今年からG1に昇格した
大阪杯の前哨戦として生まれ変わった
金鯱賞。G1の前哨戦に相応しく、これまで以上に豪華メンバーが集結しました。しかし、実績馬の
ステファノス、
ヤマカツエース、
ルージュバックは揃って、昨年のG1レースを大目標にした後の始動戦。ここが本気ではないはず。よって、本命馬には少々格下でも、年明けにレースを使われている馬の中から、ここが目標かつ、今回の想定される展開にマッチする馬を据えたいところです。
まず、
金鯱賞が行われる中京芝2000mは、前半で坂を上って、後半で坂を下るコースのため、前半スローの後傾ラップが発生しやすいのが特徴。しかし、昨年末の
金鯱賞で前半5F61秒5-後半5F58秒2ながら、ラスト4F目から11秒台が連発したように、前半があまりにもスロー過ぎると、後方勢が3コーナーの下り坂で勢いに乗せて仕掛けてくるため、極端な前残りにはなりづらいものがあります。
また、後傾ラップが発生しやすいコースだからこそ、ポジションを意識し過ぎて、淀みのない流れになることも多く、結局のところ強い馬が勝つという総合力勝負になることがことがしばしば。東京競馬場とは似て非なるコースなので、東京コースでの実績が直結しません。東京、京都などの決め手比べで結果を出して来た馬よりも、総合力勝負になることが多い中山や阪神で結果を出して来た馬のほうが好ましいし、中京での実績があれば理想的でしょう。
よって、◎には昨年の中京芝2000mの
シンガポールTC賞で2着に4馬身差をつけて、重賞でも通用レベルのPP指数で圧勝、昨年末の
金鯱賞でも2着の
パドルウィールを推します。休養明けの前走、
小倉大賞典は、
マルターズアポジーが繰り出した『肉を切らして骨を断つ』オーバーペースでの逃げを追い駆けたために15着に失速しました。
小倉大賞典で2番手を追走した
マイネルハニーがシンガリ16着に惨敗していることからも、
小倉大賞典がいかに淀みなく流れて、速い脚が使えないために前々で立ち回っている馬にとっては、ほぼ息を入れるポイントがなかったことが理解して頂けるでしょう。大半の先行勢が3-4コーナーで一気に失速していることからも、着順、着差を鵜呑みにしてはいけないレースだということがわかります。
今回は得意の中京に替わり、前々を意識した競馬が出来る枠番&メンバー構成。実績馬が
大阪杯が目標なのに対して、二の脚が遅く、決め手もないこの馬が勝ち負けするには、キングオブベストコースのここしかないはず。今回は中京開幕週なので、それなりの高速馬場と見ていますが、後続勢の決め手を封殺するという意味では、やや馬場が渋ったほうが理想的な馬です。確かに今回は相手が強いですが、こと中京芝2000mに限っては、それらにヒケを取らない指数をマークしているので、ここは思い切ることにしました。
○は、昨年の
天皇賞(秋)、
香港カップともに3着の
ステファノス。この馬は自在性があり、ハイペースでもスローペースでも対応可能な馬ですが、前哨戦と本番とではメリハリをつけて馬を仕上げてくる藤原厩舎の所属馬。当然、万全に仕上げてくるはずもないのですが、今回のメンバーでは一番強く、八分程度のデキでも立ち回りの上手さでカバーしてくる可能性もあるので対抗評価としました。
▲は、昨年の
鳴尾記念では○
ステファノスを撃破して1着、前々走の
金鯱賞でも3着の
サトノノブレス。
金鯱賞では最内を上手く立ち回った結果の3着で、ここへ入ると能力面でやや見劣りするところはありますが、昨秋の
オールカマーでも2着に健闘するなど、とにかく
ステップレースで賞金を加算してくる馬なので3番手評価としました。実績馬にとっては
大阪杯が本番でも、この馬はここが目標でしょう。