合いも示した。元より瞬発力勝負の東京はべスト、前年以上の期待は当然。

割って入ればケイアイエレガント。京都牝馬Sの逃げ切り勝ちも、ヴィクトリアマイル・1分31秒9の2着にも、驚かされたが、牡馬混合の安田記念5着という結果を見ると、フロック視しがちな、こちらが悪いということか(笑)。牝馬限定のGIIなら1800mも守備範囲となる。

レッドリヴェールはクイーンC2着で、桜花賞2着の片鱗は示した。ただ、前走もそうだったが、ヴィクトリアマイルも1ハロン手前で脚色が鈍りだした。

カフェブリリアントも、馬群に包まれ競馬ができなかった関屋記念はともかく、1800mは鞍上の岩田に、慎重にコースロスなく、出来ればイン突きが求められる。

パワースポット、イリュミナンスも連下争いには丁寧さが必須。

　府中牝馬Sは、全馬を均等買いした場合の回収率が単65%・複59%。堅い重賞のように見えるが、1番人気の成績は芳しくない。極端な穴が出て全体の回収率を跳ね上げることが少ないというイメージだ。

　完全に堅く収まるわけでもない一方で荒れまくりにもならないという状況は、エリザベス女王杯をリアルに睨む前走G1組がここで[1-0-0-18]と弱い（過去10年、以下同様）一方で、レース間隔の開いていない重賞好走馬は強いという構造が影響しているのだと思う。中11週以下で前走重賞5着以内の馬は[5-5-4-19]で回収率が単133%、複93%と高水準。一方で前走重賞6着以下はマイネイサベルが大きな単穴をあけたものの複回収率は41%。まず買うべきは「レース間隔の開いていない前走重賞好走馬」だ。

　となると、やはりクイーンSの2,3着馬、◎レッドリヴェールと○イリュミナンスからということになる。前走マーメイドSの2頭はレース間隔が開くうえに斤量増。◎○は中10週で斤量減だ。

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　◎ケイアイエレガントは｢キングカメハメハ×エーピーインディ｣という組み合わせで、ケイアイライジン(京成杯オータムH-4着、弥生賞-5着)の半妹にあたる。母方にニジンスキーとロベルトを併せ持つキングカメハメハ産駒は、本馬のほかにラブリーデイ、レッツゴードンキ、フィフスペトル、キョウワダッフィーといった活躍馬が出ている。父の代表的な成功パターンといっていい。

今年は京都牝馬S(G3)を勝ったほか、ヴィクトリアマイル(G1)でストレイトガールのアタマ差2着、牡馬相手の安田記念(G1)でも5着に粘り、以前よりもワンランク上のステージに達している。福島牝馬S(G3)を制しているように1800mへの距離延長は問題なく、母が｢エーピーインディ×ロベルト｣という力強い血統なので、少々の雨ではへこたれないだろう。ヴィクトリアマイルと同じくミナレットが馬群を引っ張ることが予想されるので、2?3番手の追走で競馬はしやすいはずだ。

※火曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　古馬牝馬限定重賞としては数少ないGII戦。エリザベス女王杯へ向けての叩き台として、とくに4年前のGII昇格以降は豪華なメンバーが揃うようになりました。

　しかしながら、エリザベス女王杯が芝2200m戦であるのに対して、このレースは芝1800m戦。本番とは関連性が薄い距離で行われるため、各馬の序列がストレートに結果に反映されるとは限りません。結果として、堅く収まることが少ないレースになっています。

1.格上がり組が不振

　グレード別定戦で、実績を挙げている馬に有利な条件になっています。GII昇格以後の4年間の勝ち馬は、いずれも過去に重賞勝ちの実績があった馬ばかりです。それ以前のように下の条件からのチャレンジャーが通用しにくくなっていることには注意が必要です。

2.速い上がりが要求される

　昨年と2012年のレース上がり3Fは34秒前半。一昨年に至ってはレース上がりが32秒台という異様なまでに上がりが速い決着になりました。上がりが速いレースへの対応力は、好走するための必須条件と言えます。

3.主力は夏場に使われている馬

　3ヶ月以上の休み明けだった馬は［1-2-3-40］と不振です。昨年のウリウリ、一昨年のマイネイザベル、2012年のホエールキャプチャ、マルセリーナとこのパターンで人気になる馬は少なくありませんが、これらはいずれも馬券圏外に沈んでいます。休み明けの馬には取捨のハードルを高く設定すべきでしょう。

　レッドリヴェールは今年に入って430kg台の馬体重で競馬に使われるようになって、レースぶりが安定してきました。直線が長いコースの1800m戦は現状ベストと考えられますし、GIで活躍していた当時の主戦戸崎圭太騎手への乗り替わりもプラス材料。クイーンSからの臨戦も理想的です。

　スイートサルサは今春の福島牝馬Sの勝ち馬ですが、一昨年の当レースで3着があるように、本来は東京・新潟の直線が長いコースを得意としています。スマートレイアーは55kgを背負った昨年が2着ですから、今回54kgで出走できるのは有利。問題は久々がどう出るかでしょう。

　カフェブリリアントは関屋記念では前残りに泣いて持ち味を殺される形。今回は岩田康誠騎手への手替わりで巻き返しを図ります。ケイアイエレガントはヴィクトリアマイル2着、安田記念5着と今春のGIでの連続好走が光りますし、この馬自身は休み明けを苦にしません。

　シャトーブランシュはマーメイドSの勝ち馬ですが、当時より斤量が増えますし、叩き良化型でもあり今回は割り引きが必要になります。ノボリディアーナは牡馬相手の小倉日経オープン2着が好内容。過去3勝を挙げている芝1800mはベスト条件で、ルメール騎手を確保できたのも心強い材料です。

エリザベス女王杯の前哨戦と考えるとここで勝負になりそうな馬は見当たらない。ならばステップレースではなく、牝馬同士の難しい戦いと考えた方がいい。

本命は◎ミナレット。先週の毎日王冠が何十年振りかの逃げ切りだったように、やはり今の馬場は先行勢＆内を通った馬たちが断然有利。このメンバーで先手を主張するとすればミナレットかケイアイエレガント。ただ、ご存知のとおり、この2頭は以前に対戦しており、その時に先手を取ったのはミナレットでケイアイエレガントは番手で競馬ができるので無理には競りかけてこない。こうなれば単騎逃げが濃厚。

近2戦は掲示板にすら載っていないが、マークがきつくなった時の逃げ馬とはそんなものだし、また小回りの1800mで楽に逃げられるわけがないし、ペースが速くなる1400mでは脚が溜まるはずもない。適度に人気を落としてマイペースでの逃げ、というのが好走凡走を繰り返す逃げ馬のパターン。

平均値100以上が半数。前走にしても100超えが多く、力量としては似たり寄ったりのメンバーといえる。平均値ソートすると上位にキッチリ人気になりそうな馬が入る。だがこんな場合は確かに騎手で差がついたりするもの。3歳の軽量恩恵がいないのであれば上位騎手を素直に評価したほうがよさそうだ。軸は距離116でトップ◎スマートレイアー。指数に穴がないというのが大きい。穴はルメール☆ノボリディアーナ。近走指数に遜色なしの馬が名手で一発あり。

放牧明けだが出走態勢は整った1ケイアイエレガントが有力。スピードは上位で気分よく運べれば押し切るだけの能力は十分。ここは負けられない。次位は決め手は上位の17カフェブリリアント。距離延長は問題ない。▲は確実にパワーアップしてきた3レッドリヴェール。

このレースは2200mで行われるエリザベス女王杯のステップレースらしく、1800m、もしくはそれ以上の距離からの臨戦馬の好走が目立っている。そして、それに順調さという条件を加えると、好走確率もさらにアップする。◎はレッドリヴェールとした。春の2戦、阪神牝馬Sとヴィクトリアマイルで先着を許した馬達もいるが、前走では復調気配と距離への適性をしっかりと示しており、ここは逆転できると見た。

波乱の度合いが低くはないレースだけに、相手もひとひねり。目下の状態の良さを買って、ノボリディアーナ、カレンケカリーナを本線とする。人気のスマートレイアーは、2着だった昨年とは臨戦過程が違うだけに△にとどめ、ケイアイエレガントも、大型馬の久々と近走はマイルに専念していたことからも人気ほどの魅力はなく、こちらの馬券は抜けとした。