昨年のこのレースでキャリア4戦の
トラスト(5番人気)とキャリア5戦の
ブラックオニキス(10番人気)で決着したように、特にこの時期の2歳戦は、キャリアが豊富な馬が優勢。先週の
新潟2歳Sの2着馬
コーディエライトも、メンバー中で2番目にキャリアが豊富な馬でした。
コーディエライトのように、逃げて大幅にパフォーマンスを上昇させた馬というのは逃げ限定タイプであることが多く、
新潟2歳Sで逃げられなかった場合を想定すると危うくて、私は本命にすることが出来ませんでした。しかし、まんまと逃げ切られて、やられました(´・ω・`)。
確かに
フロンティアのように1戦1勝でも通用する馬も少なくありませんが、そういう馬は、この先の重賞でも通用するような素質馬ばかり。過去に1戦1勝で
札幌2歳Sを勝利した馬に
ロジユニヴァースや
レッドリヴェールなどがいますが、これらは後のダービー馬と阪神ジュ
ベナイルFの勝ち馬です。
つまり、横一線の力関係ならば、キャリアが豊富な馬のほうが有利であること。これはデビュー2戦目よりも、デビュー3戦目、それよりもデビュー4戦目のほうが伸びシロが大きいからです。デビュー5戦目を超えてくると、それほど大きな伸びシロがありませんが、とにかくデビュー5戦目までは成長力を見せてくれます。
デビュー5戦目までに未勝利を勝ち上がれない馬の多くが、しっかり休養させて成長を促すか、条件を変えない限り、永遠に未勝利のまま終わってしまうことが多いのは、ほとんど伸びシロがないから。競馬は往々にして、新馬戦をかっこいい勝ち方をした馬が、人気の中心に支持され、一見、そちらを狙うほうが堅実で順当な予想に感じるかもしれません。しかし、その実、配当妙味のない穴馬を狙っているようなもの。キャリアが豊富な能力上位馬を狙うほうが、よっぽど堅実で順当なのです。
よって、新馬戦で強烈な勝ち方をした馬がいない今年の
札幌2歳Sも、堅実で順当な予想を心がけ、◎には、
ファストアプローチを推します。この馬はデビュー2戦目の前走・未勝利戦では、外枠からロスの多い競馬で5馬身差の圧勝。スローペースの上がり勝負の新馬戦ではジリジリとしか伸びて来られずの4着でしたが、前走ではレースが流れたこともあり、成長力を見せつけることが出来ました。前走で大味なレースをしていたことからも、距離が伸びるのは吉と出るはず。また、前走時よりも時計を要すようになった札幌も合うでしょう。
○は、超スローペースの前走の新馬戦で、メンバー最速の上がり3Fを駆使して完勝の
クリノクーニング。前走はラスト2F12秒0-11秒9と最後まで脚色が衰えることなく完勝。新馬戦で一番いい勝ち方をしたのはこの馬であり、指数もメンバー中ナンバー1のものをマーク。新馬戦の指数も重賞で通用しても不思議ないレベルのものでした。
▲は、○
クリノクーニングが勝った新馬戦の2着馬
カレンシリエージョ。新馬戦では着順も上がり3F最速も
クリノクーニングに譲る形で完敗でしたが、この馬が3着馬
キョウエイルフィーにつけた着差は8馬身。その
キョウエイルフィーもその次走で未勝利を勝利しているように、レベルの高い一戦だったことは明らか。前走初芝で善戦した、キャリアが豊富すぎて、もうそれほど上積みがなさそうな地方馬が想定以上に人気していることもあり、こちらを3番手評価にすることにしました。