今年も先週までのBコースからCコースに変更されて行われる
マイルCS。例年の傾向を踏襲するならば、馬場高速化で内々、前々が優勢でしょう。近年の
マイルCSは、波乱傾向にありますが、2桁人気で連対した馬は、2009年
マイネルファルケ(2着)、2010年
エーシンフォワード(1着)、2011年
フィフスペトル(2着)と全馬ともに内々を立ち回った馬ばかりが穴を開けています。
昨年、8番人気でこのレースを勝利した
ダノンシャークも外枠から3コーナーで内々に潜り込み、直線では最内から速い流れでバテてしまった先行馬を捌きながら、前が開くとそこから突き抜けての2010年の
エーシンフォワードの再現を見ているかのような勝利でした。(ともに岩田騎手)
要は、基本は内枠の先行馬が有利で、外枠からならば3-4コーナーで内に潜り込まなければ厳しいということ。Cコース替わりの
マイルCSで外一気を決めた馬と言えば
トーセンラーくらいですが、その
トーセンラーは、同年の
天皇賞(春)で2着の実績があり、PP指数の能力値、最高値ともに最上位の存在でした。
そういう意味では、4連勝で
安田記念を制してマイル王に君臨した
モーリスは、外枠16番枠と厳しい枠順に入ったと言えるでしょう。しかし、
モーリスも
トーセンラー同様に、能力値、最高値ともに最上位の存在。今年4月のダービー卿CTで大外からぶっこ抜いて2着馬を3馬身半差突き放して圧勝した時の指数はとても高く、
宝塚記念や
天皇賞(秋)などの王道路線に出走していたとしても、
ラブリーデイよりも先にゴールインしていたほどのものです。
世間ではダービー卿CTでは内枠の有力馬(
シャイニープリンスや
コスモソーンパークなど)が内で詰まって能力を出し切れなかったことから、このダービー卿CTが
モーリスが恵まれた部分も大きいと考えている方もいらっしゃいますが、百歩譲ってその影響が大きいものだったとしても、ラスト1Fで先頭に立って、そこから3馬身半差もぶっこ抜いたのだから、次元の違う強さだと考えても良さそうです。
よって、◎は
モーリス。
モーリスは、調子が上がってこないという理由で、
毎日王冠を使わずにぶっつけ本番となるために、前売り1番人気を
イスラボニータに譲りましたが、それならば買って妙味。この馬の強さに賭けました。堀厩舎は、水曜日に追い切ると
武蔵野Sの
ゴールデンバローズのようにダメなことが多いですが、方針どおりの木曜日に追い切れているということは、引き運動が豊富で水準以上のデキにはあるということ。個人的には大きな不安を感じていません。
○は
桜花賞馬
レッツゴードンキ。前走の
秋華賞は、前々が破滅に向かってゴールインするかのような、予測不能の超絶オーバーペースに巻き込まれたために17着大敗を喫しました。前々走の
ローズSも十分速い流れで、その流れを自ら作っての4着でしたが、それ以上に速いとなると、もう逃げ、先行馬は残りようがないレースとしか言えません。
今回は内々を立ち回れる3番枠。京都のマイル戦で、内枠に先行馬が揃って入ったことから、極端にペースが上がる可能性も低いはず。確かに
レッツゴードンキの気性の悪さは気になる材料ではありますが、それゆえに折り合い上手の戸崎騎手に依頼したというところでしょうから、その手腕に期待して対抗としました。
▲は今春の
安田記念では
モーリスの2着だった
ヴァンセンヌ。前走の天皇賞では外枠から折り合いを欠きながら3角手前から一気に脚を使ってしまいました。内が有利な馬場状態のスローペースであのようなレースではまともに力を出せるわけがありません。前走はシンガリ負けではありますが、ある意味、度外視が可能な敗戦と言えます。
今回は前走の敗戦を踏まえて本来の待機策を取ってくると思われます。それならば春の
京王杯SCや
安田記念で見せた末脚がよみがえる可能性は十分あるでしょう。