※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
サマー2000シリーズ第3戦。夏の小倉開催の前半戦に行われるため、時計が速くなることが多いレースです。過去10年間のうち5回は1分57秒台で決着していて、そのうち2回はレコード決着です。レコードが記録されやすいといっても、道中が厳しいペースになることが通例で、上がりも掛かります(最近3年間はすべて3F36秒前後)。2000mにしてはスタミナが要求されるのが、
小倉記念の独特なところです。
1.「バテずジリジリ」が日の目を見る
昨年の勝ち馬
クランモンタナは勝ち味に遅いジリ脚で知られていて、このレースが2年ぶりの勝利でした。一昨年の
アズマシャトルも、前走準オープンを4着、その前走の
鳴尾記念で3着と、瞬発力勝負になると少し足りない馬でしたし、それはその前年の
サトノノブレスも同様。バテずにジリジリ脚を使う馬が胸を張れるレースです。
2.より長い距離での実績に注目
昨年の勝ち馬
クランモンタナは芝2200mで2勝を挙げていましたし、2014年の
サトノノブレスも
日経新春杯(2400m)の勝ち馬で
菊花賞を2着。その前年の
メイショウナルトも2200mで2勝を挙げていました。2000mよりも長い距離を走れるスタミナが、最後に踏ん張れるか踏ん張れないかの分かれ目になります。
3.格上戦からの臨戦が強い
前走がGIだった馬の勝率は、過去10年で22.2%と優秀です。前走GII馬も14.3%であるのに対して、前走GIIIは6.1%と、とたんに勝ち味に遅くなります。前走GIIIでちょい負けした馬は、斤量も優遇されないし相手関係も楽にならないしで、ここで頑張っても結果を出しにくい構造になっているのです。
スピリッツミノルの近4走は、
阪神大賞典、天皇賞、
鳴尾記念、
宝塚記念と、古馬中長距離の王道を歩んでいます。けっしてステイヤーというわけではないのですが、バテないしぶとさを活かすには長めの距離が適しているようです。
宝塚記念は途中から息が入らない流れで差し馬有利のレースでしたが、早めに動いて見せ場を作っており、先に繋がる内容でした。
じつはこの「早めペースアップからのしぶとさ比べ」というのは、例年の
小倉記念で典型的なレース展開なのです。つまり、前走はここに向けて格好の叩き台になったと考えられます。2200-2400mで3勝を挙げている戦歴もレース傾向にぴったり。不真面目な面がある馬ですが、長い距離や強敵を相手に厳しい経験をしたことが精神的にプラスに働くようならば、大駆けがあり得ます。
ベルーフは昨年、一昨年と当レースでは2年連続2着。小倉のコース形態と
小倉記念の流れはこの馬にぴったりです。前走は苦手な上がりの速い競馬になったための敗戦で、馬自身は好調そのもの。巻き返しは難しくないでしょう。
ストロングタイタンは重賞では壁にぶつかっている現状ですが、巨漢馬だけに汗をかく夏場は得意で、前走をレコード勝ちで勢いに乗っています。小倉では3勝と相性も良く、上位安定の存在といえます。
タツゴウゲキは
七夕賞ではバテて下がってきた馬の直後に入ってポジションを下げる不利がありながら、6着に盛り返したのですから立派です。ここに来ての馬の充実は目覚ましく、デムーロ騎手への乗り替わりもあって魅力たっぷりです。
フェルメッツァは6歳にしてオープン入りを果たした遅咲きで、
七夕賞でも5着とローカル重賞なら手が届くところまで来ています。まさに「バテずジリジリ」脚を使うタイプ。母父に
トニービンを持つ
ディープインパクト産駒は、
サトノノブレス、
クランモンタナがいて、このレースと相性が抜群です。
ヴォージュは重賞初挑戦だった
七夕賞は9着に沈みましたが、前が飛ばして逃げる厳しい流れを先行してのもので、いい経験になったことでしょう。京都で3勝を挙げているように、直線が平坦なコースに替わるのもプラス材料。
サンマルティンは
母ディアデラノビア譲りのキレ味が武器ですから、例年のレース質を考えるとあまり強く推奨できません。ただ、2200m戦で勝鞍があるようにスタミナ自体は問題ありませんから、要は脚の使い所でしょう。