このレースは、ちょうど20年前にダートでは断然の存在だった
アブクマポーロが恐ろしく負けて以来、地方馬が出走するのをご遠慮するようになり、すっかりレース名「ALL COME ON!(品種や所属に問わず、何でも来い!)」どおりではなくなりました。
また、一応、
天皇賞(秋)の
ステップレースということにもなっていますが、このレースの上位馬が
ジャパンCで勝ち負けすることはあっても、
天皇賞(秋)には、全く繋がらない一戦。例年ならば、
宝塚記念組が出走し、それらが結果を出すことで、なんとかG2としての水準を保てていますが、今年は、
宝塚記念の出走馬がなんとゼロ。確かに今年の
宝塚記念は11頭立てと少頭数でしたが、「一体、どうなっちゃってるの?」と言いたくなるようなメンバー構成です。
しかも、
タンタアレグリアや
アルバート、
モンドインテロなど、序盤のスピードが足りないステイヤータイプが揃った一戦。先行馬手薄で、逃げ馬は
グランアルマダ、番手タイプは
マイネルミラノのみ。
マイネルミラノは、マイネルルールにより逃げてはいけないことになっていますが、他に番手を狙う馬がいないのだから、
グランアルマダの出方ひとつでは逃げる可能性もあるし、仮に行かせたとしても早めに先頭を奪う可能性が高いでしょう。
極端なスローペースに持ち込めば、決め手不足の他マイネル2頭、特に前走で復調の兆しを見せた
マイネルサージュが入着賞金すらも稼げない可能性があるし、
マイネルミラノ自身も前に行ったほうがいいタイプ。もっと言えば、
マイネルミラノは他が行かずにしかたなく逃げた2016年の
函館記念の指数が一番高く、本質は逃げ馬。逃げ馬になると成績の乱高下がきつくなりますが、ローテーションとペースが噛み合いさえすればG1のひとつは勝てるんじゃないかというレベルの馬だけに、今回の条件で近走成績も充実していれば躊躇なく狙いました。
しかし、
マイネルミラノのこの夏の成績は、
函館記念11着、
札幌記念13着。
函館記念は道悪でペースがきつかったのが敗因としても、昨年はそういう競馬で完勝しているわけだし、前走の
札幌記念では流れが向いていたはずなのに殿負けしたことを考えると、さすがに本命にするのはビビります。中山は昨日金曜日の雨の影響を受けて、本日、土曜日はやや馬場が重く、時計を要していましたが、明日は馬場が乾いてもうワンランク速くなり、土曜日よりも前が有利になると見ています。
つまり、メンバーが強いぶん、超スローペースの決め手勝負になった先週の
セントライト記念より、ちょっと速く流れはするものの、基本的に逃げ、先行馬と決め手ある馬が有利の決着。よって、◎には、今回のメンバーでは、もっとも決め手がある
ショウナンバッハを推します。この馬は、昨年の
オールカマーでもメンバー中で最速タイの上がり3Fをマークしているように、いい脚が長く使える馬。
前々走の
福島テレビオープンも、休養明けで
福島テレビオープンをワン、ツーした
マウントロブソンと
マイネルハニーはその次走でドボンしましたが、3着の
ダノンメジャーが次走の
小倉日経オープンを完勝したように、オープン特別としては好メンバーが集い、高指数で決着した一戦。そこで勝ち馬と0.2秒差の4着ならば、昨年よりもメンバーが落ちる今年は、昨年6着以上は走れるはず。前走の
関屋記念は、距離が短く9着も、昨年の
AJCCで3着という実績あるこの舞台、この距離で一発に期待します。
○は、今年の
大阪杯の2着馬
ステファノス。この馬は叩き台をしっかりと作ってくる藤原厩舎の馬らしく、今回も走らせたくないという意思がしっかりと表れた軽めの調整。おそらく
天皇賞(秋)が大目標と推測されますが、今回のメンバーに入ると能力が高いので対抗評価としました。
▲は、
ステイヤーズS・2勝、
ダイヤモンドS・1勝の実績があるように、長丁場では強い
アルバート。当然、距離はもっと長い方がいいですが、長期休養明けでゆったりとレースが流れた昨年の
アルゼンチン共和国杯で、スタミナにものを言わせての早仕掛けで
シュヴァルグランの2着を死守。今回も足りない先行力を、道中で動いてリカバーすれば、上位争いに加わって来られると見て3番手評価としました。